今年で9回目となるこちらの情報を今日は紹介!
■【学部3・4年生、大学院生限定】東京工業大学との合同ワークショップ参加者募集
●日程 :2018年7月31日(火)~8月4日(土)15:00-19:00
●場所 :
7月31日~8月1日 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
8月2日~4日 東京工業大学 大岡山キャンパス
●対象者 :学部3年生以上、大学院生 ※ ファインアート系の学生も大歓迎!
●募集人数 :15名 ※ 希望者多数の場合、抽選
●担当教員 :
東京工業大学 野原佳代子教授(環境・社会理工学院)
武蔵野美術大学 袴田京太朗教授(油絵学科油絵専攻)|古堅真彦教授(視覚伝達デザイン学科)
●募集期間 :6月1日(金)~11日(月)23:59
●参加条件 :
(1) 全日(5日間)参加可能な方
(2) 時間外に制作等を行うことがあるため、終日予定が入っていない方
●待遇:交通費として、1日1,000円支給します
●申込方法 :メールの件名に「東工大合同WS参加希望(名前)」と入れ、本文に
(1)学籍番号・学科/コース・学年
(2)名前(ふりがな)・性別
(3)電話番号
(4)アピールコメント
を記入の上、kenkyu◎musabi.ac.jpまで送信してください。(◎を@に)
●採用発表 :採用者のみ6月14日(木)23:59までにメールにて通知します。
●主催 :東京工業大学 サイエンス&アートLab Creative Flow|武蔵野美術大学 社会連携チーム
●協賛:楽天ビューティ
「コンセプト・デザイニング」という授業名から、そして「東工大と」ということもあり、「グループで電子工作やるの?」「ファインアート系は関係ないんでしょ?」と思われがちで。
確かに一般的な「理工系と美大の合同授業」だと「中身やシステムを理系が考え、外側を美大生が作る」なステレオタイプ的な手法でやってることが多いかもしれません。言い方変えるならこれって「コンセプトは頭のいい僕たちが作るから、美大さんはガワのデザインだけ考えて」で、「●●美大と△△工業大学が締結しました!」と発表してても、やってることは△△工業大学に作品を展示するだけだったり、ポスターを美大生が作ってあげることだけだったりするのね。
相手が「デザイン」の本来の意味を理解してくれてない証拠であり、美大も「それでいいや・・うちらバカだし」で終わってたからかもしれません。
この合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」は、大学混合編成で進められるグループ型造形ワークショップで、ひとつのテーマ(お題)から議論によってコンセプトを構築し、簡単な造形デザインを作りプレゼンします。
最終アウトプットの完成度はあまり求めてなく、コンセプトにたどり着くまでの相互コミュニケーションによって、理工系と美術系では思考や言語の「何が違うのか」または「違わないのか」、 そこから自分に必要なもの、または相手に補完してもらいたいものを感じてほしいと思っています。
「『違い』を感じつつ、理工系思考とデザイン思考とファインアート思考をごちゃまぜにしたクリエイティブ思考を使ったコミュニケーション中心の課題発見・課題解決型授業」とでもいうか。
ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業は他にないはずです。
もちろん「美大のデザイン力と理工系の技術力で」という部分も必要なんだけど、それだけで終わるのはもったいないし、「美大生の思考力はかなり優れているし、今社会が必要としてるのはそれじゃね?」というのが私たちのスタンスです。
理工系を中心としたいろんな大学で「どうやったらデザイン思考を取り入れられるか?」というのを研究されてます。東大さん然り、京大さん然り、東工大さん然り、SFCさん然り、法政さん然り、芝浦工大さん然り、千葉工業大さん然り、電通大さん然り。
でも美大からすると「え。これまで普通にやってたこれがデザイン思考だったの?」だし、「デザイン思考だけでは改善・解決はできても革新的なイノベーションは生み出しづらい」という問題点が明らかになっています。
実はファインアート系の思考の方が0を1にする可能性を持っていて、ムサビとやるからにはまだ他理工系大学が気が付いてないそれを東工大さんに知ってほしいし、逆に東工大さんが普通にやってる思考・言語を私たち美大は吸収したい。
なので、「デザイニング」なのにムサビ側は視デ・古堅先生、建築・鈴木先生の他に油絵学科の袴田先生も担当してもらったりしています。
ちなみに「デザイン系とファインアート系の教員が同じワークショップを担当する」というのは、他美大さんでは意外と難しく、たぶんタマビではできません(笑)
これをやれるのがムサビだったりするわけで。
通常の「コンセプト・デザイニング」だと、「●●で社会問題を解決しなさい」的なお題になると思いますが、「コミュニケーション」「展開」「発想の飛躍」が増えるようにあえてフワフワしたお題を出しています。
毎年出してるお題を例に挙げると、
「想いが伝わるラブレター」
「オトナとコドモ」
「くりかえす」
「ながいもの」
「恋」
てな感じ。かなり美大寄りのお題かも(笑)
なのでデザイン系だけじゃなくファインアート系の学生さんもウェルカムなのです!
ちなみに東工大からは「普段は惑星学やってます」「原子力を研究してます」な学生さんが参加していて、ムサビ油絵学科生が「その研究で暮らしていけるんですか?」と心配する場面があったり、逆に東工大生は「彫刻で生きていきたい」という人に会うのは初めてだったりします。
どんな感じでやってるかはこちらをご覧ください。去年の様子です。
■東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2017」スタート!
■【1000円で何を買う?】東工大×ムサビ合同ワークショップ2日目!
■【中間プレゼン】東工大×ムサビ合同ワークショップ3日目!
■【テーマは恋】東工大×ムサビ合同ワークショップ最終プレゼン!
ほら、ファインアートの人も怖くないでしょ?
そして!!
今年特筆すべき点は、2012年6月よりスタートしたオンライン美容院予約サイト『楽天ビューティ』さんがスポンサーについてくれたことです。
おかげさまで今回はムサビ生に交通費を出ることになりましたっ!!
大岡山って微妙にムサビから遠くて(ぼそっ)
美容を通してEmpowermentする(力づける、活気づける)ことをミッションとする楽天ビューティさんは、楽天株式会社の中でも比較的新しい中規模の事業で、大企業の安定感がありつつも、スピード感やボトムアップアプローチを重視するベンチャースピリットを兼ね備える事業部です。サイト運営にとどまらず、ファッションイベント「Girls Award」の企画などリアルイベントもされています。
「東工大との合同WSといっても誰もがイメージする『最新のAIを使った洗練されたプロダクトデザイン』なんかできません。それが目的じゃないんで。多分アウトプットもフワフワしたものになるはずです」と説明すると、多くの企業さんは「そんな産学って意味あるの?」と理解してもらえないのですが、楽天ビューティさんはこの思考中心の合同ワークショップにすぐに興味を持ってくれまして。
イノベーション精神があり、発想が柔軟で、「デザイン」の本来の意味を知り、若手育成を大事にしてる企業さんじゃないと、こうはいかないんですよね。さすが楽天グループというか。
てなわけで、やらない理由が全く思いつかないこのコンセプト・デザイニングにムサビ生は申し込むのだっ!!
以上、明日からムサビオープンキャンパス告知シリーズスタートする手羽がお送りいたしました。
宣伝してほしい企画があったら教えてね。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。