【愛がたりない】探究型学習研究大会2021@東北芸術工科大学に行ってきた

2021年11月10日(水)

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東北芸術工科大学!
東北芸工さんを訪問するのはこれで3回目かな?
2008年のデザイン選手権や2015年ぐらいに卒展を見にきてまして。

東北芸工大は1991年に公設民営方式で設置されたから、ちょうど今年で開学30周年。
最近だと、話題の漫画「チェンソーマン」「ルックバック」の作者・藤本タツキさんが洋画コースの出身ですね。
時々「京都造形芸術大学(現 京都芸術大学)の学校法人瓜生山学園が運営してる」と思ってる方がいますが、「姉妹校」の関係であって、学校法人は違います。瓜生山学園の理事がこちらの理事をやってたり、今となっては「そんなこともあったなあ・・」な2011年に法人統合の話もあったりしましたが。

「手羽の子どもがファインアートをやりたいと言い出した時、東京以外で入れたい美大はどこか?」と聞かれたら、手羽は迷ず「東北芸工」とすぐに答えるかな。いろんな地方の美大を見てきましたが、やはり東北芸工さんのレベルというか教育の質は高いと思ってます。

ちなみに校歌「明日へ」は、作詞 小山薫堂(当時 企画構想学科長)、作曲 佐藤竹善です。こちら↓

 

なんで東北芸工大に来たかはおいおい書くとして、まずはキャンパスを紹介しましょ。
約1㎞の横長なキャンパスの作りになってます。

端から端まで歩いてみました。
上のマップだとQからEまで。


  • 一番端にあるのがグランド。いい芝だ。


  • プロダクトの新実習棟


  • 芸術研究棟


  • 芸術実習棟


  • デザイン工学実習棟

んで真ん中にあるのが、名物の巨大三角屋根の本館。


  • 学生さんが風車の作品を設置してるところだった


  • 昔来た時もこの屋台はあった気がする。

え?キャンパス紹介はしょりすぎ?
大丈夫。ちゃんと端から端まで歩いて動画を撮ってきましたよっ!!

横長すぎて3倍速にしても5分以上あります・・。
 

本館に入って、最上階は


  • 展示室になってます。天井が三角でしょ?


  • 出典:https://www.tuad.ac.jp/news/events/8435/
  • 工芸コース・漆芸専攻の教員・卒業生・在学生の作品50点を展示した「漆の系譜展」は11月13日(土)まで開催中!

ここは1階の「山形と芸工大展プロモーションギャラリー」
山形と東北地域での取り組み事例を中心に、地元の新聞各社の協力のもと、紙面で紹介された大学の活動の一部を展示してるそう。
土曜は閉館してて中は見れなかったけど、産官学連携の取り組みを紹介するギャラリーってことですよね?こういうのうちも欲しいなあ。

学生会館には学食、パン屋、画材屋が入ってます。
どの大学も学食の運営は外部委託がほとんどなんですが、東北芸工さんは今ではかなり珍しい「直営」の学食です。
外部者は中に入れなかったので、学長動画で我慢。


学生会館の入り口にあったチラシだけ撮影。
バク転倶楽部入りたい・・・。

おっと、そろそろ時間だ。

会場の201講義室へ。毎年デザセンやってる会場ですね。


深井が・・間違った。芸術文化専攻長の深井 聡一郎先生も「なんで手羽さんはうちに来たの?」と東北芸工の滝口さんに聞いたそうだけど(笑)、これを聴講しにきたんです。
2021年度 探究型学習研究大会

●日時:2021年11月6日(土)13:00-18:00
●対象:中学・高校教員、教育・NPO・自治体関係者
●定員:対面 80名/オンライン 200名
●参加費:無料
●講師: 奈須 正裕 氏(上智大学 総合人間科学部 教育学科 教授)、木村 健太 氏(広尾学園中学校・高等学校 教諭)、: 佐々木 隆行・佐藤 勝治(山形県立山形東高等学校 教諭)
●大会コーディネータ:柚木 泰彦(高大接続推進部長・プロダクトデザイン学科 教授)、寒河江 茂(教職課程 教授)、吉田 卓哉(教職課程 教授)、伊藤 迪子(地域連携推進課)
●後援:山形県教育委員会、山形市教育委員会、宮城県教育委員会

