京都芸術教育コンソーシアム主催フォーラムに行ってきた

昨日は久しぶりに羽田空港に行った手羽です。初めて「トンネルルート」使ったけど、これは便利ですね。自宅から2回だけ曲がって30分弱で着いた。

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11月21日京都弾丸すぎる旅行のレポートをお送りしています。

前回までの話はこちら。
【日本で唯一「工芸学部」を持つ大学】京都美術工芸大学に行ってきた
【観光デザイン】京都嵯峨芸術大学に行ってきた

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京都嵯峨芸術大学から桂川沿い5分ほど歩いたところに

罧原キャンパス「有響館」があります。
はい、ようやく今日の目的地にたどり着きました。

何しにきたかというと、

小・中学校の教育資源を生かした美術教育の充実や芸術を大切にする風土づくりに向けた取り組みを推進するため、京都の芸術系5大学(京都市立芸術大学,京都嵯峨芸術大学,京都精華大学,京都造形芸術大学,成安造形大学)と京都市、京都市教育委員会、京都市図画工作教育研究会、京都市立中学校教育研究会美術部会が連携し、2012年8月に
京都芸術教育コンソーシアム
を設立しました。
略称はArt-e kyotoで、「アルテ・キョウト」と読みます。

3つの行動宣言も発表してて、
1 大学と小学校・中学校が連携し,それぞれの資源を生かした芸術教育を推進する。
2 教育活動の分析・研究を進め,京都ならではの芸術教育を確立し,広く普及・発展させる。
3 芸術を大切にする風土づくりを進め,芸術創造都市・京都の創生に向けた提言と発信を行う。

なんだそうです。


そのArt-e kyotoが、

「予測できない未来を生き抜くために-京都の芸術教育の挑戦-」
というタイトルのフォーラムをやる、しかも、登壇者が


京都市長
門川大作さん


京都嵯峨芸術大学・
京都嵯峨芸術大学短期大学部
学長 
森本 武さん

京都市立芸術大学 学長
鷲田清一さん


京都精華大学 学長
竹宮惠子さん


京都造形芸術大学 副学長
大野木啓人さん


成安造形大学 学長
岡田修二さん

と、市長、学長が参加する芸術教育フォーラムだっていうんだから、聞かないわけにはいかないでしょ。
そして、京都に先越されないように少なくとも「ムサビの人間が聞いてますよ」とプレッシャーを与えておかないと(笑)
 

会場内撮影NGだったので、あとはテキストで。

最初に教育委員会の方が京都市の指針、アルテ京都について、これまでの活動を報告。
実は設立前と後に「旅するムサビ」でおなじみ三澤先生が協力してたりします。
京都アートワークショップ~夏休み,芸大でアート体験~

そして、第1セッションでは「5芸大からの提言『これからの子どもたちに必要な力とは』をテーマに各楽長がコメントしていきます。進行は京都嵯峨芸術大学・芳野明先生
サバイバル力とか創造力とか。

んで、第2セッションのテーマは「小中学校と5芸大の挑戦『コラボレーションで進める新たな教育』」。
そう、これを聞きたかったの。京都の美大がどんな新しい展開を小中学校とやるのか。
まず、京都市図画工作教育研究会会長の黒田先生からかなり長めのレポート。
続いて、京都市立中学校教育研究会美術部会会長・醍醐中学校校長の小泉繁雄先生のレポート。
そして京都市長が「未来は予測するものでなく、作っていくもの」とコメント。

最後に「新・行動宣言」
1 大学と小学校・中学校が、現状と目的を共有し、相互に高め合いながら、それぞれの資源を生かした芸術による教育を推進する。
2 芸術教育の分析・研究を進め、専門性の深化とともに、多様な教育活動に応用できる京都ならではの芸術教育を確立する。
3 文化芸術都市・京都の魅力を高め、芸術が社会に息づく風土の創出に向けた提言と発信を行う。

を発表して、学長たちからコメントもらって終わり。


全体の感想を書くと。
タイトルと登壇者で勝手に期待しすぎた手羽が悪いんですが、「え。これで終わり?!」というのが正直なところです・・。
それぞれお1人でも2時間ぐらいしゃべれる人ばかりだから、この人数だとほとんどしゃべれなくなる・・・というのはわかります。
「3年やったけど仕切り直してもう一回頑張りましょ。学長も全員変わったし。ね!ね!」というのをみんなの前でやった・・・というのも、そういうことは大人の世界ではママあることだから理解できます。
でも、「フォーラム」「京都の芸術教育の挑戦」「小中学校と5芸大の挑戦『コラボレーションで進める新たな教育』」というタイトルでこの内容は想像できなかった・・・もっと具体的な話、少なくとも現在の芸術教育が抱える問題と展望について語りあう場になるんだと・・・。
この場で感じたのは、「茶漬けでもいかがどす?」文化と京都は東京より「芸術教育の振興」の考え方が10年ぐらい遅れてるのかなあ、ということでしょうか。「芸術」といいつつ中身はデザインを含まない「ファインアート」中心だったし。学長含めて。


ちなみに一番盛り上がったのは、最後に京都精華の学生さんが突然「京都精華の自治会が無くなろうとしてますが、学長達はいかがお考えでしょうか?」と発言したシーンでした。
いかにも京都精華らしい学生さんだなあ、と。

その日にうちに戻らなくちゃいけなかったんで、手羽は急いで京都駅へ。
時間があれば学長たちとお話をしたかったのだけど。


以上、「市に5つも芸術系大学があるのは京都だけ」を市長も教育委員会の方も連発してて、なるほどなあーと聞いてたけど、よくよく考えたらそこに成安造形さんもカウントされてるんじゃね?と気が付いた手羽がお送りいたしました。
京都美術工芸大さんが京都にキャンパス作ったら「6つの芸術系大学」になるのか、それとも仲間外れにするのか気になるところです。




京都で感じた話はもう1話続きます。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。