【80→90→100→110】2019年度ムサビ全学研修会に行ってきた

2019年10月22日(火)

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10月21日(月)、ムサビは芸術祭準備期間に入りました。

朝来るともうこんな感じ。
芸術祭とは学園祭のことで、

武蔵野美術大学芸術祭は10月25日(金)-27日(日)に開催されます!
ちょっとムサビの学園祭は違うのでぜひお越しください!!
あ、ムサビ生で紹介してもらいたい企画・イベントがあったら連絡ください。木曜日あたりに宣伝します。


芸術祭準備・片付け期間の間は授業は休講になるんで「先生はその間旅行に行ったりしてるんでしょ」と思うかもしれませんが、今はなかなかそういうわけにはいかず、

21日はFD[委員会主催の専任教職員を対象とした全学研修会が行われました。FD/SD研修ってやつですね。

今回のテーマは「Beyond2029 明日のMusabiを構想する」。
今年2019年は90周年、つまり10年後の2029年にムサビは100周年を迎えます。
どういう教育改革や実行、構想が必要なのか、そして何をレガシーとして継承していくべきなのか話し合おう、と。


んで、理事長・学長挨拶、FD委員会委員長趣旨説明の後、

80周年記念事業を担当し、100周年構想準備委員でもある手羽が冒頭にプレゼンさせてもらいました。

「新しい先生もいるので、80周年記念事業から振り返って」というご依頼をいただき、ずっとスライドを作ってたんです。

これが思ってたよりも大変で・・。
持ち時間は25分だから最近やってる中では短めのプレゼンだけど、今回は1からスライド、というか構成を作らないといけないし、先生も聞いてるからあんまり変なことも言えない・・・変なことを言ってたような気もするけど。
いつもやってる美大の話はありもののプレゼンデータを最新版に修正したり、流れを整えるためにスライドを付け加えるだけでいいから、せいぜい新しく作らなくちゃいけないスライドは半分ぐらいなんですよね。何より自分のテリトリーを好き勝手にしゃべれる気楽さがあって(笑)


考えた末、テーマは、

「80→90→100→110」としました。
何故かは後で。

まずは振り返り。
80周年記念事業では、募金事業、奨学金事業、大学史事業のほかに


  • 2号館や図書館の新設や4号館耐震工事など建築事業もあったし、

文化事業として、様々な展覧会や「国際デザインシンポジウム」「世界美術大学学長サミット」等を行いました。

そのあとのキーとなるのが世界美術大学学長サミットと思ってます。
東京5美大と東京藝大、海外美大学長クラスで「世界美術大学学長サミット東京宣言」を調印し、これを機に美術系大学連絡協議会、そして全国芸術系大学コンソーシアムが生まれます。
宣言自体よりも「みんなで話し合う場ができた」というのが大きく、

文化芸術アソシエイツ人材育成プログラムだったり、この10月には東京藝術大学、東京造形大学、武蔵野音楽大学、国立音楽大学、東京学芸大学、武蔵野美術大学で「芸術教科等担当教員等研修会(全国研修会)」を同時開催しています。
教員レベルで他大学とのつながりは既にあったけど、大学レベルでの合同実施は初めてのこと。
また、先日行った東京4美大合同若手職員SD研修も美大連絡協議会始まりの出来事。

「80周年だ!わーい!」と単発の花火を打ち上げるだけじゃなく、「ムサビだけじゃなく美大業界で次につながった大きな動き」という意味では、世界美術大学学長サミットがもっとも印象深いです。

また、

ロゴマークやコンセプトワードも作られました。
「生きる、をつくる。 つくる、を生きる。」、あらためて見てもいい言葉だなあ。


次に80周年から90周年までの動き。
ムサビにとって大きなものは2つあり、1つは文科省「グローバル人材育成プログラム」に選定されたこと。「ムサビといえばグローバル」と言われるようになったのはここから。

そして2つ目が、

都市計画道路関連のキャンパス整備です。
「キャンパスが分断される」というネガティブな要素をどうポジティブに変換させるか、がテーマでした。


そして90周年。
法人として90周年事業は設定してないけど、新学部等・市ヶ谷キャンパス開設はそれにあたるかな。
あ、市ヶ谷キャンパスといえばブログを休んでる間にオリンピックのマラソンが札幌になりましたね・・・「市ヶ谷キャンパス前がマラソンコース!」と自慢してたんでタマビスタッフから「手羽さん、元気出して」と応援メッセージをいただきました(涙)
奥さんの札幌の実家前が札幌マラソンのコースなので、こうなったら札幌でMAUの旗を振ってやろうと思ってます。東京モンをなめるな!(福岡出身だけど)

もひとつ市ヶ谷といえば、MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスのバターチキンカレーが

サラダとスープのセットで600円になり(今までカレーだけだった)、なおかつ追加でトッピングもできるようになりました!これは安い!!

