4月21日(水)午前9時、千羽は
武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパスにいました。なんだかんだ2か月ぶりの市ヶ谷。
4月から学部3年生が市ヶ谷キャンパスで学んでまして、
エレベータで学生さんにあったら「課題が大変です」と嬉しそうに話してた。
ちなみに昨日4月21日はムサビから
■MAU bdp 武蔵野美術⼤学ビジネスデザインプログラム
4月に新たに設置した株式会社武蔵野美術大学ソーシャルマネジメントと株式会社⽇⽴製作所、東日本旅客鉄道株式会社、コニカミノルタ株式会社、株式会社リビタ、株式会社スマイルズと連携・共創した独自のビジネスデザインプログラムを展開する、
とぼちぼち大きなリリースが発表されたけど、今日の本題じゃないのでスルー。
5年ぐらいずっといろんな種を巻いてたのがようやく、といったところです。
zoomミーティングを終わらせて、午後1時
六本木の東京ミッドタウンへ。
久しぶり・・と言いたいところだけど、4日ぶり。
地下1階では、
恒例企画となってるTOKYO MIDTOWN AWARD 2020 アートコンペ受賞者による展示「Street Museum」が行われてました。
そのまま5階のデザインハブへ。
4月29日まで「JAGDAつながりの展覧会 パラチャリティ」が開催中です。
んでデザインハブにやってきたのは、これに参加するためです。
「Tama Art University Bureau(TUB)」お披露目ならびにTCL Lab開設発表記者会見!
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジが2020年12月に閉室され、そのあとをタマビさんが使うことになった・・というのは手羽美★でも何度か紹介してきましたが、昨日がそのお披露目日だったんです。
メディアリリースが「手羽イチロウ」に届き、仕事じゃないから半休取って行ってきた、と。
正式名称と英語名称は「Tama Art University Bureau」で、通称が「多摩美術⼤学 TUB」。
にしても、これまで「武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ」と書かれてたミッドタウンのサイン類が全部タマビに変わってて感慨深い。
記者会見はいつものリエゾンセンターで行われ・・・ってこの光景、すんごいデジャブ。
そうそう、2019年の
■タマビ「クリエイティブリーダーシッププログラム(TCL)」開講発表記者会見に行ってきた
と同じだ。ちなみに今だから言えますが、この時には既にムサビが抜けて、タマビさんが入ることは決まってました。
進行役はいつものごとく教務部長のプロダクトデザインの和田先生。
⻘柳正規理事長。
「コロナ禍で唯一良かったことは、日本のいろんなシステムが劣化してた事実にみんな気が付けたこと。モノ作りが死語になり、ワクチンは発展途上国レベルの実施率。でも、その中で国際的に競争力があるのがアートとデザインであり、VUCAの時代、この分野をどれだけ充実させるかが日本にとって重要になってくる」と。
さすが元文化庁長官らしいお言葉。
建畠晢学長。
「TUBは前進基地でありデザインアートを含めた発信基地でもあるが、受信基地でもある」。
そしてディレクターでもある永井⼀史先生さんから⽴ち上げの背景などが説明されました。
ミッドタウンデザインハブが出来た当初は九州大学さんが入り、その後にムサビ。
「デザインを基軸とした情報発信拠点」「社会実験の場」として9年間活動し、市ヶ谷キャンパスに良品計画さん等との「社会実装の場」ができたので機能を移転集約。
そこにタマビさんが入った、というのが大きな流れです。
多摩美術大学TUBは活動テーマを「まじわる・うみだす・ひらく」として、
1デザインハブの利点を活かしたオープンイノベーションの場
2デザインやアートを社会に実装するための場
3美術大学の学生が生み出した成果を社会に発信
などを行い、「デザインとアートの持つ創造性と美意識を社会とつなぐ場」にしていきたい、とのこと。
だから、365日中300日は展覧会やアクティビティを行う予定で、
活動バランスはこんな感じ。
デザイン・ラウンジは土日祝休みでやってて「年間80企画」ぐらいでした。複数日開催の展覧会も「1企画」カウントだけど。
TUBは日祝休みの週休1日。365日中300日ってことは開いてる日は全部何かやってるってことですね。さすがに理事会ををTUBでやるのは難しい気もするけど(笑)
実質の現場の運営体制は
黒田くんは専任職員なので、ベタでTUBに張り付くのは3名。週6日オープンでイベントをやる施設を3人で回すのはかなり大変な気がするけど・・・。
