1月に行われるムサビ卒業・修了制作展、略して卒展のお知らせです。
■武蔵野美術大学 2021年度 卒業・修了制作展
●会期:2022年1月13日(木)-16日(日)
●時間:9:00-17:00
●会場:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス
●入場無料
*予約制。1月7日(金)9:00よりこちらのサイトで予約受付
*車でのご来場はお控ください。
去年の卒展はコロナの影響で3月開催でしたが今年は2年ぶりの1月開催!
というわけで興奮気味に2日連続で、ムサビ卒展に関するよくある質問にお答えしています。
昨日の話はこちら。
■【進学相談会と手羽ツアーもやります!】ムサビ卒業・修了制作展は1月13日から4日間開催!
Q5.いろんな人に見てもらいたいのに、なんで田舎の小平市でやるの?人に見せるのが目的なら都心でやるべきでしょ!
これもムサビ卒展をご覧になったことがない方から多い質問です。
多分「油絵や彫刻が大きな展示室に静かに陳列」「パネルを並べた研究発表会」な美術館展示やパネルセッションをイメージされてるんじゃないかと。
↑こういう感じに。
卒展本体を都心の美術館でやらない(やれない)理由は大きく3つあって、ひとつめは講評と展示の関係。
「講評と卒展は別」という大学もありますが(地方美大ではこれが主流。タマビも最近までこの考え方だった)、ムサビ卒展は基本的に「卒業制作講評のために展示したものを公開する」というスタンスです。
つまり卒制講評からそのまま卒展という流れがあるので、ピックアップして展示することができにくいんですね。全部が評価対象なので。
で、ムサビの4年生・大学院2年生の合計数は約1200人で、卒展では1人2点以上展示するのがほとんどだから、3000ぐらいの作品が展示されることになります。
2019年展覧会入場者数TOP2のフェルメール展で約50点、ムンク展で約100点。
この数を展示できる都心の美術館をむしろ教えてほしいくらいです・・・。
次に展示スペースの関係。
ムサビ4号館・7号館の延床面積はそれぞれ約4,000㎡、10号館は約7,000㎡、2号館は約15,000㎡、12号館が約14,000㎡、9号館は約73,000㎡と、実は6つの建物だけで11万㎡を超えます。
でも日本最大の美術館である国立新美術館で延床面積は47,960m²、そして「1日ではとても見きれない」と語られるルーブル美術館でさえ60,600㎡なんですよ。
もちろん非展示スペースもありますが、屋外にも展示してるので、展示延床面積を合わせれば国立新美術館はもとよりルーブル美術館より確実に広いんです。
なおかつ、作品形態も映像作品・論文・インスタレーション・パフォーマンスなど様々で、このボリュームと多様性に対応できる美術館は絶対にありません。
3つ目は設営の問題。
昨日も書きましたが、ムサビ卒展は展示室やアトリエ、演習室はもちろんのこと、工房、屋外、吹き抜け、廊下、倉庫など「学内」の利点を使ってありとあらゆる場所で展示されます。
また、1,2ヶ月ぐらいかけて空間自体を作りこんだり、その空間前提に作品を作ったりします。
例えば去年の作品だと、
さすがにこのやり方は美術館じゃ無理・・。
一度ご覧になっていただければ、きっと「ああ。そりゃ都心の美術館じゃできないし、大学でやった方が全然いいね」とわかってもらえるはずです。
ストレートな美術館展示というより「点在する地方芸術祭」がムサビ卒展に近いかもしれませんね。
Q6.とはいってもやっぱりムサビは遠いし、都内でゴビダイテンをやってるからそっちにします。東京藝大も一緒に見れるし。
毎年国立新美術館で開催してる東京五美術大学連合卒業・修了制作展、略して五美大展をご存じとはありがとうございます。
ただ、これも勘違いされてる方が多いんですが、五美大展はファインアート系学科(油絵や日本画、版画、彫刻)のみの展示なので、デザイン系は展示されないし、デザイン系の合同卒展もありません。
また、五美大展は国立新美のスペースや規則の関係でどうしても「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスものはビデオ上映」「五美大展サイズに小さく作った作品」「水モノ・土モノNG」になってしまいます。
五美大展もぜひ見ていただきたいのですが、五美大展は作者を知ってもらうための「ポートフォリオ実物版」を展示してる・・ぐらいに考えてもらった方がいいです。
あ。これもよく間違えてる方がいますが、五美大展に東京藝大は含まれておりませんので・・。
Q7.わかったよ。行けばいいんでしょ行けば。
はい。つまりはそういうことです(笑)
しかも今年は初めての試みで、卒展に合わせて進学相談会とキャンパスツアーをやることになりました!
■進学相談会 in 卒業・修了制作展
●日程:2022年1月15日(土)、16日(日)
●内容:
・職員、学生広報局による個別相談会*教員による個別相談、作品講評は行いません。
・職員、学生広報局によるキャンパスツアー*ツアーは予約制
土日だけですが、受験のこと、学生生活のこと等々広報スタッフと学生が相談にのります。
また、手羽と学生さんによるキャンパスツアーもやりますので、1月7日からの予約をぜひ。
学生さんといえば、ムサビ卒展に出品する学生さんへ業務連絡を2つ。
展示前にこちらの記事を読んでもらえれば。
■【美大4年生必見】手羽の卒業制作アドバイス36ヶ条【コロナ対応を制す者は卒展を制す】 #卒展
今からでも回避できることがあるので、少しは参考になると思います。
それと、Facebookかtwitterで「名前(ペンネームでも可)」「場所」「(できれば)画像」「売り文句」を手羽宛てに送ってくれたら年明けに宣伝します。あ、「手羽さんイケメン」も忘れずに。
少しは動員力持ってるので手羽を使ってください(笑)
おっと、今回書いた内容は「現状では」です。
コロナの動きによって変わる可能性が高いので、かならず直前まで大学WEBサイトか手羽美★をチェックしてくださいね。
感染者数がちょっとイヤーな増え方してますね・・。
コロナといえば、中央道で工学院大学さんのシャトルバスが横を通ったんだけど、
誰も乗ってなかったんですよ。普段は満席とは言わないまでも必ず何人かは乗ってたはずなのに。
オンライン授業で役割が無くなった一つかもしれませんね。
以上、2日続けて市ヶ谷キャンパスにいたので、
市ヶ谷キャンパスで初めての合同企業セミナーを聞いたり、
クリエイティブ・スタートアッププログラムの最終プレゼンに参加させてもらった手羽がお送りいたしました。面白かった!!
近日中に追加情報が発表されるはずなのでお楽しみに。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。