【最後の秘境×美大生図鑑】外部から見た藝大美大、内部から見た美大藝大@下北沢B&Bに行ってきた!

2017年5月21日(日)

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5月20日(土)、久しぶりに下北沢へ。

学生時代は買い物だったり舞台見に行ったり、結構頻繁に下北には足を運んでたんだけど、最近は全然行く機会がなく・・・うーん、最近というか10年ぶりぐらいだろうか。
家からすごく近い場所なんだけど。


しかし、昔もそれなりに人が多かったけど、前より全然増えてますね。
そして、ゲームセンターがあちこちにできてた。汚くて小さいなりに(笑)もっと文化的な香りがする地域だったんだけどなあ・・。

「あれ。こんなの昔あったっけ?」なのがこのリリーフランキーさんデザインによる待ち合わせスポット「こいぬの木」。
それもそのはず、これは2015年にできたものらしいです。
下北沢駅南口にリリー・フランキー氏デザインの新名所 「こいぬの木」誕生!

前より人の流れがごちゃごちゃしてる理由の一つが下北沢駅の大規模再開発かもしれません。
小田急線の地下化が2013年に完成してニュースになりましたが、これは前哨戦。井の頭線も含めてまだまだ工事は続いてるんです。

とはいっても2017年度中に複々線化が完成して、2018年度には駅舎が完成するんですね。
そんな遠い先の話じゃなかった。
興味のある方はこのあたりの記事を読むとよくわかります。
シモチカナビ
平成30年度完成の下北沢新駅舎とその周辺 | 下北沢に住みたい人のためのWEBサイト
下北沢駅完成時の改札口名称 | 下北沢に住みたい人のためのWEBサイト
南口が無くなっちゃうんだ・・これは人の流れが変わるだろうなあ・・。
それと確か下北は道路開発で揉めてたように記憶してるけど、それはどうなったんだろ?


・・・ってこのままいくと下北の話題だけで終わっちゃいそうなんで、先に進めます。
 

駅から2分ぐらい歩いて、箱貸し屋 素今歩 さんの前にあるのが、

本屋B&Bさんです。
ただ、どうしても目に入ってしまうのが、この看板の下にある

この張り紙で。
場所的にかなり落書きが多かったのが想像できます。確かに描きたくなる立地かも(ぼそっ)
しかしここまで直球の張り紙も珍しい。
関係ないけど、早稲田の近くのアパートに、

こういう張り紙を発見したことがありました。
「困ってます」じゃなくて「こまりはててます」がなんともオーナーさんの本当に困ってる感が出てて。

話を戻して。
 

階段をのぼると、いい雰囲気の本屋さんです。
奥にはイベントスペースがあり、そこで毎日イベントやってて、今後のラインナップを見ると、これが面白そうなのばかりで。
品ぞろえも美術・デザイン系コーナーには「あ。これ探してたやつ!」てなのがいくつかありました。amazonのオススメではここまでバッチリな「偶然の出会い」がなく、やはりリアル本屋の強みですな。


んで下北沢の本屋さんまで何しに来たかと言うと、

美大生図鑑 あなたの周りにもいる摩訶不思議な人たちのヨシムラヒロムくんと最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常の二宮敦人さんのトークショーって聞いたら、美大愛好家が行かない理由はないっしょ。


トークショーで分かったことは「二宮さんはきっといい人だ」ですね。
サイコバスな小説を多く執筆されてる二宮さんだけど、雰囲気といい「ああ。絶対に人を陥れるような人じゃない」と感じる方で(笑)


いろんな裏話を聞くことができましたが、手羽が衝撃を受けたのがこの話でした。
「タイトルを『奥様は藝大生』とつけたかったけど編集にボツにされ、あんまり使いたくなかった『秘境』『天才』がタイトルに入ってた」

実は「手羽がもしタイトルつけるなら『僕の妻は藝大生』にするだろうなあ。その方がキャッチだし」と思いながら読んでたんです。奥さんが藝大生というところから企画がスタートしてるので、いろんな藝大生が登場にするにしても、作者の愛着からしたらどうしても『奥様は藝大生』というタイトルをつけたくなるというか。
でも、そのタイトルで10万部を超える作品になったかというと・・・多分ならなかったはず。
編集者がこの本を書き上げるまでに3年待ってくれたり、処女作「!」から「描写の仕方からこの人にいつかノンフィクションを書かせたい」と思ったとか、「一番近い第3者目線」を持ってる編集者の存在って大事なんだな、とつくづく。
手羽も頑張ります(何を?)。

「一番近い第三者」といえば、考えてみたら二宮さんの本は「一番近い第三者として見た藝大の話」だし、ヨシムラくんのも「張本人目線ではなく、京都造形・ムサビなどを『一番近い第三者』として書いた話」なんですよね。
手羽はどうしても「大好きな美大の話」しか書けない・・けど、棲み分けはできるな、と。
頑張ります(だから何を?)。

ヨシムラくんがしゃべった内容は・・・えーと、ここを読んでください。
『美大生図鑑』著者が断言!『ハチクロ』の美大はヘンリー・ダーガーの作品くらい非現実 | ダ・ヴィンチニュース
だいたいここで語られてる内容と同じです(笑)
後編は今日5月21日(日)18:00に公開されるそう。


ただ、ちょっと気になったのは、昨日のトークイベントもそうだけど、あんまりしゃべりすぎると美大のことをあまり知らないのに本を出しちゃったのがバレ出しそうな怖さがあるなあ、と(笑)
なんだかんだヨシムラくんはムサビの基礎デしか知らないので、ムサビの陶磁や彫刻は未だに徹夜で窯番やってるのに昨日のトークで「ムサビには窯番なんてものがないから藝大が羨ましい」と言っちゃってたし、ヌードデッサンのこととかも、そこをどうしても聞かれちゃうんだろうけど、知らない話はあんまりやらない方がいいような気が。

トークイベントは手羽とセットで登壇するしかないってことですな(そこ?)
手羽が登壇しないまでも、美大情報を補足するパペット「テーバくん」が横にいて、手羽がいっこく堂ばりの補足アフレコする的なパターンでも可。これで営業回る?



「じゃ、美大生の真実の日常を知りたい場合はどうしたらいいんだよ?!」ですって?
手羽がいい本を知ってますよ。

ムサビ生20数名がお気楽・気ままに課題・就職活動・卒業制作等に追い込まれる様子をブログに書いた1年間分146本をまとめた、武蔵野美術大学出版局から発売されてる「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」がもっとも参考になります(いきなり宣伝)
日常をまとめたものなので、ここには一切奇人変人は出てこないし、突拍子のないエピソードもありません。

発売されたのが2007年。もう10年前なんですね。よく「たくさん売れてるけど在庫もたくさんある(涙)」と書いてるけど、編集さんの意見を無視して「売れるに決まってる」と見誤って初版を多く刷ってもらった手羽がいけないんですが(涙)
でも教科書以外で10年間地道に売れ続けてるムサビ出版局本の代表がこのムサビ日記でして。
さすがに古くなった情報も多いから、昨今の美大本ブームに便乗して更新したいんですよね(ぼそっ) 


てな宣伝はおいといて、トークショーのあとは

恒例のサイン会。

「最初にサイン書いた時にこのイラスト描いちゃったもんで、やめるわけにはいかなくて」と二宮さん。

きっといい人だ。 


昨日のイベントを聞いてモチベーションがかなり上がったので、1週間ほど更新をお休みします。
頑張らないと(だから何を)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。