東工大ON the borderLINE「境界:Borderとは?」@SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)に行ってきた

2021年2月28日(日)

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2月27日、渋谷スクランブルスクエアへ。

乗り換えとか道路ではよく通るけど、ほんと渋谷自体には行かなくなりましたね。
調べたら、
minnaとみんなのハッピー祭~ 10th anniversary event ~に行ってきた
2019年10月以来だから、1年半ぶり。
この時はまだこの渋谷スクランブルスクエアは工事中で、

このへんの電車との接続も大工事中でした。


  • こんなことになっとるのか

下北沢もだけど、渋谷駅周辺も来るたびに地形が変わってて、ついていけない・・。

へー、渋谷スクランブルスクエアにはこういう有名企業さんが入ってるのね。

15階のボタンを押して、

こちらへ。
で、何をしにきたかというと、これを見に来たんです。
ON the borderLINE「境界:Borderとは?」~QWSアカデミア(東京工業大学)

●会期:2月25日(木)-28日(日)
●時間:12:30~19:30 ※各日最終入場19:00
●会場:渋谷スクランブルスクエア15階 SHIBUYA QWS内 PLAY GROUND


東京工業大学と武蔵野美術大学は連携協定を結んでいて、毎年合同ワークショップをやってます。さすがに今年度はコロナで中止になったけど、詳しくはこちらをご覧ください。
【最優秀賞はどのグループに!?】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2019」最終プレゼン!!!【その3】

そこでお世話になってるのが、環境・社会理工学院の野原佳代子先生でして、野原研究室が渋谷で展示するっていうんだから、そりゃ行くしかないっしょ。
ただ、メールをいただいたのが金曜日で、もう少し早く連絡くれたらブログとかSNSで宣伝したのに・・。

野原先生の専門は「翻訳学」で、翻訳学とは言い換えると「差異の研究」です。
日本語と英語で同じ意味として使われてる単語でも、文化の違いなどでニュアンスを表せてないものがたくさんあります。
典型例は「いただきます」「おつかれさま」。「いただきます」は「Let’s eat!」と訳されるけど、これだと「みんなで食べようぜ!」な意味合いになり、「(命を)いただきます(ありがとう)」な感謝の意味合いが含まれてない。逆に「oh my God!」を訳すと「ナンマイダ!」になり、これは宗教が変わってるけどうまく言い換えられてる例。
これが「差異」ってやつで、その差異の研究からアートとサイエンス、アーティストとサイエンティストの差異に興味をもたれたそう。
もっと詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。


  • 作品名:The Boundary Line

この展覧会は野原研究室の「学生企画」として初のアート制作展示です。
「境界」は物事を二分するけど、境界線上ははたしてどうなのか。
ふだんは科学・技術に取り組む東工大生たちが、いつもの言葉ではない形で表現しています。


  • 作品名:Your touch makes me fragrant


  • 作品名:Face Myself


  • 作品名:主体の再考


  • 作品名:複雑系の音色 (Complex system tones)

やっぱり美大生と視点が少し違う気がするし、多分美大生ならそうは語らないだろうなあ、という作品がありました。この企画、美大生がキュレーションしたり、ディスカッションすると「境界」についてもっと面白く考えられるかもしれません。


で、実は「も、もしかして、この展示場所って」とドキドキしながら渋谷に向かったんですよ。

やっぱりそうだった。
ここへ行きたいとずっと思ってたんだけど、きっかけがなくて。野原先生に感謝だわ。


ここがどこかというと、2019年11月にオープンした

会員制共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」なんです。

「渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点」をコンセプトに、企業人やクリエイター、研究者など多様な人々が、肩書きや立場、分野を超えて交差・交流し、社会価値につながる種を生み出すことを目的とした会員制の施設。「Question with sensibility(問いの感性)」の頭文字をとって「QWS」。
ま、一言で説明するならば、コワーキングスペースでありインキュベーションセンターってことですね。


施設を見ていきましょ。

エントランスから入ると、

SHIBUYA QWSの中心に位置し、ダイニングのようにゆったりしながら交流する「クロスパーク」。カフェもあります。
でもここでリモート会議やってるおじさんがいて、ちょっとうるさかったなあ・・。

こういう床に座って車座で話し合う場ってどうしても必要なんですよね。
でもコロナでは少しためらってしまう場でもあります。

一番広いスペースの「PROJECT BASE」
可動式のテーブルやホワイトボードが設置されてます。

電源付のカウンターテーブルは渋谷を一望できる窓側についていて、


  • すんごい景色!


  • え。パルコってこんな感じになったの?


  • 宮下公園も見えるし、奥のこんもりした緑は明治神宮だ。

ここにいると、東京を動かしてるのは自分だと勘違いしそう(笑)

こちらは「SCRAMBLE HALL」
本来は200名規模のイベントスペースだけど、恐らくコロナ対策として「PROJECT BASE」のスペースとして使われてる感じでした。

手前に見えるのが「シェアキッチン」で、この奥にあるのが「SALON」
コワーキングスペースといえばシェアキッチンだし、サロンは打ち合わせやクローズドな商談としても必要な場所。

野原研究室が今回展示してた場所は「PLAY GROUND」というフレキシブルスペースで、その他の施設だと、


  • 工具もあり、


  • FABルーム


  • リモート会議をするスペース。この1年でこういう空間が必要になってきました


  • 少人数用の会議室

 
手羽が一番気になるのは、座組や運営団体です。

こういう企業、団体、教育機関が関わっており、大学だと東工大の他、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京都市大学、東京藝術大学が連携事業協定を結んでいます。
ミミクリデザインさんの名前もあったりしますね。

パートナーが入居するオフィス空間「BOOSTER OFFICE」もあり、

こういう企業さんが入居してました。

スタッフの方に聞いたところ、ロフトワークが運営をされていて、

コミュニケーター(スタッフ)は学生さんや企業人、フリー、サイエンティストなど様々で、たまたま質問したコミュニケータの方は、日芸デザインの学生さんでした。

「コワーキングスペースやインキュベーションセンターは作れば終わりではなく、そこにどういうスタッフがいるかが一番重要」とよく言われてます。
スタッフ・・ここではコミュニケータが積極的に干渉し、仕掛けを作り、他の人とつなげることで交流や広がりが生まれ、イノベーションが発生する、と。
なので運営側は単なる場所貸し・場所管理ではダメだし、スタッフも「管理人」の意識ではダメなんですね。


  • 面白いのは、最新の施設でも、こういう時は手書きなんだなあ。


  • 共通の「問い」があることで、交流が生まれる


  • 手振れしてすいません。ポストイットに書かれたイベントカレンダーです。

「Want&Give」ボードには、

こういう募集も。

プロジェクトボードにも、

こんなのがあって「おおっ!」と思っちゃった(笑)

会員は 14才〜91才と幅広く、その職種も会社員、学生、研究者、公務員、クリエイター、フリーランス、主婦などいろいろ。単なるコワーキングスペースではないのがこれでわかりますね。
今までに70近いプロジェクト活動が行われ、現在は約40チームが未来の価値を創造するプロジェクト活動をしているそう。

多分、机の上にある黄色いフキダシが、活動中のプロジェクトなのかな。わかりやすい仕組みだ。


野原研究室の展示はもちろんですが、渋谷QWSは今見ておく価値あるんでぜひ。


以上、コミュニケータから何度も

「問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション」 を宣伝されたけど、実は買って持ってるけど積む読になってるとは言えなかった手羽がお送りいたしました。
よ、読みます。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。