 

「9月、10月とプレゼンする機会が多くてアウトプットばかりしてたから、そろそろインプットする時間も作らなくちゃなあ・・」と思いながら、いつもの美大ネタ探しをしてたら、
11/6 探究型学習研究大会2021を開催! | 東北芸術工科大学 探究型学習協働プロジェクト
を発見しました。
2022年度から始まる高校「新学習指導要領」と「探究」についてちゃんと勉強したきたいと思ってたんです。「探究」は美大、特にCIが深く関係するのは承知の事実ですからね。おっ!!しかも講師は新学習指導要領に関わった上智の奈須先生と有名な広尾学園の木村健太先生じゃん!これは聞くしかないでしょ!!!

・・・と、ここまでの思考は良かったんだけど、「でもオンライン参加だと聞き逃しちゃう可能性あるよなあ・・。自分を追い込まないと土曜の昼なんて『アーカイブもあるかもしれないし、無料だし、ま、いいかあ』と聞かずに昼寝しちゃう可能性高いなあ・・。でもこのために山形に行くのもなあ・・オンラインでいいよなあ・・でもなあ・・」と悩んで悩んだ結果、勢いだけで対面参加のボタンをポチっと押した、と。
ここまでスタッフに説明して「え。ほんとにそれだけで仙台と山形に行ったんすか?」と確認されたけど、はい、それだけです・・・。


山形県は県内6校に「探究科」「探究コース」があり、この春は山形東高校探究科から3人が東大の推薦入試で合格してます。
「探究といえば山形」な感じになってますが、これって東北芸術工科大学が約30年前から取り組んでる「全国高等学校デザイン選手権大会(デザセン)」も少なからず関係してると思ってます。

デザセンとは、テーマを与えられてそれを答えていくのではなく、自ら課題・問題点を見つけて、その解決策をプレゼンする高校生を対象にした問題発見・解決・提案型の全国大会です。
ちなみにデザセン2021の決勝戦は2月26日にニコ生で中継されます。お楽しみに!

「知識詰め込み」ではなく「課題発見・解決する力」
「課題発見」は今となっては当然な言葉だし、新学習指導要領・探究のキーワードになってますが、30年前、誰もそんなことを言ってなかった時代にこのデザセンの理念を作ったのが、何を隠そう、

デザセン25周年企画web対談|長澤忠徳×中山ダイスケ | デザセンからのお知らせ
当時、東北芸工の教員をやっていた、ムサビの長澤学長なんですね。
30年たって、ようやく社会と文科省が長澤学長の考えに追い付いた。


で、探究型学習研究大会ですが・・・安っぽい言葉を使うなら神回でした。あの空気感はやっぱり現地じゃないとわからない。
奈須先生の話も木村先生の話もエキサイティングで、この2,3年で聞いた中では圧倒的に一番面白かったです。ブログで紹介するつもりでずっとメモってたけど、ここにちょろっと書くのがもったいない。小出しにしていきます(笑)

ただ、お二人の先生が共通して使った画像が


「OECDラーニングフレームワーク」と言われてるものなので、これだけ紹介しておきます。
お二人にはぜひムサビでも話してほしいなああ。

ちなみに
11/27デザイン思考を活用した探究型学習ーオンラインセミナー
高校・中学の先生を対象としたデザイン思考セミナーが開催されるし、デザイン思考の導入を検討されている先生向けの相談窓口もあるし、アップデートせずにのんびりしてると東北芸工さんに全部持ってかれますよ。>美大関係者

終わった頃には真っ暗。

教務に行って、ドアから出てきたおじさまに「これ、滝口さんに渡してもらえますか?」とお土産を渡して、急いで仙台駅にレンタカー戻して東京に帰りました。
月曜、滝口くんから「理事から『ムサビの手羽さんって人からこれ受け取ったよ』と言われた」とメッセージが。あ。理事の方だったんだ・・・。


これにて東北旅シリーズ3部作終了!


以上、

愛がたりない。だからこの大学があるんだよね、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。