話題の「ムサビ×伊勢丹 -U-35 若手クリエイターによるアート・デザインの現在」に行ってきた

昨日は自宅でワークショップをやってた手羽です。ま、あかりちゃんの自由研究を一緒にやってたと言った方が早いですが。。

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8月12日、話題の展覧会初日を見てきましたんでレポートを。

■武蔵野美術大学×伊勢丹 「U-35 若手クリエイターによるアート・デザインの現在」
●会期:2015年8月12日(水)~8月17日(月)
●時間:10:30-20:00 *最終日は18:00まで
●会場:伊勢丹新宿本店 本館7F 催物場


「35歳以下のムサビ大学院生or卒業生クリエーター約60名の作品を伊勢丹新宿本店で展示販売する」というムサビ史上初の試みなのです。
開催経緯などはこちらをご覧くださいませ。
【展示販売会】ムサビ×伊勢丹 「U-35 若手クリエイターによるアート・デザインの現在」


では、会場に入ってみましょう。

エントランスのでっかい「MAU」ロゴに作者の写真が出てます。

反対側を目をやると、

魔法の粉が降ってる正門が(笑)

これを見てすぐにムサビをイメージできる人は少数派なので、大学風景写真や小さなロゴとして正門を使うことはありますが、大学広報で正門をドーンと扱うことはほぼないんですよ。

伊勢丹さんのWEBでも
イセタン アート&クリエーションフェスタ2015|伊勢丹新宿店
正門がメインビジュアルで使われており、「きっとアートディレクターさんはムサビ卒なんだな」ということがここから読み取れるわけです。
ちなみにムサビの正門は鳥居をイメージして作られたと言われてます。

ちょっと失礼な発言ですが、私達が予想していた以上にきれいに展示装飾をしていただきました。


今回の鍵は「内田あぐり」先生にありまして。

主任教授へ説明に伺った時、日本画学科・内田あぐり先生から
「若手作家にチャンスを作るのはいいことだけど、『いかにもデパートの催事場イベント』みたいな壁や装飾だけはなんとかしてもらってね。三越×藝大は美術フロアなのにムサビ×伊勢丹は催事場でしょ。それでデパートがよく使う安っぽい汚い有効パネルに作品をかけるだけ・・とかはありえない」
と言われたんですね。

それを伊勢丹さんにお伝えし、無理をして頑張ってもらったんです。
「内田先生の言葉がプレッシャーでした」とおっしゃってました(笑)
私達が見ても「伊勢丹さんにとって割があわない企画になっただろうなあ・・」と。
本当に感謝しております。


ちなみに伊勢丹さんの空間ディスプレイは国際装飾株式会社さんが担当されることが多く、今回のムサビ×伊勢丹も国際装飾さん。
で、今回の展覧会を担当された方がたまたまムサビ・空間演出デザイン学科卒という偶然が起きました。

実は「全学科から出品」と言ってきだけど、空デだけ参加者がいなくて・・。
でも、ディスプレイ担当が空デ卒なので、嘘偽りなく「35歳以下オールムサビによる展覧会」となったのです!
ムサビはもってる!!

伊勢丹さんがおっしゃるには、「ここでこんな凝ったキャプションは初めてかもしれない・・」とのこと。

手羽が見た感じだと、金額設定は上が50万円ぐらい、下は500円ぐらいまでの幅があり、恐らく標準金額はお買い求めやすい3万~4万円台かな。


今回の企画で手羽が一番ためになったのは、「画廊の仕組み」を少しだけ勉強できたこと。
画廊には大きく「企画画廊」と「貸画廊」の2種類がある・・・ことはここを読んでる人だったら知ってますよね。
でも一般の人は「ギャラリーは選ばれた人しか展示できない」と思ってるので、「今度ギャラリーで展示やる」と教えると「すごおおおい!!」と意外なほど驚かれるんだけど、「貸画廊」は基本的にお金を出せば誰でも展示できるわけで。

・・と偉そうに書いてるけど、ギャラリーで作品が売れた場合の作家と画廊のお金の動きや「画廊がついてる作家さん」だったり、「額装との関係」とか今回「へー、噂では聞いたことあったけどそういう仕組みだったのか」と初めて知ったことも多く・・・。
昔はこういうのって大学じゃ教えてくれなかったんですよね(今はキャリア教育の部分で教えてるけど)

こちらはデザイン情報学科卒・杉崎良子さんの作品
新聞で恐竜を作ってる作家さんで、手羽がずっと追っかけてる1人。
最近また「極めた感」が出てきましたね。
あ、このムサビ×伊勢丹が終わったら、すぐ個展が始まるんですよ。

