【今週からスタート】2023年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展の9つの質問に答えます! #ムサビ卒展

2023年1月8日(月)

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いよいよ今週から鷹の台キャンパスでムサビ卒業・修了制作展(卒展)が開催されます!

2023年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展[鷹の台キャンパス]


  • デザイン:大崎奏矢(視覚伝達デザイン学科卒)

●会期:2024年1⽉12⽇(⾦)-15⽇(⽉)
●時間:9:00-17:00(⼊場は16:00まで)
●会場:鷹の台キャンパス
●出展者:造形学部全学科・造形構想学部映像学科、大学院造形研究科全コース・造形構想研究科映像・写真コース
●⼊場無料・事前予約不要

*駐車場はありませんのでお車でのご来校はお控えいただき、公共交通機関をご利用ください。
車で来校し近隣のコインパーキングで順番待ちをすることや、送迎等による近隣道路への駐停車は、交通の妨げになり、近隣住民の迷惑にもなります。

 

 
なお、クリエイティブイノベーション学科・大学院クリエイティブリーダーシップコースの卒展は別日程で市ヶ谷キャンパスで開催されます。
2023年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展[市ヶ谷キャンパス]


  • デザイン:KIM SEUNGMIN(クリエイティブイノベーション学科4年)

●会期:2024年1⽉26⽇(⾦)-28⽇(⽇)
●時間:10:00-20:00
●会場:市ヶ⾕キャンパス
●出展者:造形構想学部クリエイティブイノベーション学科、大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコース
●⼊場無料・事前予約不要

*駐車場はありません
https://cicl2023.studio.site/
https://twitter.com/cicl_sotsuten
https://www.instagram.com/mau_cicl/

市ヶ谷卒展は社会人・企業の方が参加しやすいよう夜の8時まで開催しています。
あ、1月28日(日)午前は新宿シティハーフマラソンが開催されるので、市ヶ谷キャンパス前の外堀通りの横断がかなり困難になります。来場の際はご注意ください。

今日はよく聞かれる、ムサビ卒展に関する9つの質問にお答えしていきましょ!!
 
Q1.入場料はいくらなの?
卒展は入場無料、どなたでもウェルカムなイベントです。今年は事前予約も必要ありません。
 
 
Q2.在学生の親だけど、見に行ってもいいの?
意外とよく聞かれる質問なんですが、もちろん大丈夫ですっ!


  • 去年の様子

おじいちゃん、おばあちゃん、兄弟、小中学生、友達、近隣の方、推薦入試で今年合格された方、ギャラリスト、受験生の親御さん、社会人、卒業生、ドキュメント72時間を見てムサビに興味を持った方、他美大関係者等々どなたでもOK。最近は企業の人事担当者の方が結構見に来てます。

ただ、鷹の台キャンパスは平地で歩きやすいのですが、かなり歩き回ることになるのでハイヒールはやめた方がいいです。またエレベータがなく階段で2階まで上がらなくちゃいけない展示場所もあるのでご了承ください。

ちなみに手羽的に卒展を一番見てほしいのはムサビの在学生です。
どんな感じでやってるのか、どんなパターンの展示方法があるのか、どんな風に展示すればいいのか、こればっかりは実際に見てみないとわかりません。
必ずやらなくちゃいけない展示なので、絶対にチェックしておいた方がいいです。

 
Q3.いろんな人に見てもらいたいのに、なんで田舎の小平市でやるの?人に見せるのが目的なら都心の美術館でやるべきでしょ!
はい。これもムサビ卒展をご覧になったことがない方から多い声です。
多分「油絵や彫刻作品が大きな展示室に静かに陳列」「パネルを並べた研究発表会」な美術館展示やパネルセッションをイメージされてるんじゃないかと。


  • こんな感じに。

卒展本体を都心の美術館でやらない(やれない)理由は大きく4つあります。
 
ひとつめは「講評と展示の関係」
「卒制講評と卒展は別」という大学もありますが(地方美大ではこれが主流)、ムサビ卒展は基本的に「卒業制作講評のために展示したものを外部にも公開する」というスタンスです。
つまり卒制講評からそのまま卒展(学科によっては卒展中に講評する)という流れがあるので、学外ではやりにくいんですね。全部が評価対象なので。
 
2つ目は「展示作品の多さ」
卒業・修了対象者は約1300名いて、だいたいは1人2、3作品展示します。
通常の美術館で「大型の展覧会」といった場合でもだいたいは200点以内で、すごい物量だった東京国立近代美術館の大竹伸朗展でさえ約500点です。
この数・サイズを展示できる都心の美術館をむしろ教えてほしいくらいでして・・・。
 
3つ目は「展示スペースの関係」
他美大さんが「学内全体が美術館になる」と言った場合、普通は「いくつかの建物で展示してます」ぐらいな意味合いなんだけど、ムサビの卒展は言葉通り「学内全体」なんです。
特に鷹の台キャンパスは展示室やアトリエ、演習室はもちろんのこと、工房、屋外、講義室、吹き抜け、廊下、倉庫など「学内」の利点を使って、ありとあらゆる場所で展示されます。
 
