高知出張レポート後編1 #坂本龍馬記念館 #高知県立牧野植物園 #伊尾木洞 #らんまん

2023年8月21日(月)

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これまでの話はこちら↓
高知出張レポート前編 #アートこうち #前浜掩体群 #桂浜 #高知城 #ひろめ市場
高知出張レポート中編 #アートこうち #バラバラ事件の検証

といっても、翌日は有休を取ったのでここから観光レポートなんですが・・。
 
まず向かったのは、

高知県立坂本龍馬記念館です。
 
桂浜には初日に来てるのだけど、時間がなくて立ち寄れなかったの。
なぜあらためてやってきたかいうと坂本龍馬が大好きというわけではなく、ムサビ建築学科の高橋晶子先生が設計されてるんです。
1988年にコンペが行われ、応募総数475点の中から最優秀に選ばれたのが、当時まだ篠原一男アトリエに勤務していた高橋晶子先生のプランだったんですね。高知に来たらムサビの人間として要チェックな物件で。

2階が太平洋に突き出していて、まるで坂本龍馬が桂浜から太平洋の向こうを見てるよう。
 
中に入ってみましょ。
「最新の展示」って感じで、すごく見やすい作りになってました。


  • 手紙がいっぱい残ってるんですね


  • こういうデフォルメされた等身像って珍しいかも


  • 子供も楽しめるようになってます

もちろん
坂本龍馬の伝説はウソだらけ 「幕末に大活躍」は間違いだった
という話も知ってますが、逸話は逸話として受け継がれていけば。
 
 
さ。「2023年夏に高知」といえば、ここも絶対に見ておかなくちゃいけない場所です。

高知県立牧野植物園に決まってます。

日本の植物分類学の父・牧野富太郎博士の功績を後世を顕彰し、植物の保全・研究・教育的普及を行うために作られた施設です。
言うまでもなく牧野博士は、現在放送中のNHK朝ドラ『らんまん』主人公のモデル。
手羽は奥さんが毎日視聴してるのを横目で見てるぐらいですが、このタイミングで高知に来たんだからやっぱりチェックはしなくちゃ。「チャンスの神様は前髪しかない」っていうし。

五台山の頂上付近にあり、約8ヘクタールの敷地の中に約3000種類の植物が自然の形そのままに展示されてます。「この広さのスペースを今から歩くのか・・・」と愕然としちゃったけども。

上記写真右側に見えるのが竹林寺で、真ん中にあるのが温室。

まずは温室まで行ってみましょ。

ちょうど「食虫植物展」をやってました。


  • 中はジャングル状態


  • 園内では「らんまん」に登場した植物も紹介されてました。ムジナモは7月末ぐらいですね(覚えてる)

温室を出て、

回廊を歩きます。
・・とあっさり書いてるけど、ほんとに園内は広く起伏もあって、この段階で汗ダーダーでした。

こちらが、牧野博士が発見した笹に、苦労をかけた寿衛子夫人への感謝の気持ちを込めて夫人の名を冠した「スエコササ」。
 
完全に観光ブログになってるので、美大ネタをここでもうひとつ。

牧野植物園のメインの建物である「牧野富太郎記念館(本館と展示館)」は、タマビの学長である建築家・内藤廣さんが設計しています。
・・と知ってたように書いてますが、実は下調べせずに来ちゃったので「この建物の設計者、ただものじゃないな。誰だろ」と現地で調べたら内藤学長だった、と。
ちなみに内藤学長は高知駅も設計されてます。

中庭を大屋根が円で囲むように作られてて空間の心地よさもあるのだけど、「建物を周囲の木々よりも低くして環境に溶け込ませる」という方針の通り、建物が強くアピールしてこないんです。

この3次元曲線の大屋根ってかなり大変なはず。これを設計した人も作った人もすごすぎる。


  • 中はこんな感じです。

あ、ヤッコソウ。8月頭ぐらいの「らんまん」のタイトルでしたね(なんだかんだ見てる)。

牧野博士の書斎「繇條書屋」の再現展示。人形がかなりリアル。
ちなみに牧野先生関連の施設だと、自宅跡地を一般公開した練馬区立牧野記念庭園東京都立大学牧野標本館があります。

ちなみにちなみに練馬区立牧野記念庭園は、今年4月に晩年の書斎再現展示を始めましたが、
【取材記事】牧野記念庭園の書斎の再現展示がついに完成しました!
これを担当されたのがムサビ芸能デザイン(現・空間演出デザイン学科)卒の里見和彦さんで、こちらの高知県立牧野植物園の常設展示も里見さんによるものです。

里見さんは2021年読書感想文中学生の部の課題本に選ばれた「牧野富太郎【日本植物学の父】のイラストや、科学絵本「雑草のサバイバル大作戦 ドクターマキノの植物たんけん」を描かれています。
この独特のタッチのイラストが園内でもあちこちに使われてましたが、里見さんのイラストだったんですね。

というわけで、タマビに負けないようムサビネタも突っ込んでおきました。これで「高知に遊びに行っただけでしょ?」と言われない(絶対言われる)。

家族用のお土産を買って、高知県立牧野植物園を離脱。
ここでちょうど12時ぐらい。
 
このあとは土佐清水や四万十川のある西方面に行くのもよかったんだけど、それはまた来た時の楽しみに取っといて、今回は東方面を攻めることにしました。
 
海岸沿いの国道を走ってると

津波避難タワーがあちこちに建ってるのが印象的でしたね。
 
1時間ぐらいで到着したのが、

伊尾木洞
天然の海食洞で、洞窟を抜けるとシダに覆われた渓谷が400mも続くっていうんだからこれは見とかないと。
 
でも、

前日の大雨で歩道(右側部分)が完全に水に浸かってた・・。
観光案内所があり、そこで長靴の無料レンタルをやってるのを発見したんで行ってみると「自由に履いていってね」状態で。ボーリングやスケート場みたいに人が管理してるものだったらあまり気にしないけど、誰が前に履いたのかわからないものをそのまま履くのはすごく抵抗があって・・意外と繊細な人間なんです・・。

「ここまで来て洞窟の入口だけ見て帰るのは意味がないし、といってこの長靴を履くのも。タオルはあるから裸足で行くか・・でもケガする可能性高そうだなあ・・」と20分ぐらい案内所前で葛藤して、結局そのまま帰ることにしました。
今日の最終目的地は室戸岬。まだまだ先は長い。
 
続くっ!!


以上、牧野植物園では

植物に名称プレート(黒いのがそう)が全部付いてて、「すべての草に名前があって、雑草という草はないんだな」と実感した手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。