手羽もそうだけど、リンクロウも無印のバターチキンカレーが大好物で、「トイレットペーパーが無くなったから買ってきて」ぐらいのレベルで「無印のカレーが無くなったから買ってきて」と頼まれて

しこたま買ってきたくらい。
レトルトのカレーだと圧倒的に無印のカレーはうまいですね。二人とも辛いのが苦手なんで、甘口じゃないとダメだけど。

・・・えーとなんの話だっけ。もう少し無印のカレーについては語れるのだけど・・ここまで宣伝したら無料でくれないかしら・・・そうそう。振り返りはこれくらいにして、ここからが本題です。


100周年構想準備委員会のミッションは、100周年構想や事業体制組織を考えること。
で、準備委員会の下に100周年ではなく110周年、つまり2039年時にムサビに在籍する若手教職員を中心に100周年構想ワーキングチームを設置し、これからのビジョンや構想原案を考えてもらったのです。

フォアキャスティングとバックキャスティングで、レガシー、ミッション、アクションを考えてほしい、という依頼。

なぜ2029年じゃなく2039年時にムサビに在籍する若手教職員なのか。
「今120万人いる18歳人口が2040年には80万人になってるから」「中央教育審議会が『2040年に向けた高等教育のグランドデザイン』の答申を出したから」等外的要因もありますが、内的要因が2つあって。

まず一つ目。脱線気味に入ります。
10月15日にモダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織「ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)」の方々が来校されました。

芦原義信先生が設計した正門、1号館、4号館、中央広場、7号館、美術資料図書館(現:美術館)、鷹の台ホールが2017年度 DOCOMOMO Japan 「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されたことによるもので、この日会長からDOCOMOMO Japan選定プレートの贈呈を受けました。

ちなみに視デ・寺山先生はDOCOMOMO Japanのデザインに関係していて、このプレートも寺山先生デザインなんです。


すごくありがたいことなのですが、ムサビの主な建物の竣工年と年数を一覧にすると、

2029年には2000年以前に建てられた建物のほとんどが50年を超えることになり、「大規模改修してレガシーを継承し使い続けるか or バリアフリーに対応した建物に建て直すか」がムサビの喫緊の課題になっています。保存も大事だけど、下手すると大規模改修より建て直した方が安くつくし、取り壊さず作ってばかりじゃ減価償却が増える一方なんだよね・・・という悩み。

といって、建て直すとしても100周年といえばやはりいろんな大学がやってる「100周年棟」みたいなものを真っ先にイメージしますが、これからの未来、はたして「ごっつい豪華な占有の箱」が必要な時代になるのだろうか、という疑問もあります。
大学はこれまで「100台PCが並ぶ最新のパソコンルーム」とかそういうインフラ自慢をしてきたけど、今そういう写真を見るとなんか古臭い感じがすんごくするんですよ・・。おじさんの「所有意識」というか。

そういう意味では、9号館1階にできたゼロスペースはテーマが「居場所を作る」で、「工房」「PCルーム」と違った今どきの柔らかいアプローチをすごく感じます。
これからは「ごっつい施設」ではなく、コト重視・学生視点重視な方向に行くはずで、所有したい意識の強い私たちおじさん視点だとどうしても「高層の100周年棟じゃ!」となってしまう怖さがある。
そして、そもそも建物先行の考え方がまずく、「ムサビや美術・デザイン業界を将来どうしたいか?どうあるべきか?」な夢に近いビジョンを若い人に考えてほしい、そこから何をするべきか?を考える真っ当なタイムラインを構築したいから、というのが1つ目。


そして2つ目。
計算上、2029年までに定年退職してる専任教員が3割、職員が約2割で「あ。たったそれだけなんだ」と思っちゃうんだけど、その直後に「年齢の塊」があるから、その5年後の2033年には教員の6割、職員の5割が定年退職してるんです。この日全学研修会に参加してる人の6割近くが15年後・・ちゃんと書くと13年度には定年でムサビにはいないってことなんですね。
「110周年」のことを頭のはじっこに入れながら100周年構想を考えないとレガシーの継承なんてできないし、自分たちが恐らくお腹をポッコリさせながら総務グループ長や主任教授をやってる姿をイメージして考えてほしい、というのが2つ目。

これが今回「80→90→100→110」をキーワードにした理由で、私たちが動いてる他のことも「110」「2039年」をテーマにしています。

てな話を専任教職員の皆さんの前で。
最近プレゼンぐらいでは緊張しないんだけど、やっぱりこの人数の先生方の前だと久しぶりに緊張しました(笑)


続いて100周年構想ワーキングチームの座長からワーキングチームで行ってきた議論の報告。
ワーキングチームはかなりの短期間勝負で大変だったと思いますが、本当に頑張ってもらいました。

座長は彫刻学科の冨井先生。
まさかの彫刻学科の先輩から後輩へのバトンリレー。ムサビの未来は彫刻でもってるんだな。
ちなみに「冨井、お前ふざけてないで、ちゃんとしゃべれよ!」と思ってたら、スタッフから「冨井先生って手羽さんのしゃべり方と似てますね」と言われたのがショックで。撮影スタッフからは「手羽さんはずっとクネクネ動いてるからぼけた写真しか撮れない」と言われたしさ。


その後、「レガシー」「ミッション」「アクション」の3つの分科会に分かれて集中討議に突入。

手羽が参加した分科会「アクション」の進行役は建築・鈴木先生と油絵の吉川先生。
様々なアイデアが出て、最後みんな集まって全体討議・・・という1日でした。
惜しむらくは最後盛り上がったので、最初の手羽の素敵なプレゼンのことなんて誰も覚えてないだろうなーということかしら(涙)

徐々に100周年に向けた動きが公開されていきますので、ここから10年ムサビに注目しててください。


以上、日曜に人生で初

「車のタイヤがパンクする」を経験した手羽がお送りいたしました。
「乗ってたらパーン!」とではなく、気が付いたらパンクしてたというとっても地味で残念な経験で・・ま、危ないから高速運転中じゃなくて良かったのだけど。
「何だ このスペア 丸坊主かよ」なセリフを言ってみたい夢もあったけど、そもそもタイヤ交換できないし、スペアタイヤ積んでないし。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中