【遠くのムサビより近くのタマビ】校友会について考える

寝室のエアコンが壊れた手羽です(涙)

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無事に名古屋での校友会行事が終了しました。
2日目は午後が校友会総会でしたが、午前は、

支部長さんや本部、大学教職員が混ざってのMSBサミットがおこなわれました。
「せっかく全国から支部長さんや大学関係者がこの場に集まってるのに、一方的に報告を聞く会じゃもったいないよね。いろんな問題やアイデアを共有しようよ」てなことで、2012年からワールドカフェ形式のグループディスカッションをやるようになったのです。


これはムサビだけではないだろうけど、校友会支部も様々な問題を抱えています。
いい機会なので、「校友」としてちょっと自分の考えをまとめてみました。


今までいろんな校友の方から話を聞いてきて、だいたいポイントは5つなのかな、と。

まずは「高齢化」
ムサビももうすぐ90周年。歴史のある大学ってことはそれだけ校友も高齢になってきてるということで、なかなか若返りが進んでいない現状がある。逆の立場でいうと、地方だと「重鎮」が存在して若手が入る隙間がないことも。


二つ目に「仲間を作ることのメリットは何か」
デザインや建築系だと連携することで自分の仕事なりにメリットが発生することもあるけど、ファインアート系だと基本一匹狼なので一緒に活動するメリットがほとんどない。地方で美術教室を開いてる人だと「ムサビ校友会●●支部長」という肩書があると少しいいことがあるかもしれないけど。
逆に支部展はファインアート系は出品しやすいけど、デザイン系や映像、情報系は出品しにくい。会員数が多くても支部展や支部活動に普段から参加してるのはいつも同じメンバー10人ぐらい・・なんて話はよく聞きます。
手羽ももし実家に帰ってたら、福岡支部の活動には参加してないだろうなあ・・・。


3つ目に「卒業しても地元に帰らない」
校友会支部の方からよく言われるのは「大学はもっと地元に卒業生を就職させてほしい」です。そうしないと若い校友も増えない。
でも地元を捨てた手羽がいうのもアレですが、東京の美大に行きたいと思った最大の理由が「こんな寂れた老人しかいない田舎にいても仕方ない」で、地元が元気だったら、就職口があれば自然と戻るわけで・・。


4つ目に「ボランティアの限界」
校友会活動はお金をもらってやってるわけじゃなく、完全なボランティアとしての活動。そこが他校友に理解されてなく「支部長なんだからそれをやって当然!」と言われる。「やらないとは言わないけどこっちも仕事があるから、ちょっとは手伝ってくれてもいいのに・・」という問題。
また高齢化とも少し関係しますが、校友会みたいなボランティア活動だとお金と時間をかけないためにはネットの利用が非常にありがたいんだけど、「インターネットは使ってないからFAXで送れ」「郵送しろ」と言われてしまうことがある。ほとんどがそうならまだあきらめもつくけど、たった1,2人のために莫大な時間を使うはめになり、ちょっともう勘弁して・・とか。


そして、5つ目に「そんなに校友はムサビに興味がない」
そんなにムサビ好きなOBOGが多くないっていうね(笑)
最近、60代ぐらいの校友に「黒板ジャックとか旅するムサビが・・」と話したら「何それ?」と言われました。これだけメディアに取り上げられてる、今はムサビの代名詞ともいえる活動を知らないって、情報を拒否してるとしか考えられないのだけど、でも60歳から上の校友は必ず「大学は校友にしっかり情報を発信していない」と怒るんですよね・・。それはもともと興味がないからじゃないかと・・。

