未体験の素材をプロと使う、箔押しワークショップ@画材ラボPIGMENT

PIGMENTでは、T-Art ACADEMY(以降アカデミー)と称して画材や技法の講座やワークショップを開催しています。画材ラボとして収集・開発した画材や知識を広く発信していきます。今回は2016年1月17日(日)にPIGMENTで開催した「箔押しワークショップ」の様子をご紹介いたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

English page is HERE.

今回のテーマは
箔押しワークショップ~アクリルフォトスタンドに貼ってみよう~

アルミ箔・銀箔・洋金箔(赤・青)の4種を使い、アクリルフォトスタンドに、専用メディウムで下図を作り、箔を置いて絵柄を完成させるというものです。

こちらは完成見本。


講師はPIGMENT 画材アドバイザーの能條雅由が担当しました。
アーティストとして活動しており、自身も金属箔を使用した作品を制作しています。

まずは金属箔とはどういった画材なのか、講師の能條さんが説明しています。
今回は4種類の色の異なる箔を用意したので、色見本を実際に見比べ、作品に使用する箔を一人2種類決めていきます。

今回は2枚合わせのアクリルフォトフレームを使用するので、箔を貼る面は裏表あわせて4面になります。
面ごとの絵柄に変化をつけることで、作品に立体感を出したり、専用糊に顔料を混ぜ金属箔と色を組み合わせたり、透明なアクリル板ならではの表現に挑戦します。

箔の厚みはおよそ2ミクロンほどでとっても薄いのです。
包みを開封し、まずは重なっている箔を、箔箸を使って一枚ずつ取り出していきます。
箔と箔の間には薄紙が挟まっていて、箔の角を箸でこすり、箔と紙を密着させて、それを注意深く箸でつまみあげます。

ただし、箔箸だけで取るのはちょっとした熟練のコツが必要。
今回は初めて箔に触れる方でも取り扱い易い“あかし紙”(あかうつし紙)を使いました。
“あかし紙”には蝋がぬってあり、箔に重ねて脱脂綿で放射状にさすると箔が紙に密着するので、簡単に箔を一枚ずつ取り分けて使うことができるのです。
そのまま画面に置けば、シワにならずに貼れるので便利。


まずは講師がお手本。

直線を描く場合はマスキングテープを使用してラインを作ります。その上でメディウムを糊付けし、メディウムが乾くのを待ちます。乾いたメディウムの上にあかし紙にとった箔を置き、脱脂綿でさすって貼りつけます。
箔はちょっとした風でふわりと飛んでしまったり、角が折れてしまうので、呼吸にも注意しながら丁寧に扱っていきます。

お手本を見終えたところで、まずは練習用のアクリル板を使って参加者のみなさんに実際に作業をしていただきました。

絵柄に箔を置いた後、メディウムを塗布していない部分を刷毛で優しくなで、余分な箔を取り除きます。
今回は箔置き専用のメディウムを準備し、様々な形や色で表現することにチャレンジしてもらいました。
________________________________________________

いよいよ本番!

練習で箔押しに親しんでもらったうえで、今回完成させるアクリルフォトスタンドに挑戦します。

参加者には小学生の姿も。
親子で一緒にご参加いただき、箔という素材に興味を持って集中して取り組まれていました。

みなさん素晴らしい集中力で、完成まで時間を忘れて熱心に制作されていました。

「こんな表現がしたいのだけれど…」
「ここをもう少し修正するには?」
「絵柄の構図や箔の使い分けはどうしたらもっと良くなるか?」


講座を進めるうちにいろいろな疑問・質問が飛び交うように。
みなさんに納得のいく作品を完成させてもらうため、講師のアドバイスも熱が入ります!

アカデミーの良いところは、一人で制作していては得られないコツや技法を制作しながら講師に相談し、対話しながら作品に反映できることです。
講座をきっかけに画材を深く理解でき、作品制作に興味をもってもらえれば、とても嬉しいことです。

マスキングや顔料を駆使した作品の途中経過。どんな作品になるのでしょうか?楽しみです。
________________________________________________

ついに完成!

およそ2時間の作業時間でアクリルフォトスタンドが完成しました。


皆さんの完成品がこちら!

いかがでしょうか。
同じ素材・技法を使っていますが、ひとつひとつに作者の個性が表れていて、興味深い作品群になりました。
箔の色の違いやアクリル板の重なり具合を工夫して、カラフルで立体感のある素敵な仕上がりになっています。
箔ならではの輝き、華やさがきれいですね!
________________________________________

箔の扱いは非常に繊細で、ちょっとの風で飛んでしまったり、歪んでしまったりと、途中で苦戦する場面も多々ありました。参加者の皆さんは箔と真剣に向き合い、難題を乗り越え、最後には「とても楽しかった!」とおっしゃっていただけました。

今後もPIGMENTでは様々なアカデミーを開催予定です。
これから何か制作を始めてみたい方、普段の制作とは違うジャンルの画材に挑戦したい方など、多くの方々のご参加をお待ちしています!

PIGMENT(ピグモン)
営業時間|11 - 20時
定 休 日 |月曜日・木曜日
T E L|03-5781-9550
住  所|140-0002 東京都品川区東品川2-5-5 Harbor Oneビル 1F
アクセス|りんかい線「天王洲アイル」駅から徒歩3分/東京モノレール「天王洲アイル」駅から徒歩5分

---
Facebook、twitterでも情報発信を行っています。
■Facebook:http://facebook.com/terrada.art.award
■Twitter: @pigment_tokyo
---
ご意見、ご質問はpigment@terrada.co.jpまで。



>>画材ラボPIGMENTについて詳しく知りたい方は過去の記事もチェック!
「画材のエキスパートがアテンド!画材ラボPIGMENT(ピグモン)を知っていますか?」
「【選りすぐりの画材たち!】PIGMENTメインラインナップ紹介〜色材編〜」
「【選りすぐりの画材たち!】PIGMENTメインラインナップ紹介〜道具編〜」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GROUP WRITER

PIGMENT / PIGMENT

東京・天王洲アイルにある画材ラボPIGMENT(ピグモン)。 PIGMENTでは、日本の伝統画材をはじめ世界各地の希少で良質な画材をセレクトし展示・販売しています。アーティストやクリエイターのみなさんにとって制作のパートナーともいえる画材や素材。PIGMENTで取り扱っている多種多様な画材、素材の魅力や使い方などをPIGMENTラボスタッフから発信していきます。