【シャドーワークでの気づき】インターンシップ演習2016を終えて4

2016年12月22日(木)

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手羽には「大学職員」と「美大愛好家」の立場があり、授業ではそれぞれの「どういうシーンでどういう気づきが生まれたか」を話すようにしてます。


「大学職員(仕事)」で気づいたことは「怒る人はなにやっても怒る」とかいろいろありますが(笑)、大きいのは「世の中はデザインや美術にそんなに興味や知識はない 」かな。これは改めて書きますね。

「美大愛好家としての気づき」は「シャドーワークでの気づき」でもあり・・・・あ、「シャドーワーク」とはなにか説明しなくちゃいけないか。これで卒論書いてる人もいるようだし。

これには二つの意味があり、ひとつは「家事労働など不可欠なものだけど対価の支払われない労働」のことを表します。
ここではもうひとつの意味で使ってまして、この記事をご覧ください。
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企業内のフォーマルな組織やプロジェクトではなく、それらに縛られないインフォーマルな集団の独自活動をシャドーワークと呼び、それが商品やサービスの開発に大きな力となるケースが増えているという。もちろんインフォーマルな活動ゆえ、それ自体には賃金などの報酬がないのが普通だが、参加者はそれを特に苦にしているようには見えない。
ワークスタイル変革:差のつく仕事はここから始まる――「シャドーワーク」事始め (1/2) - ITmedia エンタープライズより引用】
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・アンオフィシャル
・(基本的に)無報酬
・楽しんで自発的にやってる
・仕事にフィードバックしてる

がシャドーワークの定義で、まさに私がやってる活動そのものがシャドーワークなんです。
今でも学生さんや卒業生から「ムサビ広報の手羽さん」と紹介されることがあるんだけど、2008年から全然違う部署に異動してるんで、「広報の人間じゃない手羽が趣味でムサビや美大を調べて、勝手に宣伝してる」が最大の売りなんです!そこ間違えないでほしいのっ!!(「ガバナンスとしてどうなのか」って問題はあるけどね)

「大学職員としての話」は他にも語れる人がいるけど、「手羽だから語れる話」となると公式なアングラ活動である「ムサビ日記・美大日記管理人」「10年以上ブログを書いてる美大愛好家」として学んだ話なので、インターンシップ演習のテーマである「仕事にはいろんなアプローチがある」を語るには、シャドーワークを語ることが手羽の役目なのかな、と。
ちなみに、一応ムサビには「許可が出れば職員も仕事時間中に非常勤講師をやってもいい」という規則があるんですが、シャドーワークがメインの話なんで毎年有休使って講義をやってます。てへ。


で、「シャドーワークで気づいたこと」もこれもいろいろあって、学生さんにわかりやすいところで「ブログサイトを運営してわかった6つのこと」を最近は語るようにしています。

ムサビ日記・美大日記という「公式なアングラサイト」を10年運営してきた経験で、
●情報の 「共有」 「共感」 「共鳴」 の違い
●情報を発信する人に情報は集まる。
●更新してナンボ
などがあり、今回はそのほかの2つを紹介させてもらいます。


●いろんな人がムサビの情報を欲してる
2003年にムサビ生のブログサイト「ムサビコム」を自腹で立ち上げたわけですが、当初のターゲットはもちろん「受験生に役立つ情報を」でした。
それ以上の目的は全然なかったし、「大学広報」も当時はどこもそんなもんだったと思います。

でもスタートして1年ぐらいで「おやっ」と感じることが発生しました。
受験生の親御さんからの反応がかなり高かったんですよ。
コメント欄やメールでの質問は親御さんが一番多く、これは完全に想定外の事態。「あ、保護者も情報を探してるんだ」という発見。
今なら皆さんも抵抗は少ないでしょうが、12年前の当時は某掲示板に「子供の受験する大学ブログにコメント書く親って気持ち悪い」と何度も何度も叩かれました。タイムリープして12年前の人に「大学が保護者会を開くのが一般的になってます」と言っても誰も信じてくれないでしょうね(笑)


次に在学生やムサビ教職員も結構読んでることが判明。
「学内でどういう活動が行われているのか」「学外でムサビはどういう活動をしてるのか」はみんな知らないんです。違う学科・違う学年・違う部署のやってることは全然わからない。
それでいて「タマビの方が活動してる」とか怒るわけですよ。「いやいや、ムサビの活動を調べてからそれ言ってます?そんなのムサビもとっくにやってますよ?」「広報はちゃんと情報を出してるんだけどなあ」と。

大学の活動は学内誌、広報誌、大学ホームページを見ればある程度わかるけど、「どういう心境で実行したのか」「どういう意味が本当にはあるのか」「どんな苦労があったか」などの「情報の翻訳」「バックボーン説明」は公式情報ではなかなか難しい。逆に完全な口語体で書けるブログはその手の情報が書きやすく相性がいい。
情報・データだけポーンと渡して「はい、後はよろしく」もあるけど、相手が使いやすい状態に加工してから渡した方が理解してもらいやすい。情報はプレゼントですしね。
外に素の情報を発信するのも大事だけど、中の人向けに情報を咀嚼して発信することが大事なのかも」という気づき。
そして、「ムサビのことだけ語っても意味がない」ということも。

なので、読者ターゲットを広げて、在学生・卒業生、在学生・受験生の保護者、高校・予備校の先生、 教職員・他大学関係者、企業関係者、近隣住民を意識しながら発信するようになりました。
ムサビ親日記なんてその典型例ですね。これもスタート時はいろいろ叩かれましたが、コミュニティが生まれるほどに成長しました。


つまりこれって「ステークホルダへの発信」「インナーコミュニケーション」「SNSの活用」
今はどの組織でもやってることだけど、10年以上前にいち早くその必要性に気付けたのは、やっぱりシャドーワークのおかげだと思ってます。


続く。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。