【さよなら大浦食堂】令和2年度 東京藝術大学 卒業・修了作品展に行ってきた【その2】

2021年2月3日(水)

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令和2年度東京藝術大学 卒業・修了作品展の様子を3話に分けてお送りしてます。

これまでの話はこちら↓
【事前予約必要】令和2年度 東京藝術大学 卒業・修了作品展に行ってきた【その1】


今年の東京藝大卒展サイトはかなり気合が入ってて、
総合工房棟Factory Complex|会場別にみる
全作品が画像付きで紹介されてるのもすごいんだけど、なんと全会場をバーチャルツアーできるんですよ。かなりの短い時間で作られたはず。

こっちも負けずに会場を見ていきましょ。
総合工房棟へ。


  • これも作品・・だよな・・・。

総合工房棟はいろんな分野が展示してる建物で、大学院の彫刻、建築、グローバルアートプラクティスと、学部と大学院が展示してるデザイン、先端芸術表現が入ってます。
見ごたえはありますね。


  • 総合工房棟は手羽が美大で好きな建物の一つ。面白い作り。

こういうベランダがあるのを初めて知った。

まだまだありますよ。陳列館です。
大学院の建築と文化財保存学が展示してます。

続いて正木記念館


  • 正木記念館の中に入るのも初めて。今回は来て良かった。


  • こういう場所もあった。

東京藝大構内はこれで全部。次は都美館へ。

・・と、いきたいところだけど、今日はこれを絶対に紹介しなくちゃいけない。間違いなく入試アドバイスより優先順位が高い(笑)

美術学部構内にある大浦食堂が今日2月3日(水)をもって約80年間の営業に幕を閉じます。
東京藝術大学 |大浦食堂の閉店について

手羽は学生時代に東京藝大へ行ったことがなく、実は今の美術館が出来た後からしか知りません。
社会連携をやるようになって東京藝大へ訪問する機会が増え、仕事で行く時はちょっと早めに行って、大浦食堂のピーマン肉詰め定食を毎回食べてました。カチカチな食感や味が学生時代にムサビにあった学食「風月」とそっくりで懐かしくなるんです。
「ああ。あれがもう食べれなくなるんだ」と手羽にとっても悲しいニュースで。


昔の大浦食堂はこうだったんですね。。時代を感じる・・。

マスターが寄稿した文章はこちら。
東京藝術大学 | 第二十三回 北澤悦雄「大浦食堂の歴史-コロナで今思う事」

いつもの「時」であればムサビが1年前にやったような
ベルハウスお別れ会に行ってきた
お別れ会を学生さんや卒業生が中心になってイベントを絶対にやってるはずだけど、
大浦食堂の閉店及び学外者の利用についてた
コロナで学外者は利用禁止だし、なかなか集まるのが難しく、それが関係者からすると一番悲しいんじゃないでしょうか。「葬式は亡くなった人のためではなく割り切りたい人のためにやる」と言いますし。


大浦食堂が閉店になったのは「コロナのせいだ!」「いや、キッチンカーのせいだ!」という声がちょいちょい聞こえます。


  • この日のキッチンカーは音楽学部で営業してた。お昼に830円か・・

学生さんが10月まで入構しなかったからコロナの影響も少なからずあるとは思いますが、2020年6月18日に開催された
第303回 役 員 会 議 事 要 録
で、「学生食堂の公募について」が審議にかかってるんですね。「新しい学食業者を募集してもよろしい?」という審議なので、コロナ前に大浦食堂閉店は決まってたと考えられます。
また、「キッチンカーが入ったから大浦食堂の客が減った」ではなく「大浦食堂が満席の状態が続いて学生が困ってたから苦肉の策でキッチンカーを導入した」が正しい流れのような気がするんですよね。だって大学がわざわざキッチンカーを入れる理由がないんで(笑)

