平成27年度武蔵野美術大学卒業式に行ってきた

ムサビを卒業した皆さんは経歴詐称なんて必要ないよね、の手羽です。

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1年に2回、ムサビに校旗が挙がる日があります。
それは卒業式と入学式。

というわけで、昨日3月18日は平成27年度卒業式(学位記・卒業証書授与)が行われましたのでそのレポートを。
あ、さきほど「校旗」と書きましたが、厳密には「校旗のようなもの」ですね。正式には校旗は存在しないので・・。


会場は体育館アリーナ。

実は体育館前は工事真っ最中で、昨日「・・・これ、卒業式に間に合うのかな・・」と不安だったんです・・。

当日朝9時の段階で工事をバリバリにやってましたから・・・でも10時前にはとりあえず見せられる状態にはなんとか。

開場前の様子。2階席ができてました。

2階席から会場全体をみた風景。

今年からアリーナは卒業生優先にし、可能な限り保護者の方は講義室で中継を見ていただくことに。
その準備真っ最中のデ情・白石先生。

白石先生もそうですが、卒業式・入学式は舞台演出を空間演出デザイン学科の堀尾先生(三谷幸喜さんや野田秀樹さんの舞台美術を担当されてる方)、映像を映像学科の三浦先生・シャルル先生が制作されてたり、助手さん・在学生も含め「オールムサビで卒業生・入学者を祝福する」体制を組んでいます。
これが他の大学とは違うところかもしれません。

空デ・工デOBOGユニットのminnnaさんがデザインした次第。
証書入れがモチーフなのかな?

開場前は4号館の下まで行列ができます。

長澤学長と
「手羽ちゃんにだけ言っておくけどさ」
「へ。どうしたんですか?」
「祝辞で歌おうと思ってて。誰にも言っちゃダメだよ」
「・・・だ、大丈夫っすか?皆さん、ドン引きしちゃうんじゃないっすか?」
なんて会話をしながら体育館に向かいました。

式前はいろんな人のインタビュー映像が流れてました。

人が入るとこんな感じ。

さ、そろそろ始まりますよ。

開式後、すぐに授与式に入ります。

今年の目玉は、なんといっても教員によるライブペインティングです。

各学科の教員が巨大なキャンパスにメッセージを筆で描いていきました。こちらは日本画学科。
これまでの卒業式で教員が歌ったり演技をしたりってのはあったけど、まさに「美大ならでは」の演出ですね。

工芸工業デザイン学科・ガラスの大村先生によるもの。ガラスの先生なのでグラスが描いてあるのです(笑)

あ。「それじゃ墨がステージに飛び散って大変なんじゃねーの?」っとご心配なあなた。
安心してください。水をつけると黒くなり、乾くとまた白に戻る特殊な紙を使ってたんです。(ステージ裏で必死にスタッフさんが乾かしてましたw)

彫刻学科は戸谷主任教授が掘り出した木から水が噴出する仕掛け。
これって完全に男神輿のシステムを再利用してる(笑)


一番盛り上がったのは視覚伝達デザイン学科・古堅先生のパフォーマンスでしたね。

手羽はうまく写真が撮れなかったんで、再現しましょ。

まず袴姿の古堅先生が「二〇一六 三 一八」と書きました。会場からはパラパラと拍手が。

でも、「ノンノン。これで終わりだと思うなよ」のポーズをする古堅先生。
そして書き足します。

すると、「祝 卒業」になり、会場から「おおおおおお!!!」という声が。

でも古堅先生は「おっとベイビー、気が早いぜ。本番はここからだゼ!」のポーズ。
さらに書き足します。

すると、「視デ 卒業」になり、割れんばかりの拍手が生まれたと。
さすが視デ。
初めて古堅先生をかっこいいと思いました(白目)


あ、そうだ。
知らない学生さんや保護者の方には意味がわからなかったと思われてる点を補足させてもらいます。

通信教育課程の上原幸子先生が警視庁マスコットキャラクターのピーポくんを描いて、「・・・??なんでピーポくん?!」という空気に会場がなったんだけど、上原先生はその視覚伝達デザイン学科OGで、実はピーポくんの原作者なんです。

卒業する皆さんは、ピーポくんもそうですが、キティーちゃんをデザインした清水侑子さん、おでんくんをデザインしたリリーフランキーさん、ウルトラマンやバルタン星人をデザインした成田亨さん、ゲゲゲの鬼太郎を描いた水木しげるさん、豆しばをデザインした久家友哉さん、まどか☆マギカのキャラクターデザイン・蒼樹うめさんの後輩になるってことなのね。なんせムサビですから。


でも今回のパフォーマンスで手羽が一番感動したのは、

映像学科・黒坂圭太先生のパフォーマンスです。

黒坂先生は、13年かけて30,000枚に及ぶ作画を一人で描き、55分の長編アニメ「緑子」を作ったアート・アニメーション作家。 

そう。この巨大キャンパスでライブアニメーションペインティングをされたんですよ。

絵からだけ読み取ると「悲しい顔から笑顔になる」なのですが、それ以上に「お前たちにはまだ負けないよ」という「作家」としての言葉ではないメッセージ、皆さんへの挑戦状のようなものをすごく感じて、胸が熱くなりました。

授与式の後は、学長、理事長、校友会長、教員代表(油絵学科・長沢先生)からの祝辞。
油絵・長沢先生のメッセージ「積極的な無用」の話はすばらしかった。
長澤学長は原稿がない方が長澤節が出て好きなんだけど、公式な場だとそういうわけにもいきませんね(笑)

あ、歌がどういう反応だったかは・・・ご想像にお任せいたします・・・入学式でも歌っていたら反応が良かった、歌わなければ・・・ということにしときましょ・・。
 

学生さん達のパフォーマンス。最後は大空に龍が旅立っていきました。

多分近日中に公式動画や祝辞テキストなどが公開されるはずなのでお楽しみに。

卒業式後の体育館前の様子。
工事真っ盛りだとわかる写真は10年後には貴重な写真になるかも。

ムサビートさん達もお祝いにかけつけてくれました。
君の鼓動(Beat)は宇宙にひとつ!

あらためて。

卒業・修了された皆さん、そして保護者の皆さん、
ご卒業おめでとうございMAU!!


以上、今後ともムサビのことをどうぞよろしく、な手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。