【東京の美大にわざわざ行く理由は?】九州美術ゼミナールとルーテル学院高校に行ってきた

2023年6月20日(火)

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熊本ツアーレポートをお送りしています。
これまでの話はこちら↓
【多芸造形】熊本県美術系大学進路対策研究会に行ってきた!
 
 
7月18日(日)。
午前中はどこにも出かけずホテルにこもってスライド作り。
午後1時半、古堅先生と一緒にこちらへ。

九州美術ゼミナールさんです。略して「九ゼミ」。
東京の美大進学実績を確実に毎年出してる熊本の美術予備校さんで、去年「これまでで一番多い受講者数」とおっしゃってましたが、今年はそれをさらに超えたそう。
「不安な時代になると美術系が増える」というからそのせいなのか、はたまたブルーピリオドのせいなのか。東京の美大受験生もそのまま増えてくれるといいのだけど。
 
んで何をしにきたかというと、

ムサビの単独説明会なのです。

タマビさんは前日説明会を実施されてて、3時間かかったそう。
最初に「タマビが3時間ならムサビは4時間やりますよ(笑)」と冗談で話したけど、まさかそれが本当になるとはこの時は思ってなかった・・。
 
まず、手羽からムサビ全体の話と東京の美大の話。

地方の説明会で必ず話すのは、「東京にわざわざ行く理由は?」「治安は大丈夫なの?」です。

「なぜ東京なのか?」ってことだと、圧倒的にクリエイティブ系の会社や本社が多いことが1つ挙げられます。美術館もギャラリーも多い。
「このオンラインの時代にあんま関係なくね?」と思っちゃうけど、クリエイターも仲間も理解者もライバルも情報も接点も発表の場も働き先も多いことを意味し、「クリエイティブが普通にある風土」ってことなんですね。
だから、デザインとかを勉強したい人は若い時に一度東京に出た方がいいと思っています。
 
また、いろんな人が集まる場所だから「多様性に対応した町」でもあります。「田舎の方が人が優しい」と言われるけど村社会文化が根強く残ってる地域もあり、仲間には優しいけど他から来た人間にはむしろ厳しかったりするんですよ(うちの田舎がそうだった)。
東京は言い方を変えれば「他人を認める(許容する)風土がある」とも言えます。
 
そして東京の治安。
自分も18歳で上京するまで、東京ってコンクリートジャングルでいつも犯罪が起きてる人が冷たい町ってイメージを持ってました。
東京の情報は全国に発信されるので悪いイメージが生まれやすいのもあるし、人口が多いから「件数」だとどうしても多くなっちゃうんだけど、

住宅侵入盗犯の遭遇率、検挙率の低さは実は東京よりも関西や熊本の方が上にくるんです。実は。
 
ま、とはいっても、

犯罪が多いことには間違いありません。ただムサビがある小平市は東京で真ん中ぐらいですよー、田舎なんで比較的平和な地域なんです、というデータを使ったりしました。
久しぶりの九ゼミさんだから気合入り過ぎて、手羽の持ち時間30分なのに余計なこと含めて45分しゃべっちゃった。
  
続いて古堅先生から視デの解説。

授業風景を撮影した動画をいろいろ見せてくれて、古堅先生も気合が入りすぎて時間オーバー(笑)
その後は

生徒さんの作品講評。

白熱教室。
九ゼミさんって去年も思ったけど、デッサンの光の描き方がきれいなんですよね。多分そういう指導されてるんだろうなあ。
 
全体説明会が終わってから、

「すいません。昨日寝るのが遅くて、我慢できず説明会中寝てしまってました」と一人の生徒さんがやってきました。
古堅先生「って、それをわざわざ報告しなくてもいいんだけど(笑)」
生徒さん「ほんとに先生に申し訳なくて、代わりに・・」

生徒さん「作品見てもらえますか?」
おおお。あらたなアピール方法。エレベータピッチならぬデッサンピッチ。こういう生徒さん、ムサビは嫌いじゃないです(笑)
せっかくのチャンスなんだからガシガシ先生に質問した方がいいよね。
 
