2019年GW10連休の最終日5月6日(月)、ムサビは授業日でしたが手羽は
東京ガーデンテラス紀尾井町にいました。
東京ガーデンテラスにはYAHOO!JAPAN本社が入居してて、そのセミナールームで行われたのが、
第6回Xデザインフォーラム「フィンテックとデザイン、経営とデザイン」です。
Xデザインフォーラムについてはこちらをご覧ください。
■超江戸社会とクリエイティブイノベーション【「フィンテックとデザイン、経営とデザイン」も】
あ、会場で「もしかして、手羽さんですよね?」と工デOBに声をかけられたんです。
デザイン経営とムサビ新大学院に興味を持ってたから「6月10日に市ヶ谷で相談会があるよ。行ってみたら?」と伝えたけど、相談会(クリエイティブイノベーション・オープンラボ)は6月7日だった・・・これ読んでくれるかな。。
午前はワークショップで、
東海大学の富田誠先生や常葉大学・安武 伸朗先生、専修大学・平崇仁先生が担当されたのが、参加と協力を促す「デザインゲーム」を知って、作ってみるワークショップ。
「ゲームデザイン」じゃなく「デザインゲーム」。
どんな内容だったかは、富田先生のスライドシートが公開されてるんでそちらをご覧ください。
■デザインゲームワークショップ / Xデザインフォーラム
参加型デザイン(Participatory design)は、1970年代、スカンジナビア半島を中心とした北欧で、労働組合と労働者のパートナーシップを形成することを目的に、政治的な対話の場を設置するため、デザイナーがゲームやツールをが開発したのが起源と言われてます。
そしてデザインゲームは、アメリカの建築家、都市計画者、住民たちによる活動の中で生まれ発展してきたもので、実生活の一場面を取り出し問題の本質的な部分を検討する問題解決型シミュレーション・ゲーム。その過程から「複雑にからみあう現実を理解すること」「価値観の違いに気が付き共同的意思決定をしていくこと」が効果にあります。
・・・って、引用されてる「まちづくりゲーム―環境デザイン・ワークショップ」には確実に視デ・齋藤啓子先生が関係してますね。
最後の先生のまとめで印象的だったのは、「考えたキーワードをどうマッピングのフレームにおさめるかを考えてしまうけど、フレームにはまらないものこそ本質があるかもしれない」という言葉でした。
確かにマッピングできるものは「既にある程度考えが整理できている」「既存の区分に当てはまるもの」であり、「そうじゃないものがなんなのか」も大事にしないとな、と。
いつものごとく、面白いワークショップありがとうございました!
そして午後となります。
午後はレクチャー2部構成で、第1部のテーマは「フィンテックとデザイン」。
ファシリテーターはXデザイン研究所の浅野智さん。
最初はマネーフォワード 取締役執行役員・Fintech 研究所長の瀧俊雄さん。
テーマは「フィンテックと変革」。
テーマがフィンテックで登壇者が所長。
小難しい話を覚悟してのぞんだのだけど、「太ったなーと思ったらライザップを検索するよりも体重計に乗るでしょ?そういうことです」とすごくわかりやすい言葉で話をされ、今回の登壇者の中でもっと聞きたかったのが瀧さんの話でした。新大学院よりも新学科の学生さんに聞かせてあげたかったなあ。
二人目はヤフー(株)コマースカンパニー 金融統括本部開発本部デザイン推進室/事業推進本部 事業推進部)の大塚敏章さんで「もしも、あなたがフィンテック業界に今入ったら。」。
フィンテック業界1年目のUXデザイナーが感じてる規制の壁・構造的な壁・セキュリティの壁・人の壁等を正直な言葉で語ってもらいました。
3人目は、楽天カード(株)編成部 プロモーションデザイングループ マネージャーの田中健二さんで「ユーザーエンゲージメントを高めるUI/ UX」
Yahoo! さんと楽天さんから同時に話を聞けるってのが、こういうセミナーの醍醐味ですね。
グラフィックレコーディングされた方がいらっしゃったので、内容はこちらをご覧ください。
Xデザインフォーラム、フィンテックとデザイン第一部。フィンテックの動きは激動してて楽しい。決済が変われば認証もデータもやれることもめっちゃ変わるよね。 pic.twitter.com/YvZelQHQlR— azumi (@azumi0812) 2019年5月6日
まとめディスカッション。
「財布を押さえるのとボードを取るのは違う。消費者メリットがあるかどうか」など。
今年10連休ゴロゴロしながらおもったんだけど、TSUTAYAが「ゴロゴロしてる人に代わりに●●してもらうサービス」ってサービスやったら需要ありそうだな、と。