じゃなんで満席の状態だったのに閉店になったのか・・勝手に理由を推測すると3つ考えられます。


1つ目は「藝大さんは大浦食堂のバタ丼をメディアで宣伝しすぎちゃったんじゃないのかな?」
この数年「開かれた大学」「大学の社会貢献」が叫ばれてるんで、「学食は市民の方にも開放しております!」とアピールする大学が増えてきました。2010年前後にちょっとした学食訪問ブームがやってきて、その頃は関連本もいくつか出たっけ。
それは間違ったことではないのだけど、
大浦食堂 - 根津/学生食堂 [食べログ]
大浦食堂は食べログにも出てるし、テレビでもパっと調べる限り、
東京藝術大学(上野公園) | 出没!アド街ック天国
じゅん散歩2016年5月10日(火)「上野公園」
題名のない音楽会」 2017年6月18日(日)放送内容
アド街に、じゅん散歩に、題名のない音楽界に、


  • サラメシ シーズン8 第21回

サラメシにも登場してるんですよ。
箭内さんはバタ丼が好きすぎて、
【箭内道彦のアンチ】9.バタ丼 藝大学食 (オデッサの階段)

ここでも紹介してます(笑)
一般の方が「バタ丼」という貧乏な学生さんのお腹を満たすために作られた利益率の低そうな料理をオーダーし長時間居座るようになる→学生が座れない・・になったんじゃないかと。


2つ目の推測は、「いろんなオーダーに対応するのが厳しくなってる」
昔に比べると様々な国から留学生がやってきて、その人数も一気に増えて多様化が始まってるから、以前はせいぜいアレルギー対応をするぐらいだったのが、今はハラル対応、ヴィーガン対応など学食に求められるものが増えてきてます。
料金をあまり上げずにそれらの対応を昔ながらの食堂に求めるのはつらいもので。。
 
  
そして3つ目は「実は学生さんの利用者数や満足度、思い入れは前より減ってたんじゃないか?」
たいていこの手の話は卒業生が「大学が昔ながらの店を勝手に!」と怒る傾向にあるけど、実情は「学生さんは昔に比べるとあんまり使ってないし思い入れも弱い」というケースが多々あるんですよね。バタ丼を食べたことがない在学生って前より増えてるんじゃないかな。
また、今は「コンビニ弁当の方が安い」てのもあるはず。

これが手羽の大好きなピーマンの肉詰め定食だけど、600円って「外食」と考えたら安いけど学食の定食じゃ学生さんからしたらちょっと高い気がしません?
特に今の学生さんだと「600円あったらコンビニだと弁当とペットボトルが買える」という発想なんじゃないかしら。親からしたら、ちゃんとした食事を食べてほしいんだけどね。


といろいろ書いてきたけど、今まであったものが無くなるってのはやっぱり悲しいもんで、

今までありがとうございました!

びっくりなのが、音楽学部キャンパスにある学食「キャッスル食堂」も今年2021年秋に閉店するそう。学食の両方ともほぼ同じタイミングで閉店しちゃうんですよ。
大学会館を工事してるので、どっちかにコンビニを入れたりするのかな?あのへんコンビニがなくてちょっと不便で。。

あ、「芸術大学」といえば、大阪芸大さんの学食も話題になってますね。
二食のおっちゃん、40年間ありがとう 「最後の晩餐」の引退写真に涙 大阪芸大生が粋な送り出し

最後の思い出にピーマンの肉詰め定食を食べたかったけど、

学外者は利用禁止なので、

2階のミュージアムカフェ「オークラ」へ。
名前のとおりホテルオークラが運営受託されてる食堂で、ここは外部の人間も利用できます。
だけど、お客さんは手羽以外は一人。


  • メニューはこんな感じ。

セットはこれにケーキとコーヒーがついて2500円。
前よりかなり値上がりしてるような気が・・。

東京藝大卒展話はもう1話あります。続くっ!



以上、もう一人のお客さんってよく見たら、

澤学長だった手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。