【発酵していく街づくり】下北沢「BONUS TRACK」に行ってきた

2021年2月17日(水)

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2月14日、手羽は下北線路街に来てました。
前回までのレポートはこちら。
話題のスポット「下北線路街」に行ってきた

前回のレポートで、あえて説明を省いた場所があります。

それは下北線路街の中心的な場所で、2020年4月プレオープン、10月グランドオープンした
BONUS TRACKです。

BONUS TRACKとは、長屋スタイルの1階5坪・2階5坪合計10坪の店舗兼住宅SOHO4棟と、4店舗の商業棟からなる「商店街」です。

下北沢は賃料が高騰した結果(この10年間で約3倍)、個性的な個人経営店が入りにくくなりチェーン店が増えてしまいました。多様性が売りの下北沢ではこれは逆効果であり、BONUS TRACKは店舗を長屋型にし、小さな区画割で賃料を下げることにした、と。
ただ、小田急電鉄は個人事業主との契約ができないので、NPO法人グリーンズのビジネスアドバイザーである小野裕之さんと「本屋 B&B」等を経営するクリエイティブ・ディレクターの内沼晋太郎さんが共同で立ち上げた「株式会社散歩社」が間に入る形でテナントとの契約、BONUS TRACKの企画・運営を行っています。

グリーンズには、2018年デザインハブでやったムサビ企画展「企(たくらみ)」展 -ちょっと先の社会をつくるデザイン-」でお世話になったし、小野さんとはその時のトークイベントで手羽はご一緒させてもらったりしてます(笑)
【ソーシャルで食っていけるのか?】企(たくらみ)展トークセッション「これからの『クリエイティブ』な仕事を考える」に登壇してきた

「若手のソーシャルデザイナーの名前を一人挙げろ」と言われたら、手羽がパっと思いつくのは小野さんでして。
しかし2018年にこの展覧会をできたのはすごいことだなあ(自画自賛)

内沼さんとはつながりはなく、せいぜい2017年に
【最後の秘境×美大生図鑑】外部から見た藝大美大、内部から見た美大藝大@下北沢B&Bに行ってきた!
B&Bに行ったくらいです・・。

さっきは「テナントとの契約、BONUS TRACKの企画・運営」とあっさり書いたけど、経緯はもっと複雑で、必然的にそうなったような気もするけど、仕組みがすごくよく出来てるなあ、と感じてます。


では、BONUS TRACKの中に入っていきましょう。


  • ここがSOHO棟

日本橋おむすびスタンドANDONの2号店「お粥とお酒のANDONシモキタ」や、誰かの日記や日記にまつわるエッセイ等日記に関するお店「日記屋 月日」

他にも、和の焼き菓子と酒のお店「胃袋にズキュン はなれ」、レコード/CD/カセットテープを取り扱うレコードショップ「pianola records」などなど。
特徴的なお店ばかりなのは、小野さんと内沼さんが「お店を出したい人」「本業とは異なる挑戦をしたがってる法人」に絞って声をかけたり、「お店の公募」という形で募集した結果のよう。

古民家・廃ビル等空き家をリノベーションした物件を扱う「omusubi不動産」も入ってます。
あ、現在SOHO棟1区画の募集が出てます。4月末引き渡し・開業目標6月だそうで、こんなチャンスはあまりないはずだからボーナストラックの趣旨に賛同できる方は申し込んでみては?第一締切日は2/28(日)23:59です。

こちらは代官山フレッシュジューススタンド「Why Juice?」から生まれた新業態「Why__?」下北沢店

手羽は「ぽんかんスムージー」(800円)、リンクロウはビーツのサラダ巻きみたいなのを頂きました。

2月14日は台湾を感じるイベント「春節浪漫市場」

をやってて、

オシャレな屋台が出てて、天気もよく、なおかつオシャレな若い人しかいないから、なんとなく美大の学園祭状態でした。こんなに密になる場所が他にあるだろうか(笑)

リンクロウも某大分の大学で起業や地域振興、ソーシャルデザイン的なことを勉強してるんで
手羽「こういうことを大分で仕掛ければいいんじゃないの?」
リンクロウ「うらやましいし、やりたいけど、そもそも若い人が大分にいないんだよね。オシャレな人も少ないからこんなイベントには絶対にならない」
なんてやり取りをしながら、商業棟へ。

1階には発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが運営する発酵食品のアーカイブと発酵文化をリデザインしていく「発酵デパートメント」


  • 全国の発酵調味料が勢ぞろい。

醤油や味噌も納豆もお漬物もお酒もみんな発酵。
食事スペースもあり、精進ランチもあるし、個人的に気になったのは発酵ハヤシライス。
ちなみに2月15日から3月7日まで岐阜・長良川フェアを開催中!

その2階にはBONUS TRACKへ移転リニューアルした「本屋B&B」

「恋する豚研究所 コロッケカフェ」は、千葉の農場で発酵飼料を食べて育った「恋する豚」と千葉の芋を使ったコロッケを食べられます。みんなが食べてたコロッケ定食、めっちゃ美味しそうだった・・。あ、ベランダにはコロッケの無人販売もありますよ。


  • 真ん中にはGALLERYがあり、ここで展示やイベントが開催されます。この日はベトナムのクリエイティブチーム rice によるポップアップストアでした

2階に会員制のワークスペース「BONUS TRACK LOUNGE」
BONUS TRACK MEMBERSになれば、このLOUNGEの他に、SOHO棟にあるシェアキッチンやミーティングスペース、半個室ブースの「BONUS TRACK HOUSE」やポップアップストアができる屋台付スペース「BONUS TRACK STAND」 も利用できます。
現在メンバー募集してるので、参加したい方はこちらからどうぞ。
BONUS TRACK MEMBERS | omusubi不動産

なおかつ、コワーキング会員募集キャンペーンをやってるんで、2月の毎週木曜日はMEMBER'Sを一日無料で利用できます。

おっと、書き忘れそうになっちゃった。
設計は、新しい世代の建築家集団として注目を集めている「ツバメアーキテクツ」さんです。この軽快な感じとかさすが。

「下北線路街空き地」は去年グッドデザイン受賞してるけど、「49%の余白」やネガティブ要素をポジティブに変換したコンセプトだったり、BONUS TRACK はグッドデザイン大賞狙えるんじゃないかと思ってます。
秋以降メディアで頻繁に紹介されるようになったんで、早めに押させておいた方がいいっすよ。


以上、今回記事を書くのに以下6つのサイトを参考にさせてもらった手羽がお送りしました。
経緯とかコロナ禍での出来事とか、読みごたえがあります。
ボーナストラックってどんな場所?プロデューサーの2人に聞きました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。