五美大展とDOUBLE ANNUAL 2024@国立新美術館に行ってきた

2024年2月25日(日)

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2月24日(土)12時、手羽は

国立新美術館にいました。
 
この時期に国立新美へ行く理由はひとつしかありません。
2023年度 第47回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展

●会期: 2024年2月23日(金)-3月3日(日)*休館:2月27日
●時間:10:00-18:00*入場は17:30まで 
●会場:国立新美術館
●参加大学:女子美術大学 / 東京造形大学 / 日本大学芸術学部 / 武蔵野美術大学 / 多摩美術大学
●参加学科:日本画 / 油絵 / 版画 / 彫刻


通称「ゴビダイテン」。
五美大展を初めて見る人がよく勘違いしてることやよくやる失敗が5つあります。
1つ目は「日本画・油絵・版画・彫刻のファインアート系学科のみの展覧会」ということ。デザイン系は展示されてないし、デザイン系の美大合同展はありません。
 

2つ目は「五美大展に東京藝大は含まれてない」ってこと(笑)
 
3つ目は、「あくまでも卒業制作の『レビュー』『ポートフォリオ』的な立ち位置」
地方の美大だと卒展を美術館でやることが多いので、これが「五美大合同の卒展」と思ってる方が多いのだけど、東京のファインアート系学科は学内展がメインなんです。
国立新美はスペースやレギュレーションの関係から「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスができないので収録してビデオ上映」「五美大展サイズに小さく作った作品」「水モノ・土モノNG」になってしまうので、本当は学内展を見てほしいんですよね(女子美さん以外は終わってるけど)
とはいえ、5大学のほぼ全員の(ファインアート系)学生さんが同じ場所に展示することは日本でもこの五美大展以外はなく、各大学の作風やカラーの違いがわかるから、受験生にはかなりおすすめの展示なのは間違いないです。
 
カラーといえば、事前に知っておいてほしい豆知識がありまして、それは「五美大スクールカラー」
展示会場は中でつながってるんで、各大学の見分けがすぐつくように独自の「五美大展スクールカラー」を設定しているんですね。
今年の各大学の入り口を見てみましょ。


  • 東京造形大は「緑」


  • タマビは「赤」

幹事校は持ち回りでやってて、今年はタマビが幹事校。


  • 女子美は「紫」


  • ムサビは「青」


  • 日芸は「黄色」

会場入口バナー以外に作品キャプション、掲示等はもちろんのこと、作品搬入時のガムテープもすべて五美大スクールカラーを使うようになっています。キャプションの色さえ確認すればどの大学かすぐ把握できるんだから、とっても使える豆知識でしょ?
ちなみにこれがわかっていれば、手羽の作った東京5美大の一般選抜日程カレンダー

なぜこの色分けなのかわかってもらえるはず。
あまりにも徹底されてるんで手羽は入職当時、その色が本当のスクールカラーだと思ってたくらいで、「へー。うまくできてるもんだ」と感じたけど、あくまでも「五美大展の時だけに使うスクールカラー」なのでお間違えなく。ムサビもタマビも本当のスクールカラーは同じ青なんですよね。

 
と長い前置きはこれくらいにして、会場を見ていきましょ。


  • 「今年は全体的に●●大学の作品がいいなあ」と変わるのだけど、今年は東京造形大の作品に好きなものが多かったです

五美大展に初めていく人がよくやる失敗4つ目は、

「1階には屋外展示場があるのを知らずに帰ってしまう」こと。
大きな作品が多く面白い空間なんで忘れずにこちらも見てね。
 
最後の5つ目は、これも意外と多いのだけど「2階を見ずに帰ってしまう」こと。
毎年5大学が1階と2階に分かれて展示してるんだけど、1階だけでも結構なボリュームだからそれで満足して帰っちゃうんですよ。私たちは「今見てる展示はどの大学か」が大事ですが、関係ないお客さんからすれば5美大だろうが3美大だろうがどうでもいいわけで(笑)
それもあって毎年2階よりも1階の方が人が多いんですよね。


  • 今年はムサビと女子美が2階に展示してます。

女子美さんがギャラリーツアーをやってました。

手羽が把握してるところだと、その他のギャラリーツアーだと、
■武蔵野美術大学 日本画学科ギャラリートーク
●日時:2024年2月29日(木)15時〜16時
●場所:国立新美術館展示室2A 武蔵野美術大学日本画学科展示スペース
●参加学生:修士2年:吉田紋、学部4年生:榎本伊吹、川口茜、長塚優菜、吉田真納タルーラ
●進行:尾長良範先生、因幡都頼先生

 
■東京造形大学 五美大展ギャラリーツアー
●日時:3月3日(日)14:00-15:00
●集合場所:国立新美術館2F 東京造形大学 展示室入口
●参加費無料、予約不要

があります。


  • 女子美さんは立体がいいですよね


  • 女子美さんは毎年動物ものが恒例になってきたけど、今年はペンギンだった

今日25日はこんなイベントがあります。
■講演・学生座談会「これからの舞台-国内外の美術活動」
●日程:2024年2月25日(日)14:00-16:30
●会場:国立新美術館 3階 講堂
●第1部:
・講演会 テーマ:「これからの舞台ー国内外の美術活動」
・講演者:新恵美佐子(画家)
●第2部:学生座談会
・登壇者:新恵美佐子(画家)、⽚⼝南(⼥子美術⼤学 芸術学部美術学科洋画専攻4年)、磯崎海⼈(多摩美術⼤学 絵画学科⽇本画専攻4年)、屋嘉⽐尋(東京造形⼤学 美術学科彫刻専攻領域4年)、岡部ことり(⽇本⼤学 芸術学部絵画専攻4年)、荒井聡子(武蔵野美術⼤学 造形学部油絵学科油絵専攻4年)
・進⾏者:菊地武彦(多摩美術⼤学絵画学科教員)


ぜひ!!

  
昔だとこれで帰ってたんだけど、

3階にあがって、こちらもチェック。

DOUBLE ANNUAL2024 瓢箪から駒 ―ちぐはぐさの創造性

●会期:2024年2月24日(土)-3月3日(日)※休館日2月27日(火)
●時間:10:00-18:00
●会場:国立新美術館3F 展示室3A(東京都港区六本木7丁目22-2)
●主催:京都芸術大学
●協力:東北芸術工科大学

 
京都芸術大学と東北芸術工科大学の合同選抜展です。
インディペンデント・キュレーターである金澤韻さんと服部浩之さんの共同キュレーションと片岡真実さん監修の体制のもと、両校から選抜された10人の学生による展覧会で今回で2回目。
(あえて)同時期にやってるので五美大展と比較される方もいらっしゃるのだけど、コンセプトが全然違うので比較されてもなあ、と思ったりも。
にしても東北芸工さんは今年も同時期に都美館で選抜展やってるんですね。同時開催って学生さんや先生方は準備大変だったろうなあ・・。


  • 学生さんに聞くと、交通費は大学から補助が出るけど宿泊費は出ないそう。

あ、「液体」が入ったペットボトルが展示されてたけど、国立新美は水モノ展示OKになったんですね。ダメというか展示の仕方次第ってことなのかな。
 
 
以上、そのあとは六本木で仕事をして

AXISギャラリーでやってるムサビ視デ卒制選抜展「コンタクト展」にも行ったけど、その話は明日、の手羽がお送りいたしました。
27日までなので五美大展のついでにどうぞ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。