【自由とは】リンクロウ卒業式に行ってきた【大雪とコロナと】

2020年3月30日(月)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

3月29日(日)、東京都から不要不急な外出自粛要請が出てる中、手羽は外出してました。

3月末にして大雪。すごい日。

池に散った桜が雪と混ざってて、「まるでいちごミルクセーキみたいだね」と奥さんにつぶやくと「昭和な表現・・」と言われた。

なんで外出したかというと、

リンクロウの高校の卒業式だったんです。

当初3月頭に予定されてましたが、新型コロナの影響でいったんは中止の方向に決まりました。
でも校長先生から「卒業式は不要なんかじゃない!」という強いメッセージが発信され、この3月29日に開催されることになったのです。

最初リンクロウは3月27日に大分入りする予定だったんで変更後の卒業式は出れないはずだったんだけど、先日書いた記事のとおり大学のスタートが遅くなったので参加できることになった、と。

全員マスク着用、隣との席は離され、いろんなイベントをカットし必要最低限の式典。
コロナと大雪がかぶる、高校の歴史にも記憶にも残る卒業式になりました。

今年で退任される校長先生の話がまた良くて。

大正自由教育運動の流れの中で生まれ、「自主自立・個性尊重」を掲げそれを実践してる高校。
校則も制服もなく自由で、化粧どころか金髪やピアスもOK。といって別に荒れてるわけでもない。今はやりの「想像力・創造力・表現力」を昔から重視してるからか、例年美大に何人も入学してます(ムサビにも一般入試で何人か合格してた)。

リンクロウが中学時代、いくつかの高校のオープンキャンパスに行ってたけどどこにするか決めかねてて、「あ。以前父さんが高校説明会に行った●●高校は校風がリンクロウに合ってるかもよ(美大進学者も多いし)」と高校見学に連れて行ったら「ここがいい」となり、あれよあれよと合格が決まりました。二人の都合が合わず高校見学に行ってなかったら、どうなってたか。


で、校長先生の話は「自由とは『自らを由しとすること』」
「自由」とは好き勝手にやるという意味ではなく、自分の責任において決断する、という意味。

今の社会情勢で卒業式を決行することは、批判を浴びる行為かもしれない。
でも「卒業式はほんとに不要なものなのか?」を周りに流されず自ら考え、対処方法を考え、校長先生、先生、在校生、保護者が自ら由しとしこの場にいる。
まさに今日にふさわしい言葉。この高校にリンクロウを入れてよかった。

卒業証書授与はクラス代表の生徒さんだけ。
卒業生からのメッセージは二人で、一人は進学で東京から離れているために事前録音した音声だけが会場に流れました。これも異例な形。

生徒の入退場含めて40分ぐらいの式だから、始まったと思ったらすぐに卒業生退場だけど、やれて本当によかった。

・・・みんな袴とかスーツなのに一人だけコスプレしてる生徒さんがいる(笑)
皆さんから笑われてる。
ま、一人はいるよね。空気読めないやつ。
絶対こいつ将来、「軽装でお越しください」と書かれてたら、一人だけ披露宴にアロハシャツで来ちゃうやつだね(笑)

リンクロウだった(汗)

マスクで顔がよく見えないけど、お父さんに似てひょひょこ歩く姿は間違いなくリンクロウだ。
空気読めないところまで親に似るとは・・・。

和太鼓部に入って、「筋力もそうだけど両腕のバランスがそろってないと音のつぶがそろわない。一番いいトレーニングは利き腕と違う手でご飯食べること」と先輩に言われ、その日から左手でご飯を食べるようになり、今じゃ完全にお箸だけは左利きになりました。今でも左で食べてます。
一度決めたことをずっとやり続けるところも親似・・だけど、「それを実践した人って他にいるの?」と聞くと「いない」と(笑)

保育園時代から手羽ブログに登場してたリンクロウも、記事に登場するのはこれが多分最後。
家族サービスとだまし、恐らく「日本で一番美大のオープンキャンパスや卒展、ワークショップに参加した子供」で、関東の美大では「美大ワークショップ荒らし親子」と恐れられるようになり、リンクロウは小学校の頃、某美大オーキャンで展示されてた入試実技参考作品を見て「この手のデッサン、全部ゴム手袋みたいだね」と率直に感想言って「キタコレ!将来は美大だ!」と思ったけど、こんな感じになりました。「小さい頃から美大に触れたらどうなるか?」の長年の社会実験もこれで終わり。
今までご協力ありがとうございました。

しかし、なんでバナナ?
バナナ食べてコロナに負けない体力をつけようってメッセージなのかな・・。


ちなみに美大進学の同級生から最近になって「昔から美大受験の参考にしてるブログがあるんだけど、最近の記事に『リンクロウ』『和太鼓部』『大分の大学』と書いてあって・・・も、もしかしてリンちゃんのお父さんなの?!」と聞かれたそう。
保護者対象には2回高校でしゃべらせてもらってるんで、
手羽、大いに反省する1週間
「メディア芸術祭」と「夢ナビライブ」と「卒業生(教育実習生)に聞こう」に行ってきた
高校では承知の事実だと思ってたけど、そうか、高校生の前では一度もやってないか。
そうです。私がリンクロウのお父さんです(変なおじさんみたいだな。志村けん、頑張れ!)


以上、きっと皆さんの心には「コロナと大雪とバナナの卒業式」と記憶に残ったんじゃないかしら、の手羽がお送りいたしました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。