手羽、大いに反省する1週間

2017年11月12日(日)

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ようやく一山超えたので、更新再開。
今日はこの1週間の出来事をブログチックに書かせてもらいます。
実は反省しなくちゃいけない出来事が3つあって。


11月8日(水)
なんと日本テレビ「ヒルナンデス!」さんでムサビの芸術祭を特集していただきました!
・・・え?こんな大事な番組を見逃した?
しょうがないなあ。公式動画が上がってるので見てない人はこちらを。

1時間1分35秒あたりからです。
まさかこんなに長い時間紹介してもらえるとは思ってなく。これだけの尺があると芸術祭のことだけじゃなく授業のことも触れてもらえたし、新聞のテレビ欄では「武蔵野美術大学に潜入!」とフルネームで表記していただいて。
なによりも主演者の方が普通に「ムサビ」という名称を使ってくれてたのが嬉しいですね。タマビ・ジョシビは漢字をそのまま縮めたものだけど、「武蔵美」をムサビとは読むのは普通は無理なわけで、こういうタイプの大学略称が浸透してるケースは珍しく。ありがたやありがたや。
最後のミッツの思わせぶりなセリフが気になったけど(笑)


で、たまたま同じ日の日本テレビ「NEWSZERO」でタマビの芸術祭も紹介されたんですね。
11/8 日本テレビ「NEWS ZERO」にて芸術祭の様子が放送予定
放送時間的には10分弱ぐらいでしょうか(公式動画見つからず)。
同じ日の同じテレビ局で同じ芸術祭の話をやらんでも、と思ったりもするけど、これがもともと同じ学校だったムサビとタマビの宿命(とかいてサダメ)なのだろうか。

「どっちの紹介の方が宣伝になったか?」というのは悩ましいところ。
NEWSZEROは夜ニュース番組だからメインターゲットはサラリーマン。美大学園祭の特徴を短い時間にまとめ、「美大生のスペックの高さ」アプローチで紹介してた一方、ヒルナンデス!は昼間バラエティ番組だから主婦層メイン。だから「変なやつが多い面白い美大」的なアプローチだったかな。
ただ、放送されてしばらくの間、大学WEBサイトへアクセスが集中し合格発表時並みにすんごく重くなりました。やっぱりテレビの影響力ってすごい。

んで、問題はここから。
翌日の朝、録画しといたNEWSZEROとヒルナンデス!を家族に(強引に)見せたんです。
でリンクロウが一言、「久しぶりにタマビに勝ったね」と。

「どうだった?」と聞いただけで「どっちが勝った?」とは聞いてないんですよ。
高1でムサビタマビの関係を知ってるのは日本で多分リンクロウだけだろうし、美大について斜に構えたスタンスとひねくれた口の悪さは誰に似たんだか・・・っ完全に手羽だなあ・・って、おい!ふだんから負けてないからっ!!
リンクロウのお小遣いを下げることを決めつつも、手羽も反省。


11月9日(木)
助手さんから「小学生の描いた絵を集めてて、お子さんに描いてほしい」と頼まれたんです。
「何枚かの動物や生物の写真を模写させ、小学生の空間認識能力を見る」という研究だそう。

小5のあかりちゃんはいつもクロッキー帳にイラストを描いてる子で、

これなんてアニメ「ボールルームにようこそ!」第15話を見た直後にサラサラっと描いた絵。
ほんとにこういうカットがあるんで、奥さんと「え!?何も見ずにこれを描いたの!?キタコレ!」とびっくりし、現在冷蔵庫に貼ってあります(笑)
だから喜んでやるだろうと家に持って帰り、「この写真を見ながら、軽くサラサラっと描いてよ」とお願いしたら、「でも、お父さんやお母さんの方が絵がうまいんだから、二人が描けばいいじゃん」と言われてしまい。

「小学生じゃないと意味がないんだよ」とお願いし、なんとか描いてもらったんだけど、子育てって難しいなあと思った瞬間でしたね。
ことあるごとに「パパとママは倍率がめっちゃ高い頃の美大卒で、絵もうまい」と自慢してるし、実際奥さんは「いらすとや」レベルのイラストなら何も見ずにサクっとうまく描けちゃうし(手羽は苦手)、あかりちゃんと一緒にこっそり美大主催ワークショップに参加すると、あかりちゃんも褒められつつも「お父さん、なんかやってました?素人さんではないですよね?」と言われてしまう、いつも本気(とかいてマジ)、大人げない手羽なわけで、親の背中をみながら美術が好きになってくれたらと思ってたんだけど、「あ、逆効果だったんだな・・・」と猛省した瞬間というか。

