音・空間・人の豊かな循環を目指す。sonihouse こけら落とし「家宴-IEUTAGE-」

2015年11月21日、奈良県に新しいスペースが誕生しました。「sonihouse」は、音響設計・スピーカー製作を営む鶴林万平さんとグラフィックデザイナーの長谷川アンナさんが主催する企画でもあり、そのための開かれた場所。 今回もKABlogより、この新しいスペースを紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年11月21日、奈良県に新しいスペースが誕生しました。「sonihouse」は、音響設計・スピーカー製作を営む鶴林万平さんとグラフィックデザイナーの長谷川アンナさんが主催する企画でもあり、そのための開かれた場所。お二人は、スピーカーを媒介に音と空間、そして聞き手を有機的に結びつけ、豊かな音楽的循環を生むことをコンセプトに活動を続けています。設計・施工は、dot architectsアトリエカフエの協力のもと進められました。


  • 元寿司屋をセルフリノベーション。

sonihouseとは、音そのものを表す”sonic”とコミュニティの最小単位である家族の器となる”house”を掛け合わせた造語。フランス語でhouseはmaisonと言い換えられ、高い技術を有した職人が集まり、一貫した思想をもって作品をつくる工房という意味も含まれています。
構造は、1階の奥はスピーカー製作工房、2階はスピーカーのショールーム兼イベントスペース、3階は自宅。住む場所であり、作る場所であり、人が集まる場所として機能しており、音に関わる全てがここで完結するスペースとなっています。


  • 部屋のあちこちに設置されているスピーカーたち。


  • リノベーションの打合せでは、抽象的な絵画や音楽を用いてイメージを伝えて、意識を共有。解体が始まってからは、ほぼ即興的に作り上げたそう。


  • 「こだわったのは、家の延長でありながら音響が生きる空間作り。下足ではなく上足であがったり、スタンディングではなく座って楽しめるしつらえがなされています。」dot architectsの土井さん。


こけら落としとして、4週に渡って開催されている『家宴-IEUTAGE-』は、sonihouseの活動の原点でもある、リラックスできる”家”という空間で音と食を楽しむイベントです。良い音楽と美味しい食事からもたらされる時間は、人間の本質的な喜びを感じられる時間を生み出します。


  • イベントでは、演者と観客が一緒に時間を共有できるのが魅力のひとつにもなっている。


  • 2週目、山フーズさんによる鮮やかなケータリングメニュー

鶴林さん「私が作りたかったのは、音を育てていける場所。例えば、クラブのような商業スペースでは、音と人間は一時的な関係しか築けませんが、このsonihouseでは、営まれる日々の中で、時間の変化や季節の変化を敏感に察知しながら、”聴く”という行為が生活になじんでいくために、空間に対して音がどう変化を与えられるかを実験できる場でもあります。自分自身にとっても、常に家というプライベート空間に立ち戻りながら、音と丁寧に付き合っていける環境です。」


  • scenery

鶴林さんが作るスピーカーは、3種類。無指向性で自然な発音で音を再現する12面体の”scenery”、sceneryの音質を最小限の形で実現する14面体の”sight”、スピーカー設計の基本に忠実に製作した”view”です。どのスピーカーも、一般的なものと同じ位の解像度の高さがありつつ、指向性が広く、どの場所で聴いても同じ音質を保てるという機能を併せ持っています。

鶴林さん「全て、”風景”という意味を表す、scenery(景色)、sight(見る、視角)、view(眺め)という言葉を使い、見るという行為を意識して名付けました。音楽を聴いて、何かの風景が目に浮かぶことって誰にでもあると思うんです。音は風景や時間を再現してくれ、どこかに連れて行ってくれる窓のようなものだとも思うんですよね。このスピーカーが、音と空間と人を繋いでくれるような存在になり得て欲しいという願いも込められています。」


  • 「作ったものをここで試したり、音楽に関わりながら、この建物自体と一緒に活動していきたいです」と鶴林さん

鶴林さん「私たちの根底に流れているのは、音と音楽へのリスペクトです。今の時代、音って水のように特に意識することなく、簡単に消費されるものになりつつあると思うんです。受けっぱなしというか、流しっぱなしというか。iPhoneのスピーカーで聞いて、音楽を聴いたつもりになったりしている人も増えているように思います。しかし、アーティストには一音に対する思い入れがあり、私たちもその美意識に共感しています。こういう音で鳴って欲しいとか、聴きたいという感情を大切に感じること。その意識をもって音と丁寧に接することは、音楽に対する正しい見識やリテラシーの向上にも繋がると思うのです。音が安易に扱われている時代に対しての、ある意味カウンターなのかもしれません。」




▼概要


sonihouse
こけら落とし「家宴-IEUTAGE-」


開催期間:2015/11/21・11/28・12/5・12/12
開催時間:15:00-21:00
開催場所:〒630-8014 奈良市四条大路1-2-3
参加費:音の部・食の部を合わせて、¥5,500(オープニングドリンク込)
    音の部のみ参加は、¥4,000(オープニングドリンク込)
主催:sonihouse


—————–
タイムテーブル(全日共通)
—————–
15:00 開場
16:00 音の部スタート
18:00 音の部終了
–休憩・転換–
18:30 食の部スタート
21:00 終了
—————–
「イベント名・日時」をタイトルに、
「お名前・人数・電話番号・食の部への参加の有無」を本文に記載の上、
info@sonihouse.netまでご連絡ください。
*どのプログラムも定員は60名様、音の部のみの参加は20名様まで受付させていただきます。
(食の部のみの参加は承っておりません。)

「家宴-IEUTAGE-」イベントページ
http://www.sonihouse.net/journal/?p=7477

sonihouse公式サイト
http://www.sonihouse.net/
※イベントは不定期に開催いたします






転載元:
KABlog 「sonihouse こけら落とし「家宴-IEUTAGE-」
「音・空間・人の豊かな循環を目指しています」」


執筆:Chiaki Ogura
岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe

本記事は「KABlog」から提供を受けております。
著作権はKansai Art Beatに帰属します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

STUDENT WRITER

partner news / partner news

PARTNER編集部より、美大生や卒業生にオススメのニュースを配信しています。展示情報やイベント情報、学校や学生にまつわる情報を提供します。