【ムサビ3年生以上限定】ムサビ×東京工業大学 合同WS「コンセプト・デザイニング2024-異分野造形ワークショップ-」参加者募集!【ファインアート系も大歓迎!】

2024年6月18日(火)

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いよいよ毎年恒例の募集が10日から始まりました。

東京工業大学との異分野造形ワークショップ「コンセプト・デザイニング2024」


  • コンセプト・デザイニング2023の様子

●日時:2024年7月29日(月)~8月3日(土)の6日間 基本的に15:30-19:00開催
※時間外に、グループでの制作作業等があります。
●場所:7月29日(月)〜30日(火)東京工業大学大岡山キャンパス|31日(水)〜3日(土)武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス
●対象:武蔵野美術大学 学部3年生以上、大学院生 ※ 学科・専攻不問
※ 学部生は所定の条件を満たすことで1単位の取得可能。大学院生は課外活動扱い。
●募集人数:15名程度 ※ 希望者多数の場合、抽選
●担当教員:東京工業大学 野原佳代子教授(環境・社会理工学院)|武蔵野美術大学 袴田京太朗教授(油絵学科)|武蔵野美術大学 古堅真彦教授(視覚伝達デザイン学科)|友田菜月非常勤講師
●申込方法:Formsにて受付
●募集期間:6月21日(金)17:00まで

 


  • 東京工業大学 大岡山キャンパス

東京工業大学(以下東工大)と武蔵野美術大学は、「論理展開力を持ったアーティスト育成」「アート・デザイン感性を持ったエンジニア育成」を目指して、教育研究に関する協定を2013年に締結しています。
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました
 
その締結のきっかけとなったのがこの合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」で、今回で13回目。なんと10年以上続くワークショップなんです。
あ、2024年秋に東工大は東京医科歯科大学と統合して「東京科学大学」になるから「東工大との最後の合同WS」と言えますな。


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。ダンボールを素材に使うグループも

「コンセプト・デザイニング」は、大学混合編成で進められるグループ型造形ワークショップで、ひとつのテーマ(お題)からコンセプトを構築し、簡単な造形物を作りプレゼン、というステップをふみます。

「コンセプト・デザイニング」という授業名から、そして「東工大と一緒に」ということもあり、「グループで電子工作やるの?」「ファインアート系は関係ないんでしょ?」「よくあるデザイン思考系のワークショップ?」と思われがちです。
確かに一般的な「理工系と美大の合同授業」だと、「中身やシステムを理系が考え、外側を美大生がオシャレに作る」なステレオタイプ的な手法でやってることが多いかもしれません。「コンセプトは頭のいい僕たちが作るから、美大さんはガワのデザインだけ考えて」ってパターン。


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。これ、講評会です(笑)

このワークショップの趣旨はずばり「思考」「相互コミュニケーション」です。
 
最終アウトプットの完成度はあまり求めていません。
もちろん「美大の表現力と理工系の技術力で」という部分も必要なんだけど、それよりも相互コミュニケーションによって、
・両者の得意とする視点を学び合い、相互の専門性を活かした力の補完を目指す。
・これまでになかった発想の転換・飛躍を体験する。
・「なんか好き」「面白い」の感覚を相手にちゃんと説明し理解させる。
・理工系と美術系の思考と言語は「何が違うのか」「違わないのか」を知る。

を感じてほしいと思っています。

例えば、この合同WSをやってきて、ムサビ生は「絵を描いて考える」、東工大生は「考えてから絵を描く」と、思考のステップ自体が違うことがわかってきました。私たちが普通にやってることが常識ではなかったりするんです。面白いでしょ?


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。東工大・野原先生によるアイデアチェック

なので、コンセプト・デザイニングをもっとかみ砕いて説明するなら、「お互いの思考や言語の『違い』を感じつつ、サイエンス思考とエンジニア思考とデザイン思考とアート思考をごちゃまぜにしたクリエイティブ思考を使ったコミュニケーション中心のワークショップ」かな。
ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業は、日本では他にないと思います。
 
また、「デザイニング」なのにムサビ側はファインアート、デザイン関係なく全学科参加OKだし、教員も視デ・古堅先生と油絵学科の袴田先生に担当してもらってます。


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。去年は袴田先生が国内研修されてたので小林先生が代理で担当

「デザイン系とファインアート系の教員が同じワークショップを担当する」というのは他美大では意外と難しく、これをやれるのがムサビの強みかもしれません。なのでファインアート生も大歓迎なのです!