今回TUBともうひとつの発表が「TCL Lab」でした。
TCL Labについては、TCL開講発表記者会見の時も永井先生が少し話してました。
TCLは基本上野毛キャンパスで行うけど、デザイン経営についての知識・情報・事例の蓄積、高度デザイン人材の教育についての知識・情報の蓄積、TCLでの教育のニーズのリサーチや刊行物による情報発信、カンファレンス(デザイン経営の実践者・デザイン経営研究者)などを海外を含む他大学・機関・企業と連携しながらこのTUBをおこなっていくそう。
永井先生は一橋大学の鷲田祐一先生と共同研究をされていて、「公共セクターにおけるデザイン缶r年業務の実態把握と課題検証およびその社会課題解決のための提案」で科研費の基盤研究(B)に採択されてます。基盤Bってほんとすごい。
ちなみに鷲田先生はデザイン経営宣言を出した「産業競争力とデザインを考える研究会」の座長でもあり、高度デザイン人材育成研究会のメンバー。
TUBは一橋大学などと連携しながら、「デザイン経営」に関する研究と実装の拠点になっていくのかもしれませんね。
今後のTUBの活動は、5月下旬に「どのようにすれば創造性の力でサーキュラー・エコノミーを実装できるか?」の新たなスキームを発表し、8月キッズワークショップ、11月にデザインハブ企画展などを行うそうです。
個人的にはムサビにはないタマビの強みは演劇舞踊デザイン学科演劇舞踊コースがあることだと思っていて、六本木アートナイトとかいろいろ重宝されそうな予感。
説明の後は記者さんからの質問コーナー。
「今後何年ぐらいここで活動するつもりなのか?」「美大生と違ってそういう素養がない人に創造性や美意識をどのように教えるのか?」等なかなか答えにくい質問ばかり(笑)
でも、「美術や美意識は素養や才能ではなく学べるもの」というのがタマビとムサビのスタンスであり、タマビさんだと昔からやってる生涯学習プログラム「あそびじゅつ」やムサビだと通信教育課程、もっというと実技試験受けなくても入学できる学科が昔から両大学にはあるわけで、「それをわかりやすく発信しよう」という動きが、タマビだとTCLやTUB、ムサビだとクリエイティブイノベーション学科や市ヶ谷での活動ってことですね。
最後にフォトセッション。
建畠学長と永井先生から「ああ。美大の情報をいろいろ出してる方ね」と認識されてた(笑)
このあとは多摩美術大学TUBのお披露目。
外に向かって固定の展示壁面があります。
デザイン・ラウンジは中を見せるコンセプトだったんで、これが一番の違いかな。
模型だと構造がわかりやすい。
床がカーペットからタイルになってた。
たったこれだけなのにこんなに雰囲気が変わるもんなんですね。
固定展示壁作ったり、床を全部タイルにしたり、天井にライティングレールつけたり、深澤直人デザインの「ヒロシマ」を10脚ぐらい購入してるから、先ほどの記者さんの質問に代わりに答えるなら「TUB作るのにすんごいお金がかかってるから、すぐに退去することはないでしょ」かな。
現在TUBでは5月5日まで記念すべき第1回企画展を開催中。
■グローバルで活発な芸術文化を発信 多摩美術大学 TUB 第1回企画展「中継地点」開催
国内外で高い評価を受けてる留学生や世界に目を向け創作するタマビ生の作品展示です。
ちなみに中央の作品は、
「コロンビアのチバ」というタイトルで、コロンビアで「チバ(CHIVA)」とはパーティーバスのことなんだそう。タマビのおかげでひとつ勉強になった。
あ、そうだ。
たまたまなのか、この記者会見に合わせてなのか、21日に永井先生の記事が公開されてました。
■【著者に聞く】デザイン経営とは何なのか、もういちど考え抜いた本(永井一史) |博報堂WEBマガジン センタードット
そして、「ミッドタウンでムサビとタマビ」といえば、これも恒例企画となってる、様々なアーティストやデザイナーがデザインしたオリジナルこいのぼりが空を舞う「こいのぼりギャラリー」が4月23日からスタートします。多摩美術大学TUBと武蔵野美術大学関係者がデザインしたこいのぼりもあるので、ぜひ。
というわけで!
今後とも、多摩美術大学TUBをどうぞよろしくお願いいたします。
以上、昨日の手羽の秘密ミッションは、
学長が贈った花がちゃんと目立つところに置かれてるか、そして
クリエイティブイノベーション学科のできたばかりのパンフレットをこっそりデザインハブに置いてくることだった手羽がお送りいたしました。
ムサビはまだリエゾンセンターの連携協定校だし、昔からタマビの学生さんに頼まれたDMとか置いてあげてたから全然問題ないっすよね?
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。