【地下通路は必見】ムサビ14号館竣工式に行ってきた

4月1日の記事が100いいねを超えてビビってる手羽です。

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3月30日に竣工したムサビ14号館を紹介しております。
これまでの話はこちら
【出来立てホヤホヤ】ムサビ14号館内覧会に行ってきた


多分、ですが、立体モノヅクリ系に特化したこの規模の工房棟を新築で建てることは、全国の美大を見てもしばらくはない・・もしかすると最後かもしれません。あ、キャンパス移転する京都市芸さんとかではあるかもしれないけど、既存キャンパスの中に、です。
立体モノヅクリ工房って通常の演習室より場所も設置費もランニングコストも必要だから大学運営としてはあまりオイシイものではないし、美大の流れとしてはソーシャルデザインやデジタルメイク等の方向に向かってるし。
なのであえてこのタイミングで建てたことは「ムサビからのメッセージと覚悟」と読み取れるかもしれません。


てなことを14号館で考えながらボーと外を見てたら、

・・・・ん?人が地下からゾロゾロ出てくるぞ。なんだあの穴は?!

ほい。これが12号館へつながる地下通路なのです!

「都道がキャンパスを通る」ということはキャンパスが北キャンパスと南キャンパスに道路で分断してしまうということ。でも北キャンパスには体育館やグランドがあるんで、1限と2限の間など、短い時間に大量の学生さんの移動が考えらます。
なので、このプロジェクトの最大のミッションは「いかに学生さんの安全を確保しつつ、素早く両キャンパスを行き来させるか?」でした。
「道路に横断歩道」だけだと心もとない。あとは上を行くか地下を行くか・・・ということで都道ができる前に地下道を作った・・・というわけ。

おお。思ってたより広くて明るい!
図面でこの幅のものができることは知ってたけど、「地下通路」という言葉のイメージに人間は引っ張られてしまうもんで。

さすがに都道真下は天井が低いけど、それ以外の部分は天井高もあってかなり面白い空間になっています。
 

例えるならなんだろ、「PVとかに使えそう」というか、「カタコンベ感がハンパない」というか。
そして地下ギャラリーもできて(上記写真右側)、入学式の4月4日からさっそく展示が始まります。
一発目は、やはりこれです。

キャンパスの変遷と14号館
●会期:2016年4月4日(月)-21日(木)
*日曜休
●時間:9:30-17:00 
●場所:14号館地下展示室

吉祥寺から小平にメインキャンパスを移転した1961年から始まり2016年の現在に至る、鷹の台キャンパスと校舎の変遷を振り返る展示です。学生さんはチェックしておきましょ。あ、新入生保護者の方もぜひ。
 

そうそう。4月4日といえば、ムサビ生全学科全学年及び全教職員を対象した「春の課題」が4月4日に発表されるそうです。
武蔵野美術大学 春の特別課題
どうやら、この地下通路に関する課題という噂が。
続報を待て!!


さて、14号館がどういうところに建ったのか立地関係を把握しておきますかね。
ムサビOBOGは「ムサビのどこにそんな巨大なもんを建てるスペースがあったんだ?!」と謎だと思うので(笑)
 

北側は人工芝のグラウンド、その奥にテニスコートがあります。14号館を建てるためにグイっと北側に移設したんですね。
昔の人のためにわかるように書くなら、「窯工部・弓道場があった場所が今のテニスコート」です。
(ちなみに窯工部はベルハウスの入ってる鷹の台ホールC棟に引っ越しました)
 

14号館東側真横が体育館。
この距離・位置関係に作られたってことで、ムサビOBOGはこれが一番わかりやすい説明かな?

そうだ。2014年6月から2016年1月までの空撮写真を大成建設さんが1ヶ月おきに撮影されてるので、動画にしてみました。北側から撮ってるので、左側の大きな屋根が体育館、上が玉川上水側です。

工事はこんな感じで、グランドがボンができる様子もわかります。

都道に接する新・北側守衛室。後ろに見えるのがテキスタイル工房と9号館。
14号館は工芸工業デザイン学科が中心の建物ですが、テキスタイル工房はそのままです。


「それより都道計画上にあった木工工房とか陶磁工房はどうなったの?」という方に。

これが2016年1月末に撮影したもの。まだそのままでした。

14号館ができてから、バタバタと中身を引っ越して、急ピッチで取り壊し、

これが3月30日の状態。
3月18日の卒業式の時は大取り壊し中だったけど、完全に更地に。2か月弱でここまでできるもんなんだな、と。
手羽より前の世代の方にわかるように書くなら「風月とグリーンハウスがあった場所がこうなりました」かな。
つまりこの幅(約30m)の都道が走るんですね。びっくりでしょ?この4月から道路工事が始まり、都道開通は来年2017年3月末の予定です。

南北新キャンパスと都道と14号館についての詳細はこちらのサイトをご覧ください。
新キャンパス概要 | 武蔵野美術大学
これを紹介するのが一番早かった(笑)


とかなんとかやってたら竣工式の時間。

竣工式には小平市長と大成建設の副社長さんがかけつけていただきました。お忙しい中ありがとうございました。

ちなみに工デ・インテリアの山中先生は、この場においても相変わらずTシャツだったことをご報告しておきます(笑)
きっとフォーマル用のTシャツ。
 

あ、そうだ。この話をちゃんと書いておかないと学長に怒られる。

ムサビ建物の「定礎板」の文字はその時の理事長か学長が書く慣わしがあるんですが、

14号館は長澤学長が書きました。
グローバルな長澤学長だから、「TEISO」と英語で書くかと思ってたんだけど(笑)

ちょっと裏話を。
1月のある日、「手羽ちゃん、ちょっと見に来てよ」と言われ学長室に入ると、10cmぐらいの束の「定礎」と書かれた習字紙がそこにドサっとあって。
正月からずっと書いてたそうで「書きすぎてもうどれがいいのかわからん・・」とお悩みになってたんですが、設計された宮下先生がものの2分ぐらいで「あ。これで」と決めてました。やっぱり客観的な視点って大事だな、と。

 
ちなみに定礎板の裏には小さな空間があって、その日の新聞とか入れる「タイムカプセル」になってる・・・と聞いたことがあるんですが、14号館に関していえば板だけです。


以上、

14号館4階からムサビの未来をじっと考える中島信也理事を激写した手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。