2月19日(日)、手羽は
東京工芸大学中野キャンパスにいました。
実は東京工芸大学中野キャンパスも自宅から車で20分ぐらいで行けます。一番行くのがめんどくさいのがムサビ鷹の台だったりするわけですが(ぼそっ)
まず、東京工芸大学のことを簡単に紹介しましょ。
間違える人が多いけど「工学と芸術の融合」で「工芸」でして、「クラフト」という意味の「工芸」ではありません。
大学英語表記が「Tokyo Polytechnic University」なのがその証拠。「Polytechnic」は技術系教育・職業教育といった意味がありますが、東京工芸さんの「工芸」は「メディア芸術」「芸術工科」「テクノロジー&アート」等の言葉の方が実際と近いかもしれません。
コニカミノルタホールディングス株式会社創始者である六代目 杉浦六右衞門の理想と意志を後継した七代目 杉浦六右衞門が、1923年に創設した日本初の写真学校「小西寫眞専門学校」が源淵です。
「東京写真短期大学」「東京写真大学」を経て1977年に「東京工芸大学」となるから、学校としての歴史はムサビやタマビなんかよりも古い大学なのです。(ムサビは1929年創立)
手羽よりも上の世代には「昔は『写大』と呼んでた大学」と説明した方が通じやすいかもしれません。手羽がギリギリ「写大」という言葉を使う人が残ってた世代。
そう。1923年創設ってことは今年がちょうど100周年なんですよ。
100周年特設サイトも立ち上がってるし、
構内で100周年を記念した写真展をやってました。
ちなみに東京工芸大さんは2006年に「東京芸術工科大学」を商標登録出願されてるので、100周年を機に大学名称変更されるんじゃないかとこっそり思ってたんだけど外れた。
さて、なんでやってきたかというと、こちらを見るためです。
■東京工芸大学 芸術学部卒業・大学院修了制作展 2023
●会期:2023年2月17日(金)13:00~18:00|2月18日(土)10:00~18:00|2月19日(日)10:00~15:00
●会場:東京工芸大学中野キャンパス
サイトに大きく赤文字で「完全招待制」と書いてあったんで「関係者か受験生しか入れないないんだろうなあ」とスルーしてたんだけど、日曜の朝よく見たら「『招待状』を受け取った方及び事前申込された方のみご入場いただけます」とあるのに気づき、急いで申し込んで行ってきたと。
入口でネックストラップを受け取って入場。
まずは1号館から。
東京工芸大学は工学部と芸術学部があり、昔は芸術学部も厚木キャンパスで2年生まで過ごし、3年から中野キャンパスで学ぶ仕組みでしたが、2019年から芸術学部全学科・全学年が中野キャンパスで学ぶようになりました。
学生さんも3年からアパートを変えなくちゃいけないから大変だけど、先生は「火曜は中野、水曜は厚木」って感じでやってて、もっと大変だったみたい。
現在、芸術学部は写真学科、映像学科、デザイン学科、インタラクティブメディア学科、アニメーション学科、マンガ学科、ゲーム学科の7学科を有していて、「メディア芸術のすべてを都心の1キャンパスで学べる唯一無二の大学」が売りとなってます。
中野キャンパスはバーベキューグリルがある中庭を囲むように建物が建っていて、1号館の反対側にあるのが
2号館。
アニメーション学科とゲーム学科が展示してました。
東京工芸大のアニメーション学科は国内4年制大学で初めて設置されたアニメーションの学科です。「学科」だと他は京都精華さんぐらいかな。「専攻・コース」だといっぱいあるんだけど。
ちなみに東京工芸大のアニメーションといえば、杉並アニメーションミュージアムのネーミングライツを5年2500万円で獲得し、少なくとも2023年8月末までは「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」という名称になっています。
前回中野キャンパスを訪問したのが2019年のオープンキャンパスで、3年来てないと新しい建物もできてて、
2019年オープンキャンパスの時は絶賛工事中だったクラブハウス棟(7号館)ができてた。
この東京工芸さんの中庭は「手羽が好きな美大風景50選」のひとつです。
東京工芸大学通りをはさんで、
芸術情報館(5号館)。
大きなホールがあり、
ここから3分ぐらい歩き、
神田川を超えたところに、
3号館。
ちなみに東京工芸さんのサイン計画は
屋上からは都庁もよく見えます。
んで、3号館横の本郷通りを渡って少し歩きます。
今回の訪問の最大の目的は、こちらをチェックすることでして。
2020年春に竣工した6号館です。
坂に立ってて、地下1階から地上5階の6階層。
1号館からの道のりを動画で撮ってきました。
2019年に訪問した時はやはり絶賛工事中で、
上記写真は2019年に同じ場所で撮影した写真です。
これだけ何度も訪問してるとビフォーアフターが記録できて便利(笑)
早くチェックしたかったんだけど、コロナで入ることができなくてようやく。
さ、中に入ってみましょ。
地下1階から3階は講義室、アクティブラーニングルーム、展示スペース、講義室などがあり、4階・5階は理事長室や法人事務室など学校法人東京工芸大学の本部施設となってます。
学生さんが似顔絵を描いてくれてました。
ちなみに東京工芸大マンガ学科は「東日本初のマンガ学科」という表現になります。
最新の設備だけど、ここはホワイトボードじゃなく黒板なんですね。
ちなみに手羽は歩き回りながらプレゼンするんで、この教壇の幅だとズルっと落ちる自信あります(笑)
あ、東京工芸大学の6号館といえば、今度こんなイベントがありますよ。
■色の国際科学芸術研究センター 第4回国際シンポジウム2023
●日程:2023年3月4日(土)
●時間:10:00-18:20(懇親会17:20-18:0)
●会場:東京工芸大学 中野キャンパス6号館1階6101教室orオンライン(事前申込制)
●参加料:無料
●主催:東京工芸大学 色の国際科学芸術研究センター
文化庁「令和4年度 大学における文化芸術推進事業」に採択された事業の一環として開催するもので、附置研究所「色の国際科学芸術研究センター」の2016年から2022年の教育研究成果を発表するシンポジウム。
「カラーサイエンス&アートの魅力」をテーマとした基調講演の他、ポスターデモ展示もされます。
興味ある方はぜひ!
最後に中野キャンパスのキャンパスマップを。
京都芸術大学卒展レポートその3で「メインキャンパスの近くに建物が点在するのは珍しい」と書きましたが、東京工芸さんも実はそうです。やはりこれって急激に大学として発展した典型例なのかもしれませんね。
また、東京工芸大さんのオープンキャンパスや卒展の最大の特徴は、「どの美大のイベントよりも男子高校生の割合が高い」です。京都美大卒展シリーズと比べてもらうと、何気なく写真撮っても男性が多く映ってるのがわかるはず。
実際に学生の男女比も、ほとんどの美大が女性7,8割ぐらいになってる中、東京工芸大学芸術学部はほぼ半々なんですよね。男子が多いからどうってことはないけど、18歳人口の動向を考えると、いかに男子学生を確保するかが美大の課題で。
以上、東京工芸大へ行くたびに「どこに男子高校生がいるか謎だったけど、ここにいたんだなあ・・」と思ってしまう手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。