で、ムサビ4号館・7号館の延床面積はそれぞれ約4,000㎡、10号館は約7,000㎡、2号館は約15,000㎡、12号館が約14,000㎡、9号館は約73,000㎡と、実は6つの建物だけで軽く11万㎡を超えます。
でも日本最大の美術館である国立新美術館で延床面積は47,960m²、そして「1日ではとても見きれない」と語られるルーブル美術館でさえ60,600㎡。


  • 国立新美術館

もちろん非展示スペースもありますが、屋外にも展示してるので、展示延床面積を合わせれば国立新美術館はもとよりルーブル美術館より確実に広いんです。
なおかつ、作品形態も絵画・彫刻以外に映像作品・論文・インスタレーション・モックアップ・建築模型・ワークショップ・ファッションショー・パフォーマンスなど様々で、このボリュームと多様性に対応できる美術館は絶対にありません。
 
4つ目は「設営の関係」
先ほども書いたとおり、学内のあちこちで空間自体を作りこんだり、その空間前提に作品を作ったりします。


  • 去年は12号館ドライエリアで空間を作りこんでました


  • 市ヶ谷キャンパス卒展でも、地下展示室裏の配管が通ってるバックヤード廊下で展示してました


  • アトリエの床全面に土を敷くなんてことは、通常の美術館じゃ絶対無理

一度ご覧になっていただければ、きっと「ああ。そりゃ都心の美術館じゃできないし、大学でやった方が全然いいね」とわかってもらえるはず。ストレートな美術館展示というより「点在する地方芸術祭」をイメージした方がムサビ卒展に近いです。
手羽は日本中の美大の卒展を見てますが、ここまで大学全体を使って展示してる卒展は他にないです。なので「1時間ぐらいで帰るつもり」ではなく(というか1時間じゃ何も見れない)、少なくとも半日、可能なら1日、できれば2日間ぐらいはムサビにいる覚悟でお越しになるとありがたいのです。
 
 
Q4.なんで今年は共通テストと同じ日にやるの?
面白いことに「共通テスト」と名前が変わってから、学内教員からも「共通テストと日程ぶつけたらダメじゃん。ちゃんと調べてる?(苦笑)」と言われるようになったんですが、実はセンター試験の頃から毎年ぶつかってます。(大昔は1月末に卒展をやってたけど)
上述したように「講評したものをそのまま展示」という形なので、学事上どうしてもこの日程になっちゃうんですよね・・・。
すなわち共通テストを受ける受験生はムサビ卒展(とタマビ卒展A)の土日は行けないので、高校2年生がゆっくり卒展を見れるラストチャンスということでもあります。
  
 
Q5.とはいってもやっぱり鷹の台は遠いし、都内でゴビダイテンをやってるからそっちにします。東京藝大も一緒に見れるし
毎年国立新美術館で開催している東京五美術大学連合卒業・修了制作展、略して五美大展をご存じとはありがとうございます。


  • 昨年度の五美大展の様子

ただ、これも勘違いされてる方が多いんですが、五美大展はファインアート系学科(油絵や日本画、版画、彫刻)のみの展示なので、デザイン系は展示されないし、デザイン系の合同卒展もありません。

また、五美大展は国立新美術館のスペースや規則の関係でどうしても「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスができないので収録してビデオ上映」「五美大展サイズに小さく作った作品」「水モノ・土モノNG」になってしまいます。
五美大展もぜひ見ていただきたいのですが、五美大展は作者を知ってもらうための「ポートフォリオ実物版」を展示してる、ぐらいに考えてもらえれば。
そして、これもよく間違えてる方がいますが、五美大展に東京藝大は含まれておりませんのであしからず・・。
 
 
Q6.わかったよ。行けばいいんでしょ行けば。行き方教えて
つまりはそういうことです(笑)
ムサビへのアクセスについては大学公式情報以外に、鷹の台キャンパスはオーキャンの時に書いたこちらを参照ください。
【来校型オープンキャンパス2023】ムサビへの交通手段は8つある?!【自家用車はNG】

国分寺駅発のバスは確かに楽だし増便してますが、かなり行列ができます。
受験時は「鷹の台駅から徒歩18分ルート」が大学推奨なので、受験生は下見もかねて鷹の台駅から歩いてみてください。天気よければ玉川上水遊歩道は気持ちいいですよ。
ムサビ卒業生でこの5年ぐらいムサビに行ったことがない人は、国分寺駅で一度降りてみるといいかも。駅前が全然変わってるんで衝撃を受けるはず。
 
 
Q7.おすすめの展示や回り方を教えて
オススメ展示は、事前にどういう作品が出てくるのか私たちも先生もわからないので今は書けないけど、見て回るコツがいくつかあります。

いくつかの学科の学生実行委員が卒展パンフやマップ、特設サイト・SNSを作成しています。
こまかく回る時は大学全体卒展パンフよりもそっちを見た方が早いです。詳細は明日書きます。
 
行く日だと、手羽のオススメは金曜。
というのも、油絵学科、彫刻学科、デザイン情報学科等多くの学科は卒展中に講評をやってて、それがだいたい卒展週の木曜・金曜だから、教員が学生さんにどんなことを指導してるのかをリアルに見ることができるんです。平日は比較的すいてるのでゆっくり見れる利点もあります。


