世界中いつでもどこからでも行けるバーチャル美術館「IJC MUSEUM」公開

草間彌生、Nerhol、名和晃平、束芋といった現代アーティストたちの作品を、いつでも、世界中どこからでも、間近で体感できる!? そんな夢のような美術館「IJC MUSEUM」が公開された。実は全日本空輸株式会社による「アート」をテーマとしたバーチャル美術館プロジェクト。あなたも今すぐ出掛けてみよう。

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日本を代表する現代アーティストたちの作品を、いつでも、世界中どこからでも、間近で体感できることを目的としたバーチャル美術館が公開された。

「IJC MUSEUM」https://www.ana-cooljapan.com/contents/art/

全日本空輸株式会社が、訪日外国人向けのプロモーションメディア「IS JAPAN COOL?」において行う「アート」をテーマとしたバーチャル美術館プロジェクトである。

訪日外国人の数は2015年に1973万人を数え、2016年には2000万人を超えることが期待されている。その一方で、訪日観光の目的としての「アート」の需要は重要性を増してきている。
これを受け、海外の人々に向け、日本が誇るアートの魅力を知っていただき、より充実した訪日旅行を外国人観光客の方々に過ごしてほしいとの想いから、「アート」をテーマにした今回のプロジェクト「IJC MUSEUM」を立ち上げる運びとなったとのこと。


  • IJC MUSEUM 入口

  • IJC MUSEUM トップ画面

圧倒的なリアリティ。「存在」するのに「実在」しない。「IJC MUSEUM」とは?

「IJC MUSEUM」は、日本を代表する現代アーティストの俊英達を集め、最新テクノロジーを活用してその作品を仮想空間上に再現。実際に建築物として設計されたバーチャルな美術館を建設し、それらを展示する、アートとテクノロジーを融合した実験的なプロジェクト。

360°のパノラマ視点で見渡すことのできる展示空間は、実際に建築家の監修の元に設計され、まるで本当の美術館を訪れているかのように感じることができる。

アーティストの作品は、あるものは最新鋭の機器を用いて3Dスキャンされ、縦横無尽に自由な角度で鑑賞でき、またあるものは超高精細な画像データとして、実際に近づいて見る以上に細部まで拡大して鑑賞可能。

また3DCGによって、今は幻となったインスタレーション作品さえもデジタル空間上に再構築する、美術をアーカイブするという学術的意義をもった野心的な取り組みでもある。

ある意味で現実をも上回る、バーチャルでインタラクティブな、まったく新しいアート鑑賞体験。混雑も時間も関係なく、今あなたがいる場所からも自由に鑑賞できるこの「雲の中の美術館」を、ぜひお楽しみあれ!


  • サイトの訪問者数に応じて鑑賞者数も変化

「IJC MUSEUM」の体験方法をご紹介!

ブラウザ上では、圧倒的な 3D 表現を可能にする「Web GL」を使用したことにより、まるでその場で本当に作品をみているかのようなリアリティとスケール感を実現している。スマートフォンを使用した場合、上下左右に動かせる、360°パノラマビューコンテンツによって、展示室を自由に楽しむことが可能。


  • IJC MUSEUM 全体マップ

「IJC MUSEUM」は Exhibition01から07までの、 7人のアーティスト個々の展示室と、日本の最新アート情報を見ることができる“ART TRIP”の展示室の計8部屋に分かれている。動線に沿った、展示室から展示室への移動はもちろん、目的のアーティストの部屋を地図上から選択すると、その部屋への移動も可能。作品に合った最適な空間でのご鑑賞をお楽しみいただける設計となっている。

① 美術館に入館する
「IJC MUSEUM」に入場する。

② 順路に従って進む

【PC での操作】
カーソルを当て、行きたい方向に動かす。

【スマートフォンでの操作】
スマートフォンを行きたい方向にかざす。

③ 作品を自由な視点で鑑賞する
バーチャル美術館でしか実現できない、縦横無尽の自由な視点や、肉眼では有り得ないほど至近距離からの 作品鑑賞を可能にしている。

STEP1. 作品の選択
観たい作品を選んでクリック/タップする。

STEP2. 視点の変更
360°好きな位置から作品を鑑賞することが可能。

STEP3. 拡大/縮小
拡大することでリアルな素材感を感じられる。

④ 作品を発信する
通常、日本の美術館では展示室内での作品の撮影は禁止されていますが、「IJC MUSEUM」では、作品をあらゆる角度から撮影、Facebook、 Twitter、Pinterest などのソーシャルメディアに向けた発信をすることが可能です。

⑤ アーティスト・作品についてもっと知る
作品をより深く楽しむための、アーティストのプロフィールやインタビュー動画、制作風景といった詳細な情報も知ることができる。

