東京デザイン会議vol.02に行ってきた

考えてみたら明日も六本木な手羽です。

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今週月曜は
Tokyo Midtown Award 2015アートコンペ2次公開審査会に行ってきた
で、火曜日の夜はこちらに参加してきました。

AXIS GALLERYで行われた
東京デザイン会議 vol.02
です。

2013年秋に公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会、公益社団法人日本サインデザイン協会、日本デザイン学会の5機関が中心となって「東京大会デザイン2020フォーラム」を発足させ、いろんな場所でイベントを開催しています。
藝大やムサビでもオープンセッションを開催してまして、 東京デザイン会議はそのシリーズってことですね。

たまたま第1回をミッドタウンで見てしまったのが運のつきで、第2回の藝大、第3回のムサビまではいいとして、「関係者以外で全部見てるのは手羽さんだけですよ。今回も来ますよね?」と日本デザイン振興会の方から声がかかるようになり、第4回筑波さん、東大も見て、つい勢いで今回も申し込んでしまった、と・・・。 褒められると伸びる性格なんです。(意味が違う)

最初に国土交通省大臣官房技術審議官の清水喜代志様からご挨拶をいただき、さっそく本編へ。

今回のテーマは「2020年東京のパブリックデザインを考える」。
基調講演は、ロンドン市全域共通サインを実現した「レジブルロンドン計画」統括責任者のラコック・グラム社・サム・グラムさん。
そして、サムさんを交えて日本大学理工学部土木工学科の岸井隆幸教授、2015年度グッドデザイン賞審査委員長でタマビ統合デザイン学科教授の永井一史さん、株式会社GKインダストリアルデザイン 代表取締役社長・田中一雄さん達によるシンポジウムという流れ。
手羽はシンポジウムは聞かずに帰ってしまったのだけど・・。

サム・グラムさんの講演はロンドンのことだけじゃなく東京のことも踏まえた話。
これが刺激的でとっても面白かったです。
会場は満席でムサビ工芸工業デザイン学科の稲田先生、基礎デザイン学科・原研哉先生もいらっしゃったけど、若い人が少なかったのがちょっと残念。学生さんならもっと面白く聞いたはずだし、聞かせたかったなあ。


東京の外国人観光客は2012年は8万人、2014年は13.5万人で2020年東京オリンピック時は20万人、2030年は30万人になると言われてます。
プラス日本人観光客が来てるわけで、これからは相当な数の「東京初心者」対応のためにサインや地図等パブリックデザインが重要なアイテムになってくる。
でも、各行政や交通機関がいろんな種類の地図を出してるからそれが混乱の元となってる。
ロンドンではオリンピック前は32種類以上あった地図を同じサイン計画で一つにまとめたんだとか。


なぜこの時代にフィジカルな地図サインが必要なのか。
「歩く」という行為は健康のため、倹約のため、とかいろいろあるけど、「歩く人の方が地域にお金を落とす」「都市は歩いた方が早いケースが多い」ことがデータでわかったからで、そういうデータを使って行政等を納得させたそう。
そして、この時代だと「デジタルサイネージ系」を真っ先にイメージするけど、屋外の耐久性・メンテナンス・経費の問題もあるし、なによりデジタルにしてもMAPはせっかくのインタラクション特性をあまり使えない。
だったら将来性を考慮した設計にしつつも、シンプルでメンテが簡単なサインを作った方がいいと。


「パブリックデザイン」と言えるのかわからないけど、「デザインの力でオリンピックまでに解決できないだろうか?」と前々から手羽が思ってるものがあって。

それは、駐車場の「」「」マークです。

漢字だから全然グローバルでもバイリンガルでもユニバーサルでもないんですよね(笑)
この写真はミッドタウン駐車場なんだけど、「おもてなし」のミッドタウンでさえそうなんだもん。

でも、日本語・漢字を使わずに説明するのがそんなに難しい情報ではないと思うんです。
駐車場によっては空車の場合は「P」を出し、満車だと非表示にするところもあるし、「○」「×」や色(色だけだと問題あるか)でも十分伝わると思うのだけど、あえて多くの駐車場が「空」「満」表記を選ぶのは何かあるんだろうか。

東京オリンピックまでに、オリンピックをきっかけに統一できないかと思ってる次第です。


サムさんは最後にこうおっしゃってました。
統一性のあるパブリックデザインを推進・実現する上で大事なのは、
(1)ユーザー・行政などを説得するだけのデータ
(2)行政と民間の仲介役・ポリティカルブローカーの存在
(3)プロジェクトの中心的プレイヤー
(4)誰がどうやって何を決めるかはっきりさせる

と。
タイトルバナーがその時の写真です。

「えーと・・・これ、東京に対する嫌みですか?」的なポイントで(笑)、まさに今日本で起きてるのはこれがないからで・・・。
多分手羽以外の人も「それができない(できにくい)から揉めてんじゃん!」と心の中で逆ギレしてたんじゃないかしら。
そして、シンポジウムでもその話が中心になったんじゃないかと推測。


ひとつだけ言えるのは、「2020年」というデッドラインがはっきりしてること。
ちなみにサムさんはオリンピック7年前からプロジェクトを本格的に動かしだしたそうで「あ。東京はあと5年あるし、まだギリギリ間に合うタイミングじゃね?」と思ったら、さらにその6年前から調査など活動をスタートさせてたそう・・・。

2020年に日本のデザイン力はどれくらいなのかはっきりとわかる。
それは、「日本のデザイナー力」ではなく、「日本人のデザイン力」。



今日のまとめ
●手羽美★の駐車場は空車は☆で満車は★表示にする

よし、手羽美術大学★開設の野望がまた一歩近づいた!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。