【優しい日本人】手羽が裁判員候補者になった話を聞きたいでしょ?

2021年9月30日(木)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

*今日の話は一切美大とは関係ありません。

9月29日(水)午前、手羽は日比谷公園にいました。

向こうに東京ミッドタウン日比谷。
でも目的地はここじゃなく、すぐ近くの東京地方裁判所

なんで裁判所かっていうと・・あ、タマビから訴えられたりしてません(笑)
実はですね・・

手羽、裁判員候補者になってたんです。

めったに経験できない出来事だったので記録に残しておきます。
伊藤真『なりたくない人のための裁判員入門』 (幻冬舎新書)などを参考に書きますが、間違ってたらご指摘いただければ。


まず、つい「陪審員」と言っちゃいますが、日本は裁判員です。
裁判員制度ができたのが2009年で、選挙権を持つ人全員が裁判員候補者対象になります。
平成27年のデータだと、実際に裁判員又は補充裁判員として刑事裁判に参加した人は約11,000人に1人程度(0.01%)だそうで、これはゴルフでホールインワンが出る確率とほぼ同じ。
ただ、「一生のうちで裁判員に選ばれる確率は約65人に1人」だから、この数字見ると「自分もありえなくはないんだな・・」と感じますよね。


話は去年11月にさかのぼります。
「あんた、来年の裁判員候補者リストに名前が入ったよ」とお手紙が届いたんですよ。
(さっきの数字は裁判員をやった人の確率だから、候補者リストに入る確率はもっと高いはず)
そこにはパンフレットと一緒に「あなたがいないと会社によほどの損害が出てしまうとかそういうレベルじゃない限り断ることはできない。『会議があるから出れない』は認められないからね」「でもできるだけ都合がいい月に当ててあげるから言ってみ」「このことをSNSとかに書いちゃダメだよ」という紙が入ってました。
「来年の都合のいい月」ってなかなか難しいんですが、大学業務は10月が比較的どの部署も落ち着いてるから、10月を中心に丸をつけて送り返したんです。

んで、それからパタリと音沙汰がなくなり、そんなこともすっかり忘れてたら、8月末に

「くじ引きするから、9月29日に東京地方裁判所に来い」と呼出状が届きました。
おお。見事に10月に当てられた・・・実はいろいろ予定が入ってしまって、かなり厳しいけど仕方ない・・。
この段階では裁判員に決まったわけじゃなく、あくまでも「裁判員候補者」で、9月29日にくじ引きをし、晴れて裁判員(または補充裁判員)になったら5日間公判に参加しなくてはいけません。
(裁判っていうと何年もかかる印象があるけど、裁判員はまとまった5日間程度)

裁判員になることは法律上の義務で、それで選任手続き日入れて6日間仕事を休まないといけないんだけど、事業主に対し仕事を休ませる強制力はないんですよ。
なので、

「会社や上司は協力してあげてね」とチラシが入ってました。
「事業所の義務じゃないし個人のことでしょ?有休使って国民の義務をはたしてきてね」というスタンスも当然ありますが、うちは理解ある職場でした。
ちなみに交通費はもちろん、日当もでます。半日で5千円、1日で1万円ぐらいだったかな。


で、9月29日当日。
東京地方裁判所は構内撮影・録音禁止なのでここからはテキストで。

会議室には自分入れて18名集まってました。
候補者は年齢・仕事・性別関係なく選ばれてるそうで、女性が多かった印象。男性は4人ぐらいだったかな。年齢は確かにバラバラ。この中から裁判員6名、補充裁判員2名が決まるから、ほぼ半分の確率ってことですね。
ただ、このあたりよくわからないんだけど、一つの公判で裁判員候補者は50-100人程度選ばれると聞いていて、あとの人は辞退したってことなのかな?