  • 12月にやってたクリエイティブイノベーション学科卒制中間プレゼン講評会の様子

見るルートだと、鷹の台キャンパスは正門から向かって左側の敷地にファインアート系、右側の敷地にデザイン系の建物がまとまってるので、興味が絞られてる方はそちらから回り始めると効率よく見ることができます。

また、鷹の台キャンパスには美術館・図書館、12号館地下、9号館地下に合同の大きな展示室があるので、「時間が全然ないけど取り急ぎいろんな学科の作品を見てみたい」って方は合同展示室に行ってみるといいかも。
ただ、個人的には「高校生なら興味(学科)を絞らずいろいろ見た方がいいよ」「迷いながら偶然に出会えた作品っていいもんすよ」と思ってるので、結論は「時間にたっぷり余裕をもってきてね」だったりはします。

そして、
【美大4年生必見】手羽の卒業制作アドバイス38ヶ条
「裏の見方」としてこれを読んでおくと、更に深く卒展を見れるはず。
 
 
Q8.卒展での注意事項は?

今年初めて卒展WEBサイトに「来場者の方へのお願い」が掲載されました。
以下引用。
======
ご来場の皆様に安心してご観覧いただくために、以下の事項にご理解とご協力をお願いいたします。
●学生・教職員・警備員の指示に従ってご観覧ください。
●展示作品にはお手を触れないでください。(一部、触れることができる作品もあります。作品近くにあるご案内に従ってください)
●作品を撮影する際には、他の来場者の方や学生・スタッフが写り込まないようにしてください。
●撮影した画像は、利用者の責任においてご使用ください。
●本学にて記録・広報用資料として展示会場や作品を撮影します。撮影した画像は本学のwebサイト、SNS、刊行物に掲載しますが、顔の映り込みなど個人が特定できる画像は使用しません。

ご来場の皆様と学生・教職員の安全のため、以下のような行為があった場合には、退場をお願いし、警察へ通報することがあります。予めご了承ください。
●執拗に個人情報を聞き出す行為
●付きまといやプライベートな誘いを執拗にする行為
●卑猥な言動
●盗撮や写真撮影の強要
●身体接触や暴力行為
●長時間にわたって一方的に話しかけ独占する行為
●作家や作品に対して高圧的に批評する行為

上記のような行為を見かけた場合は、お近くの教職員にお声がけください。
また、SNS上でも上記の行為はおやめください。
======


引用終わり。
学生さんの作品に対してコメントや批評していただくのはとてもありがたいことなのですが、「執拗に」「高圧的に」「一方的に」「長時間」はやめてください、ということです。
どうぞご協力よろしくお願いいたします。
 
 
Q9.卒展以外はなんかやってないの?
鷹の台キャンパスでは、1月13日(土)と14日(日)にミニオープンキャンパスをやってます。
ミニオープンキャンパス in 卒展「ムサビの学びを知る」

コンテンツのラインナップはこんな感じ。
■職員・学生広報局による個別相談会


  • 去年の様子

●日時:1月13日(土)・14日(日)11:00-16:00 *予約不要・先着順
●会場:1号館 3F 大会議室

昨年度の入試の実技合格者作品も展示しています。受験を考えている方はぜひこちらへ。
なお、教員による相談および作品講評はありません。また入学試験の選考に関わる提出物(作品、ポートフォリオ、学修計画書、研究計画書、など)の添削、指導、相談等はお応えできません。
 
■学生による作品ツアー


  • 去年の様子

●日時:1月13日(土)10:00-10:30/15:00-15:30|14日(日)10:00-10:30
●集合場所:開始5分前までに1号館下(ツアー看板前)へご集合ください。
●事前予約制 →ツアー参加の予約はこちら

学生広報局メンバーが気になった作品を紹介します。


んで、手羽は14日(日)にこちらをやることになりました。
■職員による説明会


  • 去年の様子

●開催日時:1月14日(日)のみ開催 10:00-/12:00-/14:00-*予約不要・先着順
●所要時間:30分程度(内容はどの回も同じです)
●会場:9号館 2F 205室

いつもやってる高校1~2年生(またはその保護者)向けの「美大ってどんなところ?」「学科の選び方」「ムサビの特徴」等を語る全体ガイダンスです。基本的な疑問点はどなたも同じなので、こちらを聞いてから個別相談会場にいくといいはず。
あ、別に今年の受験生が聞いても構わないんですが、ここに時間を使うよりも受験生は卒展を見て回った方がいいと思います。
しかし、去年の写真、内股が気持ち悪いんですけど・・。
 
明日は各学科の卒展特設サイトを紹介します。続くっ!!


以上、土曜に新年初で鷹の台キャンパスへ行ったら

中央広場周辺は完全に卒展モードになってた、の手羽がお送りいたしました。
用事は午前だけで終わったので、1年ぶりに

テルメ小川へ行き、自分のご褒美にアカスリとオイルリンパをやったらお肌ツルンツルン。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。