【こんな好立地で1泊2000円!】武蔵野美術大学 奈良寮に行ってきた

2018年8月22日(水)

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家族で奈良・京都旅行に行ってました。これまでの話はこちら。
【その1】手羽プロデュース奈良・京都古美術研究会へ行ってきた
【その2】手羽プロデュース「コテコテ奈良・京都古美術研究会」に行ってきた


実は今回の旅行の最大の目的は、ここに泊まることでして。

武蔵野美術大学 奈良寮です。
過去にはフェノロサや岡倉天心も奈良寮を訪れているそう。

この奈良寮は、国宝や重要文化財の仏像修復に大きな功績を残した故 新納忠之助氏の旧宅だったもので、それをムサビが譲り受けました。明治初期に建築された畿内地方特有の大和棟高塀造の民家で、昭和58(1983)年以来、主に古美術研究、略して「古美研(コビケン)」のための宿舎として保存・活用しています。毎年京都・奈良の古美研をやってるのは油絵学科と共通絵画・・あ、日本画学科もかな?
タマビも奈良に飛鳥寮(2015年に全面改修工事してきれいになりました)があるけど、飛鳥にはなく(激白)、交通の便もあんまりよくないんで古美研の拠点にするにはちょっと不便なんですよね。


奈良寮にはムサビ生・卒業生・教職員であれば宿泊することができます。
手羽は学生時代に使ったことがなく、10年前ぐらいに家族で一度だけ。6年前の例のホモ旅行の時にも来たけど突然だったから中さえ見れなかった(涙)

昭和63(1988)年に出来る限り本来の姿に戻す改修工事を行い、藁ぶき屋根の葺き替え、食い違い四間取り、煙出し付釜屋と機屋を復元しました。7年前ぐらいにも大幅なセメタリー棟の改修工事をしています。これらの復元改修工事は、祇園祭山鉾連合会顧問でありムサビOBの吉田孝次郎さんのご尽力によるもの。なかなか貴重な建物と立地的に改修手続きが難しいんですよ。


中庭から動画を撮ったので、建物の配置関係などはこちらをご覧ください。


順番に説明していきます。


  • 中庭側から撮影

ここは土間がある建物。


  • 土間はこんな感じ。後ろに見えるのは新納氏によるエジプト壁画


  • 古い機織り機なんかもある

ちなみに入り口の門はオートロック。古い木のドアに見えて実は最新式なんです。
理由は後でわかります。

こちらは宿泊棟。
基本はこの建物に宿泊します。


  • 食い違い四間取りで4室あります


  • ちなみに奈良寮にはテレビもPCもなければwi-fiもありません


  • 2階は物置になってて立入禁止


  • そしてコンセントもほとんどないので、4人以上で行く時は電源タップ持って行った方が便利

管理人さんの話だと、先週も油絵学科の古美研があって40人ぐらいが宿泊したそう。今夏は40人クラスが3回続いたそうで大変だったとおっしゃってました(笑)
ちなみに管理人さんは奈良寮に住んでるわけじゃなく、6軒隣の方に管理をお願いしています。なのでご利用の際は手土産持って行った方いいですよ。

写真の通り、隣の部屋との仕切りは障子だけでセキュリティは一切ありません。だから玄関が最新式オートロックなんですね。今回は手羽家だけしか泊まってなかったけど、他の家族が隣の部屋に泊まる可能性もあるので、そういうのがダメな人は利用しない方がいいかも(部屋を選ぶことはできません)

といっても学生・教職員なら1泊2000円、卒業生2500円、朝食つけても3000円以内でこんな便利な場所に泊まれるんだもん。浮いたお金で豪華な食事やお土産を買えると思えばここを選ばない理由はないっすね。

中庭側の廊下を歩くと

そこがセメタリー棟。
お風呂やトイレがある建物で、7年前ぐらいに大幅な改修工事を行いました。


  • もちろんトイレはウォシュレット。ムサビはトイレには力を使う大学で(笑)


  • 昔は大浴場だったけど利用度を見て、個室シャワーメインに切り替えました


  • 洗面所


  • 家庭サイズのお風呂も一応あります。


  • シャワーとお風呂の利用は22時までなんて気を付けてね


  • 寮だけあって、大人数が使える洗面所もあります

バスタオル、歯ブラシなどはないのでご持参ください。
手羽家も出かける直前に気が付いて、バックにタオルを突っ込みました。

奈良寮の特徴はこの蔵かもしれません。
なんと蔵に泊まれるんです。


  • 手羽も蔵の中を見るのは初めて。


  • 1階。あ、かなり広いんだな。


  • 2階もあります


  • 2階もきれい。

「あの4室に男女40人宿泊」って厳しいと思ったけど、これなら大丈夫か。

そしてこちらが母屋。ここでご飯を食べたりします。
奈良寮は全面禁煙でして、母屋にだけ喫煙所があります。


さて奈良寮の立地ですが、

奈良県奈良市雑司町59−1
という住所で、

東大寺(大仏殿)まで徒歩10分ぐらいの好立地にあります。
東大寺は7時30分には開いてて、その時間だと観光客もいないから朝散歩がお勧め。ただ奈良寮の朝食は朝8時厳守なので、7時30分に入場し7時45分には出ないとアウトだけど。

奈良公園にはいつでも入れますが、鹿せんべえは8時か9時にならないと販売してないそうなんで、あかりちゃんみたいに「センベエを鹿にあげるのが夢」ってことだと朝食後に行くことになります。先日の記事では流れ上、7時30分からそのままセンベエをあげたように書いてますが、一度寮に戻って朝食食べて9時ぐらいに出直してます(笑)

おっと大事な情報を書き忘れてた。
奈良寮には駐車場はありません。また周りは完全な古い住宅街なので短時間の停車も迷惑をかけることになります。
大通りにいくつかコインパーキングがあるのでそこに止めましょ。といっても奈良・京都のコイパは観光客用に「1回●円」というところが多く、一晩止めても1000円以内が相場かな。長時間利用だと東京よりもだいぶ安い印象です。


今回細かく書いてるのは、大学のWEBには
厚生施設の利用
利用手続きしか書かれてなくてちょっと不便だったんです。タオルがあるのかも書いてなく。「パンフレットを取り寄せてそれを読め」って話ですが、ネットで検索してもあんまり奈良寮の情報ってないんですよね。
次利用される方のために役に立てば。

あ、新納氏についてはこちらに詳しく書かれているので、行く前に読んでおきましょ。
埃 まみれの書棚から~古寺、古佛の本~(第二百十五回)
かなりすごい人だってのがわかります。


以上、京都駅で

こういうディスプレイを奥さんが見つけ、「これすごいね」というので「京都造形さんの事業だよ」と教えると「ムサビは大丈夫なの?もっとこういう派手なことやるべきなんじゃないの?」と言われた手羽がお送りいたしました。


これにて奈良・京都レポートは終了。
あかりちゃんの自由研究を仕上げないといけないんで、更新は今週末までお休みします・・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。