なんて考えてたら定刻通りスタート。
まず1日の流れの説明があり、次に裁判長、裁判官2名、検察、弁護士2名が登場して「今日はありがとうございます」とご挨拶。裁判長は30代ぐらいの女性でした。
そして公判内容の説明。「え。候補者段階で聞かされちゃうの?」と思ったけど「この人たちとは知り合いじゃないよね?」の確認なんですね。質問票に「この人たちと関係ないっす」「やれます」と書いて提出。
で別室でPCによる抽選があり、選ばれた人の番号が表示される、と。

はい。手羽は見事に落選しました(涙)
やる気モード入ってたから、入試に落ちた気分。
手羽の2021夏、これにて終了(涙)

「え。やりたかったんですか?!」とスタッフから言われたけど、ここまで来たら人生経験としてやっぱり1度はやりたかったし、



「12人の優しい日本人」の映画版も舞台版もDVDで持ってて、

「12人の優しい日本人」リモート読み合わせも生で聞いてたくらいの三谷幸喜好きとしては、二転三転するあの場をリアルで経験したかったんですよね。困ってる人に「実はぼく、弁護士なんですよ」なんて言って助けてあげたいじゃないですか。・・・いや、豊川悦司役は無理だ。せいぜい「ジンジャエール!」と叫ぶくらいか。
コロナじゃなければ裁判終わったらみんなで飲みに行ったりしてたのかな。

しかし、考えてみたらセミナーとかボランティア、試験、ワクチン接種みたいに自分の意志(もしくは組織の意志)で集まったわけじゃなく、完全に強制的にアトランダムで集められることって人生でそうないですよね?
ここにいる18人ってすんごい偶然を感じるし、どんなバックボーンをお持ちで、ここに集合したんだろう、とか考えちゃう。


んで、地方だとこれで帰すのは可哀そうだからと法廷見学したりすることもあるそうだけど、東京はこれであっけなく終了・・あ、コロナも関係してるかもしれないけど。
「ちゃんと選任手続きに参加しましたよ」っていう職場提出用の来庁証明印を押してもらい、地下の食堂・・・というか、

すき屋で、頑張った自分のご褒美に特うな丼食べて、昼過ぎにはノコノコ帰ってきました。
ちなみに地下は郵便局、本屋、コンビニ、そしてすき屋が入ってるんだけど、食堂や喫茶店はつぶれてました。
完全な官庁街で周りにはコンビニもファミレスも喫茶店もないから、お昼は皆さんどうされてるんだろ。
 

あ、「裁判員だってことを公言しちゃいけないんじゃないの?」と心配された方、ありがとうございます。
まず、裁判員をやるには周りの協力が必要なので、家族や上司、同僚に自分が裁判員候補者なことを話すのはOKなんです。公判内容等を話すのはもちろんNGだけど。なので手羽も同僚と上司、総務関係者には伝えてました。
また「裁判員候補者に選ばれた!」とかをSNSやブログに書いたりするのはダメだと言われてます。これが守れるか一番心配でしたが(笑)
これをもって手羽は1年間は裁判員候補者リストから抜けるから、公判内容とか言わなければ逆に「裁判員制度の普及に協力してよ」というスタンスなんだそうで、こうやってブログに書いてる、というわけ。

そうなんです。1年間抜けるだけで、また裁判員候補者に選ばれることは可能性としてあるんですって。
3年以内に万が一選ばれたらその時は辞退してもいい制度があるんだけど、むしろ今度は裁判員になる優先順位をあげてほしいなあ、と思ったりも。。

ちなみに裁判所は書類が印鑑省略になってたことを記録しておきます。


以上、ようやくこれが言えるけど、去年は急性心筋梗塞に裁判員候補者に、とほんと当たり年だったんですよ、の手羽がお送りいたしました。
しかも、9月29日は

世界心臓デーという偶然。持ってるでしょ?
そりゃ「こんなに当たり年なんだから宝くじ買ったら当たるんじゃね?」と生まれて初めて年末ジャンボとサマージャンボ100枚買いますよ。

これが人生初めての経験2つのうち1つ。もう1つは進行中です。

tag

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。