■シンブンシキョウリュウ博
会期:2015年8月23日(日)〜9月5日(土)最終日20時まで
時間:15:00〜22:00
定休日:木曜日
会場:Hasu no hana(東京都大田区鵜の木1-11-7)
入場料:300円(高校生以下は無料)/併設カフェあり
*作品購入の場合は、入場料返金

こちらもぜひ。


藤本雄策さん(845)の作品で、写真ではわかりにくいですが左上にバナナやリンゴの模刻アクセサリーもあります。これがすんごくいい。
あ、制作風景はこちらをご覧ください。
模刻バナナ制作過程2015 | 845の仕事と出来事
ちなみに手羽は彫刻学科卒でありながら模刻がほんと苦手で、これができる人をほんと尊敬してまして・・。

小黒アリサさんの作品は写真より実物の方がかなりいいですね。
初日の午後1で既に「売約済マーク」がいくつか貼られてたので、購入希望の方は早めにいった方がいいですよ。

しかし、紹介がどうしても立体作品ばかりになっちゃうなあ(笑)
もちろん日本画や版画、ジュエリーから写真・映像作品・ミクストメディア等の展示販売もやってますので気軽にお越しください。

できるだけ出品作家さんは在廊していただくようお願いしてまして、手が空いてる時にうちわの絵を描いていただき、それを販売しています。

3240円なり。

また、15日(土)、16日両日とも午後2時~2時30分・4時~4時30分の2回、来場アーティストによるギャラリートークが開催されます。

それにプラスして、ちこっと先日告知しましたが、16日(日)はPARTNERライターでもあるヨシムラヒロムくんのギャラリートークがあり、なんとスペシャルゲストが登場します。

中島信也さんです!

・・・つい先日デザイン・ラウンジでの公開講座に登壇してもらったばかりなので、手羽コーディネイトだったらまた中島さんにお願いすることはなかったんだけど(笑)、ヨシムラくんが直接中島さんにお願いをし了承をもらいまして。

中島さんに「またムサビがらみのイベントで申し訳ないです・・」とメッセージを送ったら「母校、というか美大芸大、というよりアート&クリエイティブのためにできるんやったらなんでも!」という涙がちょちょぎれそうな嬉しい返事が。

どうぞよろしくお願いします!!

 
実演といえば、15日(土)は終日uwabamiによるキャラストレーションを行います。

キャラストレーションとは、その場でお客さんを画面に登場させ、たくさんの登場人物のストーリーを繋げて1枚絵にする画法で・・・・そうですね、この動画を見ていただくのが早いっす。


そしてuwabamiの凄さがわかるのがこの動画。
最後まで見てください。

むしろ絵が描ける人の方が「なんでこの大きな画面構成を下書き無しで描けるんだ・・・」と凄さに気が付くかもしれません(笑)

「大学公式に作品販売会をやるのはムサビ史上初」と書いてきましたが、考えてみたら「ムサビ全学科が関係する学外での公式展覧会」自体、そう例がないことで。
卒業制作優秀作品展は学内美術館だし、五美大展はファインアート系だけだし、学外卒展は学科バラバラだしやってない学科もあるし。
80周年の時に都美館で「大学院修了展」をやってるけど、手羽の記憶の中では「全学科」というのはなく。
やはりこういう機会は外からの提案の方が成立しやすいのかもしれません。


昨日も少し書いたけど、1大学の企画で平日の昼間にこんなに関係者以外の一般来場者がある展覧会は・・・普通の画廊ではありえなく、商業施設ならではだろうなあ・・・というのが初日に訪問した印象でした。
一般の方には「画廊に入る」というのはかなり敷居が高いことで、まずは「入っていいのか」があり、「なにか買わされるんじゃないか」「なにか買わないといけないんじゃないか」と思うもの。
でも7階催事場はレストランフロアなので、普通にお客さんが入ってくるんですよ。
この「普通に」が美術・美大企画ではなかなか越えられないハードルで、全部をこうした方がいいとは思わないけど、ミッドタウンさんでのキッズワークショップしかり、やはりこういう「普通に」アプローチできる手段も大事だな、と。
来場者コメントやネットでも好意的なコメントが多く、実施できて本当によかったです。
って、まだまだこれからだけど(笑)

以上、ミッドタウンさんではムサビ日記売ってくれないだろうし、伊勢丹さんを本気にしようかなーと言ってみたりする手羽がお送りいたしました。


今日のまとめ
●手羽美★の初代学長は中島信也さんに決まりだな、こりゃ
●作品買って!ムサビ日記も買って!



よし、手羽美術大学★開設の野望がまた一歩近づいた!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。