「こりゃ長くなりそうだ」と手羽は近くをフラっと散歩。


  • 小さい池があった。なんか書いてある


  • うん、ダイソーは何でもあるよね。

10分ぐらいして帰ってくると、

人数増えてる・・・というわけで、4時間九ゼミさんにお邪魔しちゃいました。
懲りずにまた呼んでください!
なんなら次はタマビの平澤さんと一緒にムサタマトークやりますかね。
 
 
一旦ホテルに帰り、古堅先生と夕食へくりだす。

信じられます?これ、夜7時に撮影した写真なんです。東京よりも全然明るくて白夜みたい。


  • 巨大なアーケード。酔っぱらう前に撮影するのは初めて


  • 絶対にフェ〇ーリを意識してる

今日は軽くラーメン。ここのお店もおいしかったなあ。
古堅先生は明日授業あるので、ここでお別れ。
 
 
6月19日(月)AM8:20。
ルーテル学院中学校・高等学校へ手羽一人で訪問。

高校本館は、熊本市内最古の鉄筋コンクリート造りの建築物で、熊本市指定重要文化財なんだそう。
到着した時はちょうど朝のミサをされてて、外まで音が聞こえてました。
 
「ルーテル高校?」と思った方は「昔は九州女学院だった高校です」と説明したらわかるんじゃないかしら(手羽がそうだった)。2001年男女共学化した時に校名変更してるんですね。

んで、こちらが今日の会場となる芸術コース美術専攻の建物。
美術専攻の建物としては不思議な感じだけど、昔はミニ体育館として使ってた建物なんだそう。

なので床にはラインや2階の窓を開ける階段があったり、あちこちに痕跡が残ってました。
でも考えてみたら、元体育館をアトリエに使うのはアリですね。天井も高く、床が板張りで柱もない広い空間ってそうそう作れない。

天井高があることを使って、ロフト構造になっており、

ロフトに座学やデザインができるスペースがありました。

タマビさんは一昨日訪問されてて、合同相談会設営日にタマビ平澤くんを送った高校っていうのがルーテルさんだったんです。
 
高校からのリクエストは2年生対象の110分模擬授業。
生徒の集中力が100分持たないのはわかってるので、最初50分はワークショップやりながらムサビの話、休憩いれて残り50分で模擬授業をやる構成に。
この「いかに寝させないか」のスライド作りに時間がかかってたんです。。寝てる生徒さんもいなかったし、先生から「保護者に聞かせたい話だった」と言われてホっと一安心。
いつでも保護者向けの話やりますんで。

持ってきた実技参考作品を見てもらって、熊本説明会全行程終了!
 
すぐに空港へ行き、チェックインして、そのままロビーでzoom会議に参加。ギリギリ間に合った・・。

熊本空港は2年かけての大リニューアルが終わって、こんな感じになってました。


  • チェックインしないとお土産屋さんに入れない構造になってるんです


  • 天井の造りも面白い。


  • 「QSHU HUB」。熊本県が地理的に九州の中心に位置すること、この店舗が九州のハブとなって各地域の価値や魅力を発信する拠点となるという意味が込められています。

見える、見えるぞ!グッドデザイン賞を受賞して、このあたりの風景写真が使われてるパネルがミッドタウンに展示されてる姿が!!

4日間頑張った自分のご褒美に「スーパーあか牛丼」を食して、東京に帰りました。
熊本ツアーの話もこれにておしまい。
 
 
以上、これで延々続いたスライド作りも終わり・・という言いたいところだけど、来週は宮崎での相談会ツアーが待ってる手羽がお送りいたしました。
7月2日(日)は今のところ空いてるんで、高校や予備校さん、10人以上生徒さんや保護者の方がいらっしゃるなら呼んでいただければ行きますよー。なんなら鹿児島でも。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。