理工系大学を中心にいろんな大学が「どうやったらデザイン思考やアート思考を取り入れられるか?」を必死に研究しています。東工大さんもそうですが、東大然り、京大然り、九大然り、SFC然り、東海大然り、法政大然り、中央大然り、芝浦工大然り、千葉工業大然り、立命館然り、電通大然り。
でも、何度か理工系大学がやってるデザイン思考ワークショップ発表会を見学したことありますが、「ステップ」「型」の勉強をしてるだけで、美大の人間からすると「型は大事だけど、それだけ学んで使い物になるの?」と感じることが少々・・。


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。講評会

また、この手のワークショップだと通常のテーマは「●●で社会問題を解決しなさい」「企業にヒアリングして提案しなさい」だったり具体的なものになると思いますが、先ほど書いたとおり相互コミュニケーションによる「展開」「発想の飛躍」「思考と言語の違いを感じてもらう」が目的なので、あえてコンセプト・デザイニングではフワフワしたお題を出すようにしています。
「テーマ」ではなく、美大で言うところの「モチーフ(きっかけ)」に近いかもしれません。
 
ここ数年のお題をピックアップすると、「想いが伝わるラブレター」「オトナとコドモ」「くりかえす」「ながいもの」「恋」「右 左」「ふる ふれる」など全然社会問題を解決できるようなテーマじゃありません。理工系な考えだと「なんでそんな役に立たないことを真剣に考えなくちゃいけないんだ?!」だと思います(笑)


  • コンセプト・デザイニング2023の様子。お題発表。毎年このシーンは緊張します

ちなみに去年のお題は「しるし」でした。
例えば、これを「印」とだけ解釈して便利なスタンプを作るのは一般大学の通常課題レベル。そこから更に粘って「お題」から連想ゲームすることを求められるのがこのワークショップの醍醐味なのです。
 
どんな感じでやってるかは、昨年のコンセプト・デザイニング2023の様子を参考にご覧くださいませ。
ムサビ×東京工業大学 合同WS「コンセプト・デザイニング2023-異分野造形ワークショップ-」スタート!
【市ヶ谷ステージスタート】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2023」3日目!
【とことん議論し、とりあえず作ってみる】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2023」4,5日目!
【お題は「しるし」】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2023」最終プレゼンその1
【最優秀賞はどのグループに】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2023」最終プレゼンその2


また、空間演出デザイン学科の学生さんが参加レポートを書いてくれてます。実際の参加者の正直なレポートなんでこっちの方が参考になるかな。
コミュニケーションを通して、世界の見方を交換する—ムサビ×東工大 コンセプト・デザイニング体験記2023 | mauleaf

 
日程・会場は去年と同じく前半2日間を東工大大岡山キャンパスの地球生命研究所 三島ホール

後半4日間をムサビ市ヶ谷キャンパスで行うことになってます。
 
さらに今年から学部生は1単位出ることになりました!
東工大さんは大学院授業だから単位が出るのに、ずっとムサビ側は「単位も交通費も出ない課外授業」と言ってました。でもとうとう授業扱いになったんです!!(涙)
あ、大学院生は単位がでません。ごめんなさい・・。 
 
もうやらない理由が全く思いつかないコンセプト・デザイニングなわけで、ハードルがあるとすれば「かなりハードなワークショップであること」ぐらいかな。
初めて会う人達と1週間ずーーーと考え続けるのはほんと大変だけど、参加者の満足度が毎年かなり高く、中盤になってくるとお互い仲良くなります。なんせ、このワークショップでムサビに惚れ込んでムサビ大学院に入学した東工大生がいるくらいなので。
 
ちなみにキャリアチームによると、就活時の略歴書に「東工大WSに参加」と書くと、必ずといっていいほど面接官に「え。東工大と何をやったの?!」と聞かれるそうです。「美大での学びだけじゃなく他分野との学び」に皆さん興味を持つようで、活動欄に書くことがない人もぜひ。



以上、延々とスライド作りをやってる手羽がお送りいたしました。
いつになったら終わるんだろう・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。