子供をあずかるとか、荷物を承けとるとかプラモデル作ってあげるとか。
TSUTAYAに行くってことは家で暇してる可能性も高いし家が近所ってことだし身分もはっきりしてるし支払いもTポイントでできるから気楽。
どうでしょ。
第2部のテーマは「経営とデザイン」で、ファシリテータは山崎先生。
最初は経済産業省 クールジャパン政策課 デザイン政策室の菊地拓哉さんが「デザイン経営」宣言の概要とその後の展開について説明されました。昨年度のデザイン業界の最大の話題はやはり「デザイン経営」宣言じゃないかと。「『デザイン経営』宣言をお読みになった方はいらっしゃいますか?」という質問に、ほとんどの人が手を挙げてました。
「特にアカデミックな方面から『デザイン思考』とか『デザイン経営』とかそんなの30年前から実践しとるわい!と冷ややかなご意見を沢山もらった。確かにそうだけど、ビジネス、世界のスタンダートに流通していただろうか?」と。
私も今回の宣言で「いろんな業界の方に注目された」というのが一番大きいと思っています。
続いて、(株)コンセント代表取締役であり、ムサビクリエイティブイノベーション学科の長谷川敦士さんから「ビジネスをリードするデザイナー像」という話。
「デザイン経営」宣言から「高度デザイン人材(デザインを基軸にしてリーダーシップをもってビジネスの中核に立てる人材)が必要」となり、作られたのが高度デザイン人材育成研究会で、山崎先生と長谷川先生がボードメンバーでもあります。
現在公開されてるレポートから更に議論が展開されたそうなので、もうすぐ公開される最終報告書を待ちましょ。
最後は 同じく高度デザイン人材会ボードメンバーでもある日立製作所・主管デザイナーの丸山幸伸さんから「日立における経営とデザイン」というタイトルで、日立さんが行ってきたブロックチェーンパターンブックなど事例紹介を中心に。
丸山さんについては・・手羽の記事に何度か登場してるのでそちらをご覧ください(笑)
■【肩たたき券とシーブリーズ問題】日立×ムサビ共同アイデア創出ワークショップがスタートした!
■【デザインがデザインであるために】「第2回 社会をクリエイティブにデザイン」に行ってきた(メディア芸術祭も)
第2部もグラフィックレコーディングが上がっています。
Xデザインフォーラム、高度デザイン人材育成について。ここは小学校でのとりくみ、ほんとに色んな企業や学校で切実な声をきいていて、いっしょに考えてつくっていかねばと改めて思いました。 pic.twitter.com/iqN2JeSqt5— azumi (@azumi0812) 2019年5月6日
まとめディスカッション。
「日本らしいクリエイティブ力とは何か?」という質問に、それがいいか悪いか抜きにしてを前提に「全部を言語化しなくてもムードを共有してビジョンを作れる」「ボトムアップ型文化(多様性を活かした形)だからクリティカルシンキング、スペクラティブデザインが苦手」「青空シナリオでふんわりなものでも前に進める」等々。
「青空シナリオ」というフレーズが手羽のお気に入り。
締めは山崎先生で、この後のポスターセッションやXデザイン学校のご案内。
このポスターはこちらの方ですね。
■デザインスキルについて研究してみた|Toshiya Sasaki @toshiyassk|note(ノート)
あっという間のインプットの1日でした。
Xデザインフォーラムは毎年GW最終日に開催されるんですが、「次の連休まで頑張ろう」というモチベーションになりますね。
あ、今回のテーマに興味をお持ちの方、もしくは「5月病になりそうだからモチベーションをあげたい」という方は、最初に紹介した今週5月10日(金)にムサビ市ヶ谷キャンパスで開催されるこちらのイベントもどうぞ。
■超江戸社会とクリエイティブイノベーション|ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ
以上、昨日10日ぶりに職場に行き、 会議から帰ってきたら
机の上に皆さんのGW土産がお供え物のように置かれてた手羽がお送りいたしました。
あ、手羽のGW土産は「滋賀」と書かれてますが、紀尾井町で買ったものですので・・・>スタッフの皆さん。
次はアウトプットが待ってるので、今週もう1回更新したらしばらく休みます。
美大関係者各位。今週末に恒例の「全国美大オーキャンスケジュール一覧」を公開するので、まだ日時や画像を出してない大学さんはお早目に。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。