【学生さんの感想から】インターンシップ演習2017を終えて6

2017年12月24日(日)

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メリークリスMAU!!
毎年やってる「メリークリスMAU」運動。「手羽は時代を先取りしすぎてるのか?」と思ってしまうくらい毎年流行らないのだけど、そろそろメリークリスMAU元年になっていいと思うの。


これまでの話はこちら。
インターンシップ演習2017を終えて1
【今年のプレゼント発表!】インターンシップ演習2017を終えて2
【シャドーワークでの気づき】インターンシップ演習2017を終えて3
【2023年までの美大関連タイムライン】インターンシップ演習2017を終えて4
【他分野からのデザイン領域進出】インターンシップ演習2017を終えて5


そろそろこの話も終わらせないと・・。


学生さんの感想も読ませてもらうと、大きく4つに分類できそう。

1つ目は「受験時代に手羽さんのブログ読んでました」
美大日記をやめてこう書かれることは減ってたんだけど、また最近増えてきましたね。
なんせ、Googleで「美大 受験」「美大 入試」で検索すると、手羽美術大学★の記事が上位を占めますからね(笑)。なおかつ、これだけムサビのことばかり書いてるようで、「ムサビ 受験」では上位に出ないのがポイント。

逆の言い方するなら、一人が発信してる記事が独占しちゃうくらい情報が少ないということでもあり。さすがに情報は新しいものにしてるけど、手羽の美大受験体験ネタはウン10年前の話になっちゃうから現状とはかなり違ってて。彫刻学科でさえ倍率9倍の頃ですから。
そろそろ次の世代が出てきてもいいのになーとは思ってるんだけど。ま、手羽よりいい記事書いてたら若い芽は摘むだけですが。
また、「お母さん・お父さんがファンです」と書かれることも多く、確かに受験生だけじゃなくステークホルダーを意識した内容にしてるのでそれはいいんだけど、「君も読んでくれないと・・」と微妙な気持ちになったり。
そして、「受験時代読んでました」ではなく「今も時々読んでます」の方が嬉しいっす。美大生のための情報も書いてるので。


2つめは「モヤモヤしてたものを言語化してもらった」
「美大生(ムサビ生)とはどういう人種なのか」「美大での本質的な学びとは何か?」
中盤までの伏線から、授業の後半はここへもっていくように話してます。
世の中に出てる「美大」「芸術系大学」の記事は、どうしてもわかりやすい「変な人が多い大学」を中心とした内容で構成されがち。そして議論はそこで終わりがち。
恐らく多くの美大生が「確かに美大は変な大学」と言いながら、「自分のことをズバリ言い当ててない感」を感じてきてたはず。自分もそうです。

これは美大側に責任があり、本質的な美大の学びを伝えず「変な人が多い」を売りにして、一般大学と差別化してきたことが大きい。そもそもこの「一般大学」という言葉が完全な美大用語で、一般大学の人は使わないんですよね。

美大は今まで「変な人が多い」「絵がうまくなる」と言いすぎたんじゃないか。
グルっと回って社会が求めてる人材育成をしてる・・かもしれないのが美大の学びであり、それを発信しなくちゃ意味がなくね?というのが私の想いです。いろんな本や最近の教育関連記事を読めば読むほど、「あれ。これってムサビのことじゃね?ムサビが前からやってることじゃね?」と感じることが多く。特にこの数年は美大的学びが評価され始めてるんですよ。マジで。
それを「んなはずがない」で終わらせるか、ポジティブにそこから広げていくか、そこからは美大の力を信じるか信じないか、かもしれません。


そして最後の3つめは「プレゼンの仕方が斬新だった」
中身よりもプレゼンのやり方を褒められることが増えてきたかも(笑)
恐らく学生さんが今まで見てきたプレゼンのスライドシートって、高校の先生が作った
「8~10ポイントぐらいの小さな文字で書かれた文章やデータ・表が画面いっぱいにあり、変なアニメーションや意味のない画面移動を多用してて、色の配色やフォントがめちゃくちゃなやつ」
じゃないかしら。
学会系だとまだこれが主流だし(ずいぶんよくなってきましたが)、先日他大学職員さんのプレゼンを見る機会があったけど、まさに上に書いたことをそのままやってる人がいて、「ああ。この大学はいろんな人のプレゼンを学ぶ機会がないんだろうなあ・・」と思ったりも。

手羽のプレゼンの手法は、実は昔からある「高橋メソッド」を改良し、独自開発した「手羽メソッド」です。
高橋メソッドとは、「大きな文字」「簡潔な文章」「スピード感」が要素で、中島信也さんもこのパターンですね。最近のクリエイタープレゼンは、スタイリッシュにした高橋メソッドが主流です。

手羽メソッドは、スタイリッシュとは程遠いけど、
・1ページの情報量は少なくして、紙芝居をするように
・フォントサイズは一番小さくて20ポイント。通常は36ポイント以上
・色は2色、フォントは1種類だけ
・5分に1回は動画か音を入れる(そうしないとみんな寝ちゃうから)
・独り言のような小ネタをいれる(美大生はこういうのが好き)

かな?
セリフの紙芝居状態だから、スライド数が時間のわりには膨大になる傾向にあり、今回インターンシップ演習で使ったスライド枚数は644枚でした。70-80分で話すことを想定してるので、途中動画がいくつか入ってるから、単純計算で10秒に1枚ぐらい使ってることになります。

手羽メソッドの最大のメリットは、ちゃんと作ってあれば「台本がいらない」こと。
プレゼンシート見ながら補足するだけなんで、お客さんの顔をみて話ができる。これがとっても大きいんです。
ただ、紙芝居状態なもんで「時間がなくなってきたからスライドを飛ばします」がやりにくいのがデメリット。できなくはないけど、仕込んでた小ネタをそのまま見せることになり、みっともないんです(笑)
なのでいつも事前シミュレーションを5,6回やって時間を計算しています。一人早朝パソコンの前でブツブツと。でもこれを毎日やれってと言われるととても無理で、「毎日90分講義という形でプレゼンやってる先生ってすごいなー」とほんとに思います・・。

そう、手羽がプレゼンで2番目に大事にしてるのは「時間通りに終えること」です。
10分プレゼンだと1分ぐらいオーバーしちゃうことが手羽もあるんだけど(苦笑)、20分以上のプレゼンでは時間厳守するようにしています。

どんなにいい話でも時間オーバーしちゃったら台無しになっちゃうんですよね。
「20分で」と言ってるのに平気で40分ぐらいしゃべる方がいます。「伝えたい話・大事な話がいっぱいあるんだから仕方ない」はプレゼンでは通じず、「自分よりも他の人の大事な時間を奪うことは平気だとお考えですか?」「全体の進行は丸無視ですか?」で、ドカンドカン受けてるならともかく、だいたいはダラダラと原稿丸読みか、自分の自慢話・思い出話のどちらかで、そういう人が惹きつけるプレゼンをしてるシーンを私は見たことがありません(きっぱり)


ちなみに1番大事にしてるのは「プレゼンはプレゼント」という気持ちだったりします。
どんなプレゼントを渡すと相手が喜んでくれるのか考えますよね。それと同じで、手法とかは実はどうでもよく、「伝えたい人に何をどう伝えるか。そしてどうお得感を感じてもらえるか」はかなり意識するようにしています。喜んでもらイズム!


最後の4つ目は・・・長くなったので明日に続く!



以上、講義に出てたおきなまろさんから「微妙なすべり具合に手羽さんらしさが出ててよかった」と褒められた手羽がお送りいたしました。
・・・すべろうと思ってプレゼンしてる人はいないって(涙)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。