でも感覚として、オープンキャンパス以前と以降の卒業生で、ムサビへの興味度(好きか嫌いは抜きにして)が大きく分かれるような気がしてます。
最近は多くの人がオープンキャンパスを見て「ああ。ムサビってよさそうだなあ」と思って受験してる。昔は「受験前に大学を見学する」なんて発想自体がなかったですもん。
また、オープンキャンパスは視覚伝達デザイン学科やデザイン情報学科のように学生主体で「大学・学科広報」をやってたりするんで、ムサビ・自学科への理解度や愛着は昔よりできてるかもしれない。他だと芸文や建築なんかもそうですね。
「ムサビに興味をもって受験する人」「興味をもってる在学生」、つまり自分からムサビの情報を入手したいと思ってる人が昔より格段に増えてるんじゃないか・・というのが手羽の推測です。オーキャンの副作用ともいえます。
オープンキャンパスはこの15年ぐらいのイベントなので、それ以前の校友からすればそれこそ「オーキャン?何それ?」だし、全く興味のないイベント。芸術祭もいいのだけど、大学が公式にやってるオープンキャンパス、学生自ら「●●学科はいいですよ」と広報してる姿を校友には見にきてほしいのだけど、オーキャン以前世代にはそれが通じなくて・・・。

と、ここまで書いたところで「・・・これって校友会というよりそのまま『地方』の抱えてる問題だな・・」と気が付きましたが先に行きます。


さて、「迷った時は理念に戻れ」という言葉があります。大学史で学んだ言葉(笑)
理念・目的はどこに書かれてるかというと、実は組織の規則の最初の方に必ず書かれてるもんなんですね。
その組織を作った人たちがどんな想いでそれに至ったのかが書かれてるので、そこを読むと「本来の目的」を今でもちゃんと読み取れることができるのです。意外と気が付かないこと。

武蔵野美術大学校友会会則にももちろん書かれてて、
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第3条 本会は、会員相互の親睦を図り、会員と武蔵野美術大学との関係を密接にし、武蔵野美術大学の発展に寄与することを目的とする。
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とあります。
つまり、最上位目的は「武蔵野美術大学の発展への寄与」であり、そのための第2目的が「会員相互の親睦」「会員と武蔵野美術大学との関係を密接にする」。

んで、それを達成するための具体的な手段・目標は何があるか、を書いたのが第4条。
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第4条 本会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行なう。
(1) 会報および会員名簿の発行
(2) 研究会および講演会の開催
(3) 在学生への援助および協力
(4) その他本会の目的を達成するために必要な事業

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つまり、会報を作ったり講演会を開いたり支部展をやったりお酒を飲んだりして校友同士が仲良くなることは、目的を達成するための「目標・手段」なんですね。
でも校友会の最上位目的・理念は「武蔵野美術大学の発展への寄与」なんです。

んで、「じゃなんでムサビが発展しないといけないのか?」だと、「母校が元気ないと悲しいよね」という考えももちろんあるけど、今度はムサビの学則に書かれてます。
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第1条 武蔵野美術大学(以下「本学」という。)は、美術、デザイン及び建築に関する学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の技能、理論及び応用を教授研究し、人格の完成を図り、個性豊かな教養の高い人材を育成し、もつて文化の創造発展、国家社会の福祉に貢献することを目的とする。
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つまり文化の創造発展、ついては国家社会の福祉の貢献のためにムサビは元気じゃなくちゃいけないのです。


ということを踏まえると。

ムサビに興味がない校友に無理やり協力してもらって文句を言われるより、母校に興味がある、芸術の今の状況をなんとかしたいと思ってる地方のタマビや女子美さんの校友と積極的に一緒に活動した方がいいんじゃなかろうか、と個人的には思うのです。

受験生がいっぱいいる頃、景気が良かった頃は文化の創造発展を考える人もいっぱいいたけど、子どもも減り始め、学校での美術の時間数が減り、「芸術文化の発展より経済でしょ」となってる状態では、もうムサビタマビと言ってる場合じゃない。
約10年前に手羽が「美大日記」「美大ブログサミット」「ムサタマトーク」という活動を始めたの理由がまさにこれだし、最近は4美大校友会という動きも始まりました。

「遠くのムサビより近くのタマビ」の方が「校友会の目的達成」、そして「ムサビの目的達成」のためにはいいんじゃないかと、なんとなく。


以上、そんなことを帰りの名古屋駅で

テバ製薬の看板を見ながら東京に戻った手羽がお送りいたしました。
テバではなくテヴァ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中