【 抜け駆け先駆けオンエア】Tokyo Midtown Award2017授賞式に行ってきた

2017年10月14日(土)

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10月13日(金)、昼から六本木ヒルズ・・・

じゃなくて、東京ミッドタウン4階にあるビルボードライブ東京へ。
2日連続の六本木

実はビルボードに入るのは初めてで。前から来てみたかった場所だったんです。

んで、何しに来たかというと、

Tokyo Midtown Award2017授賞式が行われたんです。
これまで授賞式は地下のホールや意心帰(白い石)前だったんですが、今回はミッドタウンアワード10周年ということもあり、ドーンと豪華にビルボードライブ東京で開催することになった、と。

しかも!しかもですよ!
司会がなんと

クリス・ペプラーさん!
豪華すぎる!さすが10周年!!オトアジト!

東京ミッドタウンマネジメントの中村康浩代表取締役から主催者挨拶。

ミッドタウンアワードは39歳以下を応募要件とした若いデザイナー・作家の才能を応援する登竜門的存在になっており、今年はアートコンペ327件、デザインコンペ1,162件の応募があったそう。
2つ特徴があって、ひとつは受賞後も応援サポートされること。
そしてもうひとつは、デザインアワード受賞作品は商品実現化に向けて動いてくれること。
「グランプリが」とかじゃなく受賞作品が対象なので、例えば今回商品化が発表された

「浮世絵プチプチ(R)」は2015年度のデザインコンペ準グランプリ作品だったりするし、2017年度グッドデザインを受賞した「おめでたい紙コップ」も2016年度デザインコンペ準グランプリです。
恐らく商品化された中で一番売れてる「歌舞伎フェイスパック」にいたっては、 2008年学生の部の準グランプリですからね(昔は学生の部があった)。
なので今回受賞する作品の中から、たとえグランプリじゃなくてもヒット商品が生まれる可能性があるってことなのです。

あ、これも特徴といえば特徴かな?
毎年トロフィーは審査員がデザインすることになってて、今年は佐藤卓さんがデザインされました。


さて、いよいよ結果発表に移りましょう。
今年は何人ムサビ関係者が入るのか、いや独占するのか。
旅ムサがグッドデザイン受賞したり、今もっとも元気な美大がムサビなのは過言ではないはず。

まずは審査員特別賞からいきましょう。


  • 小山薫堂賞は平井 良尚さん、吉野 萌さんによる「江戸前ブラシ」


  • 佐藤卓賞は佐藤翔吾さん、嶋澤嘉秀さん、深澤冠さん、木川真里さんによる「スカートせんす」


  • 柴田文江賞は富永 省吾さん、綿野 賢さん、浅井 純平さんによる「ゲタサンダル」


  • 原研哉賞が田村有斗さん、岡駿佑さん、阿部真里子さん、佐藤絢香さんによる「TOKYO 影皿」


  • 水野学賞は須田諒さん、鹿野峻さん、柳澤駿さんによる「TOKYO WAGARA」


ここからが上位組となります。


  • 優秀賞は本山拓人さん、不破 健男さんによる「東京はしおき」。手羽が受賞作の中で売ってたら多分買うのはこれでした。


  • 準グランプリは山中桃子さんによる「母からの仕送りシール」

そして栄えあるミッドタウンアワード2017デザインコンペグランプリは!!

加藤圭織さんによる「東京クラッカー」!
おめでとうございます!!


  • 「東京タワー」がモチーフのパーティー用クラッカーで、クラッカーを鳴らすと東京駅、日本橋、歌舞伎座など東京の名所や名物の紙片が舞い散る、というもの。

グランプリは賞金100万円で、副賞として世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」への招待!
加藤さんは東北芸術工科大学卒だそうで、東北芸工さん、おめでとうございます!!

審査員総評を柴田文江先生から。
ここ最近のグランプリ作品の影響か、サービスデザイン系の作品が多かったそう。

審査員コメント読むと、一番気になったのは小山 薫堂さんのコメント。
引用します。
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(中略)応募作の切り口もこれまでで最もバラエティーに富んでいたのだが、特に多かったのが「江戸切子」と「東京タワー」をモチーフにしたもの。みなさん、そんなに江戸切子が好きですか?江戸切子のグラスを持っていますか?東京タワーに最後に行ったのはいつですか?
無関心な人々を振り向かせ、空っぽの心に愛を注ぎ込むのがデザインの力だとすれば、まずはデザイナー自身がそこに偽りなき愛を込めなければ、説得力に欠けてしまうのかもしれない。
===========

ついネットで知った気になっちゃう傾向にあるので、このコメントは学生さん、そして私たちも気を付けないといけないことですね。

プラザB1F で今年の受賞作品を展示してますが、10周年ってことで


  • これが歌舞伎フェイスパック。ムサビ生(当時)がデザインしてます

11月5日までこれまでの9回のデザインコンペ受賞作品全77作品も一挙展示されてます。


次にアートコンペの発表です。
アートコンペは既に2次審査通過者6名が発表されてるので、だれがグランプリを獲るのかがポイントになります。
まずは優秀賞の4点。


  • 遠藤有奈さんの「Invisible City」。遠藤さんは京都工芸繊維大学卒


  • 大野 光一さんの「顔の小屋」。大野くんは2012年ムサビ油絵卒!


  • 松本千里さんの「imagine the crowd」。広島市立大学の学生さん


  • 山根英治さんの「四つの階段」。手羽はこの作品がグランプリだと思ってました。山根さんは藝大大学院修了です


  • 準グランプリは七搦 綾乃さんの「rainbows edge Ⅵ」。広島市立大学大学院 修了


というわけで、アートコンペのグランプリは!!

金子未弥さんの「地図の沈黙を翻訳せよ」
金子さんは多摩美術大学大学院を修了された方。

賞金100万円で、副賞はUniversity of Hawai’iのアートプログラムへの招聘です。
金子さん、タマビさん、おめでとうございます。

去年はタマビがいっぱい入ってたけど、今年はアートコンペに広島市立大学の方が二人入ってるのがちょっと気になりますね。
それにしても・・・えーと・・・ムサビ関係者は大野くん一人だけという結果に(涙)
学内応募説明会開いたり、こんなにミッドタウンさんに尽くしてるのに、この仕打ちってどういうこと?

審査員総評を鈴木 康広先生から。
ま、いいや。総評は二人ともムサビの先生だったから(よくない)


  • 恒例のアートコンペ受賞者による体で喜びを表現する図。

考えてみたら、アートコンペ・デザインコンペ、両方ともグランプリが女性って初めてですね。
アートコンペは2011年以来の女性グランプリだし、デザインコンペはユニットの中に女性がいるパターンで何度か受賞してるけど、一人で応募パターンだとこれも2012年以降はいません。
美大は既に7,8割が女性で、活発に課外活動で活動してるのも女子学生の方が多いのに、こういうコンペ系だとなぜか男性受賞が多く。大御所の審査員にまだ男性が多いってのも関係してるかもしれませんが。
ミッドタウンアワード10周年で、ここが一つの「時代の変わり目」なのかもしれません。

とにもかくにも皆さん、受賞おめでとうございます!


そしてこの後のパーティについては明日に続くっ!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。