【お題は「しるし」】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2023」最終プレゼンその1

2023年8月9日(水)

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夏恒例となった武蔵野美術大学と東京工業大学との合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2023」の様子をレポートしています。これまでの話はこちら。
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7月29日(土)、いよいよ最終プレゼン日。

どのグループも朝10時から集まって仕上げをして、午後3時から最終プレゼンスタート!!


最初はCグループ改め、「一年足踏み」。 

ほとんど説明もなく「とりあえず前にある段ボールを踏んで感触を楽しんでください」と始まりました。参加者体験型のプレゼンですね。

ちなみに最終プレゼンには5つの条件をつけてました。
1)パフォーマンス・寸劇・映像等も可。ただし造形物(最終アウトプット)制作はマスト。
2)造形物の「うまい、へた」「精度」は(そんなに)問わない(その時間があったら議論してね)
3)持ち時間はいかなる場合も10分以内。
4)必ず全員役割をつけること。
5)グループ名をつけること。


(4)は手羽が勝手に入れだした条件です。
グループプレゼンなのに1人だけプレゼンして、他メンバーは後ろで壁にはりついて聞いてるシーンを学生さんの発表でよく見かけるんだけど、あれがほんと嫌で。最後まで自分事でいてほしくて。

飛びはねる人もいた。
下にビニール敷いてるところからだいたいオチは予想はできる・・・で、できたばかりの部屋だから、お願いだから汚さないでね・・。

そして、「実は段ボールを取ると・・」と広げて見せた瞬間はこちら。

下に絵の具が入った弁当しょうゆ入れがあり、踏むことでそれがつぶれる仕組み。

「しるしは変異と感染を繰り返す」

まずは先生からコメントや質問。
あ、例年は学長などゲスト審査員を入れてましたが、「純粋に中間プレゼンからの飛躍も含めた審査・講評をしてみよう」となり、今年はゲスト無しでやってみました。10年以上続くワークショップだけど、私たちも試行錯誤しています。

学生さんからもコメントしてもらう美大講評会スタイルで進んでいきます。
 
 
2番目はBグループ改め、「ファーストキッス」

簡単に説明すると「多様化の時代にトイレの男女サインはどうなっていくのか。そもそも男女の区別はどうなるのか」なんだけど、さらにそれを発展させたプレゼンになってました。

今年は終始笑いが起きるプレゼンが多かったですね。

いろんな人からコメントしてもらいます。
 
  
3番目は Aグループ改め、「田代山岳部」

Aグループは中間プレゼンの段階で「しるし」の意味ではなく、文字・形について注目。
なんとなく「しるし」の「し」は右側を向いてるけど「る」だけ左側を向いてるイメージがあるよね、と。みんな「おお。確かに!」と感動したけど・・参加してない人はこれで意味わかるかな?(笑)
かなり早い段階で面白い着眼点にたどりついてたけど、それをどうアウトプットにもっていくかでずっと議論してたんです。
「こう考えました」までなら簡単なんだけど「それをどう造形物にして表現するか」の具体化が難しいんですよね。

なおかつ中間プレゼン終わった後に手羽が「でも『し』を体で表現しようとしたら、顔は左側に向かない?」と伝えたのも迷走が続いたひとつ。簡単に結論なんか出させないのが手羽の役割なので。
普通だと「『し』を人文字でやったら、って意味がわからん」で終わりだけど、「そういわれたら・・」と本気で考え始めてしまうのがこのワークショップの面白いところ。

最終的にはこういうアウトプットになりました。目玉ですね。
実はギミックがあり、少し動きます。

朝1で「ピンポン玉を塗装したいんで塗装ブース使わせてください」と相談されたけど、目玉を作ってたんだな。
でも最終プレゼン日の午前中から制作したわりにはよくできてる。球体を細く長い針金で自立させるのって難しいんですよね。

夜は深まっていきます。

まだまだ最終プレゼンは続くっ!!



以上、東工大WSと出張続きで2週間以上ぶりに鷹の台キャンパスに登校したけど、

机の上にはこれくらいしか置かれてなくてホっとした手羽がお送りいたしました。
昔だと3日席を外すと原議書とかが山積みになってて、印鑑押すのに半日かかったりしてたんです。これも完璧にDX化のおかげですな。
ただ、その分、どこでも仕事ができてしまう(やらされてしまう)ってことでもあり、実際やってたけど、それがいいのか悪いのか・・・。

机の上のお土産はみんなが頑張った証。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。