「ブログサイトを運営してわかった6つのこと」のもう一つは、
人はネガティブな話に反応しやすい。
10年以上書いてきた手羽ブログの中で、アクセス数が一番多かったのは間違いなく、
■TOKYO 2020 大会エンブレムデザイン募集
なんですが、2位だと
■森本千絵なんて嫌いだ
が入ります。もちろん中身は森本さんへの否定的な内容ではありません(笑)
入試ネタも読まれてはいるけど季節的なもので、年中アクセスがあるものだと他だと「武蔵美は嫌いだ」「ムサビとタマビはなぜ仲が悪いか」等の方が上かな?
10年以上やってきて「否定的だったりネガティブなタイトルの方がクリックしてもらえる(拡散される)傾向にあるんだなあ」と感じるようになった、と。え?気が付くのが遅い?
実は1位の「TOKYO 2020 大会エンブレムデザイン募集」も、記事を書いた2014年9月当時はそんなに読まれてなかったんだけど、白紙撤回のあった2015年9月1日近辺では1時間で4000アクセスを超える状態が続きました。いろんな記事の参考データに使われたからで、これも「ネガティブな記事のおかげで1年後に突然拡散された」例と言えます。
最近の例だと、以前紹介しましたがやっぱりこれかな。
■酷評…舛添前知事のおもてなしユニホーム「歌舞伎町のネオン」「孫が『ダサい』と」|スポーツ報知
タイトルにみんなが気になるキャッチなネガティブキーワードを入れ、記事にも
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「多種多様なユニホームが出てきて、歌舞伎町のネオンのようにチラチラしている。シンボルとして乱立していて分かりづらい。ひと目で分かるものが、コシノ先生に頼めば、すぐにできると思う」(武蔵野美術大の長澤忠徳学長)。
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と、長澤学長が「ボランティアのユニフォームが歌舞伎町のネオンみたい」「コシノ先生に頼んだ方がいい」と発言したり、みんなで袋叩きにしてる様子が描かれてます。
長澤学長のしゃべったことを大学からちょいちょい発信してますが、やはりこれが一番反響が大きかったです。(笑)
また、偶然なのかもしれないけど、このPARTNERで読まれた記事1位、2位は、
■ドイツの美大が教えること、日本の美大で教えないこと
■日本の美大生なんて死んだほうがいいー映画監督・木村太一インタビュー
と、二つとも何かに対する否定的で過激なタイトルの記事なんですね。
これは「たまたま」ではないはずで、なぜなら手羽がタイトルつけるとしたら
■映画『LOSTYOUTH』監督・木村太一さんに聞いてみた
あたりにするはずだけど、これだと読まれる気、拡散される気が全然しない(笑)
ただ、「クリックしてもらうために過激なタイトルをつけるPARTNERの方が死んだ方がいい」とも思ってなくて。
先ほどのスポーツ報知の記事も、タイトルが「東京ブランドについて検討会が行われた」じゃ誰も読みませんよね。読ませることが前提ならタイトルに「東京ブランド」よりも「みんなが●●だと思ってるあのボランティアユニフォーム」を使った方がいいに決まってます。記事は読まれてナンボですから。
ま、某キュレーションメディアの件で、タイトルの付け方や中身については今後変化していくような気はしてるけど。この読売さんの記事
■岐路に立つキュレーションメディアの運命…講談社 : 読売新聞
は興味深く読ませてもらいました。
というわけで、授業で言いたかったのは「否定的で過激でネガティブなことを言っちゃダメ」ではなく、「良くも悪くもネガティブな話の方が人は反応しやすいことを知っときましょ。そういうものだと知っておくことが大事」ということなのです。
・・・これに関係してあの話も書いた方がよさそうですね・・というわけで、明日に続く!
ちなみに先日、公式議事録が都庁サイトで公開されまして、
■東京ブランドのあり方検討会(第1回)議事録
26ページ目から長澤学長の発言が始まるんですが、組織論・デザインマネジメントを指摘してるんであって、ユニフォームやロゴのデザインについてはいいも悪いも言ってないことがはっきりとわかるし、ましてや「コシノ先生に頼めば?」なんて一言も言ってないんです(笑)
そういうもんだ、ってことです。
以上、「●●は死んだ方がいい」とタイトルをつけるセンスがないので真似してやってみたけど、やっぱり落ち着かない手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。