アーティスト紹介/インタビュー動画
作品説明から、アーティストの最新インタビュー動画を閲覧することができる。(約 5〜8 分)

⑥ 日本の美術館についてもっと知る
「ART TRIP」の展示室では、日本に来たらぜひ訪れてほしい全国各地のミュージアムを総勢 30 館にわたってピ ックアップして紹介している。ミュージアムの特徴や魅力から、開館情報やアクセスにいたるまで詳細な情報を得ることができる、便利なアートトリップ・ガイド。


  • ART TRIPの展示室内イメージ

日本屈指のアーティストが参加!もうここでしか見ることができない作品も。

今回この「IJC MUSEUM」を彩るのは、日本を代表する総勢 7 組のアーティストたち。
日本国内のみならず、国際的に活躍する彼らの作品の中でも選りすぐりの作品が、本美術館に集結している。その中には、日本初の展示となる大規模な立体作品や、再制作は困難とされる幻のインスタレーション作品など、一堂に集まることは非常に稀なシリーズ作品が含まれる。バーチャルミュージアムだからこそ、従来の美術館では不可能ともいえる展示を実現している。

出展アーティスト

草間彌生
1929年長野県生まれ。10歳の頃より絵画を制作し、57年の渡米後は、巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、環境彫刻を発表する。60年代後半にはボディー・ペインティングなど多数のハプニングを行う。73 年の帰国後は、作品制作を続けながら、小説、詩集も多数発表。第45回ヴェネチア・ビエンナーレの代表作家として日本館初の個展を行う。 98年ニューヨーク近代美術館での大回顧展をはじめ、現在までに世界各地で大規模な個展を開催。
http://www.yayoi-kusama.jp/

天明屋尚
1966年東京生まれ。アートディレクターを経て、現代美術家としての活動を開始。2000年日本画と現代風俗を融合させた「ネオ日本画」を提唱。2002年「天明屋尚と暁斎展」河鍋暁斎記念美術館、2003年「アメリカン・エフェクト展」ホイットニー美術館、2010年 わび・さび・禅の対極にある美の系譜「BASARA」を提唱し、「BASARA展」を開催。2010年「第 17 回シドニー・ビエンナーレ」など、国内外の展覧会に参加。展覧会のキュレーションなども行う。
http://tenmyouya.com/

Nerhol
グラフィックデザインを基軸に活動を行う田中義久(1980年静岡県生まれ)と、彫刻表現に基づく現代美術作品を制作する飯田竜太(1981年静岡県生まれ)からなる、2007年結成のアーティストユニット。2014年、東京の IMA CONCEPT STORE、EYE OF GYLE、2015年にはオランダのfoam、韓国のYOUNGEUN MUSEUM OF CONTEMPORARY ART など、国内外の美術館・ギャラリーでの展覧会に参加。
http://www.nerhol.com/

束芋
1975年兵庫生まれ。2001年第1回横浜トリエンナーレ、2006年原美術館、パリのカルティエ現代美術館での個展、2011年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家として選出、2014年MCA オーストラリアの個展など国内外で活動を展開。2016年には San Jose Museum of Art と Seattle Art Museum にて個展を予定。近年は舞台演出などにも携わる。
http://www.gallerykoyanagi.com/
http://www.jamescohan.com/

小畑多丘
1980年埼玉生まれ。2006年東京藝術大学美術学部彫刻学科卒業後、2008年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。同年、「トーキョーワンダーウォール公募 2008(立体・インスタレーション作品)」大賞受賞。2012年中村キース・ヘリング美術館、2014年 Jonathan LeVine Gallery で個展。1999年 UNITYSELECTIONS (HIP HOP TEAM) 、2007年 HIPHOP戦隊BBOYGER を結成し、ブレイクダンサーとしても活動する。
http://takuobata.tumblr.com/

名和晃平
1975年大阪生まれ。彫刻家。 1998年京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業。 2000年同大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。 2003年同大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了。
2009年京都・伏見区に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げる。 2011年東京都現代美術館で個展「名和晃平-シンセシス」 2015年 PACE LONDON で個展「FORCE」を開催。画素の Pixel と細胞の Cell を組み合わせた独自の「PixCell」という概念を機軸に、ビーズ、プリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど様々な素材とテクノロジーを駆使し、彫刻の新たな可能性を広げている。京都造形芸術大学大学院美術研究科教授。
http://kohei-nawa.net/

池田学
1973年佐賀生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、2000年東京藝術大学大学院修士課程修了。2014年第25回タカシマヤ美術賞受賞。2011年より1年間、文化庁芸術家在外研修員としてバンクーバーに滞在、2013年よりアメリカ・ウィスコンシン州マディソンにあるChazen Museum of Art にて滞在制作を行っている。
http://mizuma-art.co.jp/


  • 天明屋尚さんの作品

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