そういえば、6月から社会連携チームにやってきたABさんは10年前広報課時代に一緒だった人なんですが、つい最近「手羽さんの前では絵を描かないようにしてるんです」と言われて。
ABさんが描いたミーフィーちゃんを当時の手羽が「へー。ミーフィーちゃんをこんなへたくそに描けるんだね」と言ったのがトラウマになってるそう・・・手羽全然覚えてないんだけど・・。
10年前の手羽は今よりもナイフみたいにとがってて触るもの皆傷つけてたからなあ(嘘)
これも反省。


11月11日(土)
リンクロウの高校で保護者対象に「大学へ行こう!」という話をしてきました。

「自由な校風・生徒尊重」として有名な私立高校。
リンクロウが自分で探していくつかの高校のオープンキャンパスへ行ったはいいけど、決め手がなくどこにするか迷ってた時に「あ、●●高校があるじゃん。多分リンクロウ向きだよ」と連れていったら一発で気に入った高校だったりします。
話題になってる「髪の毛は黒」なんてありえず、髪が赤とかピンクとかピアスしてる子が普通にいるけど、それでいて荒れてるわけでもない不思議な学校。校風的に美大向きの子が育つ土壌なのか、毎年美大進学者も多く(ムサビも多い)、手羽も10年前の広報課時代に系統別説明会で何度か来たことがありました。
多分関東の美大関係者はここまでの情報でどこかわかるはず(笑)


で、奥さんがPTAの仕事をやってるもんで、「PTA主催で進路に関する企画をみんなで検討してる」と聞いた時に「美大の話だったらいつでもやるよ」と答えたんです。そして「11月11日にあんたにしゃべてもらうことになったから空けといて」と言われたはいいけど、よくよく話を聞くと、これがなかなか難しい依頼内容だった・・・。


まず、高校主催ではなく、PTA主催の保護者向け企画ということ。
「あ。高校生相手じゃないんだ・・」とそこで初めて気が付きまして・・。なんせそういう高校に自分の子供を入れようと思う親ですからね。ヒトクセもフタクセもある親(手羽含め)だから、普通の進路の話を求められてないのはやる前からわかる(笑)

そして、奥さんからこういう説明が。
「ある程度やりたいことが見つかってる子はほっといてもなんとかするもの。そうじゃなく、進路に迷ってて動けないでいる子をどうするか、がいろんな親の最大のテーマ。進路の話は副校長先生と進路担当の先生がするから、あんたは美大をモチーフに使いつつも、『とりあえずオープンキャンパスとかに行ってみるとこんなことがわかりますよ』的なファーストステップの話を親にしてほしい。タイトルは『大学に行こう!』。だからあんたの肩書は『美大愛好家・手羽イチロウ』のペンネームじゃなくて実名で『在校生保護者』と表記するから」と。

確かに「親」からするとそうなんですよね。
今は将来の選択肢が多すぎて、なおかつ入試も多様化してて複雑すぎる。リンクロウも将来何をやりたいのか決まっておらず、そう、まさに決めかねていて動きがとれない状態に入ってる一人。その子たちに「美大は素晴らしいですよ!」とやっても意味がないのは「親」として重々わかってるし、そういう子たちに親がどうしたらいいのかもわからない。
親目線じゃないと生まれない企画であり、大学では思いつかないすばらしい企画だと思いました。

でも、すばらしいのはわかるのだけど、2時間ぐらいは平気で美大ネタをしゃべれる美大愛好家の手羽に美大ネタを封印させるってのは、翼をもがれたエンジェルみたいなもので。
たかだが15分のプレゼンなんだけど、どういう内容でいくか、今までで一番苦戦したスライド作りになりました。ちゃんと話を聞いてから受けるべきだったとおおいに反省・・。

予想以上の参加者で、奥さんからは多くても80人ぐらいだろうと言われてたんだけど、150人以上参加される会になり。

結局、「自分が高校生の親だったら、どういう話を欲してるかな?」というアプローチで考え、「大学職員」「美大愛好家」の立場で「大学の本質的な学び」、それと妙に大学に詳しい身内保護者の立場で「大学説明会では絶対大学が話さない(話せない)話」にしました。
あ、身内だからやれる話メインだったんで、この記事本文で使ってる写真2枚ともテキストは加工して消してます(笑)

依頼内容を勝手にアレンジしたんでちょっと心配だったけど、それなりに受けてたのでとりあえずは成功だったかしら。
終わった後に保護者の方から「今度美大の話をやってください」とか「高3の子が今年美大受験するんで手羽さんの記事をいつも読んでますよ」とか「上の子が美大受験する時に手羽さんのブログを参考にしました。今は楽しそうにタマビに行ってます」とか何人かから声をかけていただいたのが嬉しい限り。



以上、次は11月末に多摩アカデミックコンソーシアムのSD研修で10分プレゼンしなくちゃいけないんで、それに向けて頑張る手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。