東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2017」スタート!

2017年7月26日(水)

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昨日7月25日(火)から武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで、恒例となった東京工業大学(東工大)とムサビの合同ワークショップ授業「コンセプト・デザイニング2017」がスタートしました。

この「コンセプト・デザイニング」は、2011年に東工大の(当時)留学生センター・人間行動システム専攻の野原先生とムサビ・デザイン情報学科の井口先生によって「デ情生と東工大生」という組み合わせで実験的にスタートし、「これは面白くなるぞ」とわかり、2013年に両大学は連携協定締結。
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました
以降、ムサビは「全学科3年生以上対象」、東工大は「大学院生」で募集をかけ、各10名合計20名で行うワークショップに変化し、ムサビ側はファインアートから油絵学科の袴田先生、デザイン系から視覚伝達デザイン学科の古堅先生が担当するようになりました。
(あ、それと建築の鈴木先生も)


  • 東工大の野原先生。 東工大さんは2016年から学部と大学院を統一した「学院」制度という、かなり大きな教育カリキュラム改革・改編をスタートさせました。

「コンセプト・デザイニング」授業は、通常だと(手羽の解釈だけど)「コンセプト自体を設計するデザイン思考型授業」を表します。でも、それならどの大学でも・・・極端な話、一般大学・総合大学だけでできることで、わざわざ東工大はムサビとやる必要はありません。コンサルの専門家が中心となって「いかにデザイン思考がすばらしいか」を学ぶ授業をSFCさんあたりと一緒にやった方が効率的。
また、「理系と美術系の合同授業をやろう!」となると、どうしても「理系とアートの融合!中身を理系が考え、外側を美大生が考えるぜ!」なステレオタイプ的な方法になりがちだし、「理工系と美大の連携」といいつつ「理工系の大学に美大生の作品を展示」しかやってない大学が多いのも事実です。そのアプローチは否定しませんが、「美大の学びの本質」はそれだけありません。

せっかく美術・デザインの専門大学であるムサビがファインアートもデザインも関係なく全学科動員してやってるので、このコンセプト・デザイニングでは単なる「デザイン思考」「ガワを美大が作る」なものではなく、もっと踏み込んで、「理工系思考とデザイン思考とファインアート思考をごちゃまぜにしたコミュニケーション中心の授業」をやるようになったのです。


  • こちらは視デの古堅先生。でも明日からゼミ旅行に旅立つので真っ黒になって最終プレゼンに参加されるはず(笑)

アメリカでは1990年代、日本では2000年に入ってからでしょうか。国際競争力を持てる人材育成のためにScience、Technology、Engineering、MathematicsのSTEM教育が叫ばれはじめました。でも「いや、それだけじゃダメで芸術的な創造力も必要だよね」とSTEMにArtsを入れた「STEAM教育」がこの数年で注目され始めてます。デザイン思考だけでは改善はできてもイノベーションは起こせず、実はファインアート思考が大事なことに皆さん気付きはじめているんですね。
そのファインアート思考を提供できるのが美大の最大の特権であり、東工大さんはムサビと合同ワークショップをやるメリットはここにあるんじゃないかと思ってます。


さて、この5日間の合同ワークショップでは、ざっくりと下記のような流れで行われます。

1)ある与えられたお題(問い)から
2)あらゆるコミュニケーション方法や発想法を使って、
3)コンセプトを構築(再構築)し、
4)なんらかの造形デザインを作り、
5)グループプレゼンテーションする


理工系と美術系では「何が違うのか」または「違わないのか」、 そこから自分に必要なもの、または相手に補完してもらいたいものを知ることができれば、一種の異分野コミュニケーション、グローバル人材教育、キャリア設計教育にもなるはず。
なので、学生さんには最初に「アウトプットの出来はそんなに問わない。様々なコミュニケーションを使って理解・補完しあうことを経験することがこのワークショップの最大の目的」と伝えています。
そのために通常の「コンセプト・デザイニング」だと「●●で社会問題を解決しなさい」的なお題になるはずですが、ここでは「会話」が発生しやすくなるようにできるだけ抽象的なモヤモヤっとしたお題(テーマ)を例年出すようにしてます。
5年前が「想いが伝わるラブレター」、4年前が「オトナとコドモ」、3年前は「くりかえす」、2年前は文字言語ではなく「■」という黒い四角のみ、そして去年が「ながいもの」でした。


さて、今年のお題の発表です。

です!(ドーン)
あ、念のために言っておきますが、このテーマを思いついたのは建築の鈴木先生で、手羽ではないので(笑)

あくまでも「お題」であり、これ以上でもこれ以下でもありません。ここからブレスト、連想ゲーム、言葉遊びをしながら広げてもらうことが醍醐味で、もちろん答えなんてないっす。
去年の「ながいもの」だと「物理的」「時間的」なアプローチができたので、今回の「恋」はどう形へ落とし込むかがポイントになるはず。一般論的な「恋」で終わらせたらつまらないし、どこまで発想を飛躍できるか。実はかなり難しいお題かもしれませんね。


学生さんには様々なコミュニケーション方法を使って、相手を理解させるように言ってます。
それは言葉だけじゃなくスケッチだったり、線だったり、数式だったり、イラストだったり、写真だったり、ジェスチャーだったり。

こういう時はポストイットにいろんなアイデアを書いてブレストしていくのが常套手段ですが、

ムサビ生はポートフォリオを見せてまず自分を理解してもらってた。これとっても大事。ポートフォリオは就活だけじゃなくこういうシーンでも使えるアイテムなんです。
「理工系の論文では説明図が必須だから、サラっと見やすいイラストを描ける人がうらやましい」と盛り上がってた。そういうもんなんですね。


  • Dグループはバイリンガルのグループ。英語でコミュニケーションしてました。

いやー、しかし、私たちがテーマ決めといてなんですが、

最近「恋」とか「LOVE」とか手で書いてないなあ・・・。
 

手羽は関係ないから(笑)
それともボクと恋してみる?(セクハラ)


以上、明日もこの話の続きを書きますの手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中