ひねくれ視点から作るフリーペーパー【Seel編集部】

立教大学のメンバーのみで活動をしている「Seel」。「THE DOOR TO CULTURE」を掲げ、様々なカルチャーに対して門戸を開き続けています。今回はSeel編集部の11代目の代表、村上茉奈さんに、フリーペーパーへの想いを語っていただきました。これを読んだら、あなたもフリーペーパーのドアをくぐってみたくなるはず。

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ーそもそも、『Seel』とは?

SFF:まず、Seelについて教えていただけますか?

村上さん:Seelは、立教大学を中心としたフリーペーパー団体です。年に3回、フリーペーパーを発刊しています。デザイン、営業、広報に分かれており、「THE DOOR TO CULTURE」の理念を掲げ、全国の大学生をターゲットに活動しています。


SFF:「THE DOOR TO CULTURE」って、どんな意味合いがあるんですか?

村上さん:カルチャーに対する入口を提示していこう、っていう意味です。でも、あくまで「DOOR」であって、入口の役割を担うのがSeelだと思っています。だからこそ、特集するカルチャーに対する知識がなくても楽しめるように心がけています。専門的なことばかりでは、「DOOR」ではなくなってしまうので(笑)。

SFF:なるほど......。話を聞く限り、企画を決めるのが大変そうですね。

村上さん:今Seelにはだいたい30人いるんですけど、企画を決めるときは、全員がプレゼンテーションをします。このときに大切なことがあって。それは「カルチャー」、「Seelなりの切り口」、「メッセージ」の3つなんです。これを元に、企画を決めていきます。


SFF:「Seelなりの切り口」っていうのは、どんな感じなんでしょうか?

村上さん:一言で言ったら、「ひねくれ」ですね(笑)。世間一般で持たれているイメージをそのまま紹介するのって簡単だし、それこそ誰でもできると思うんです。だからこそ、そうではない、Seelにしか取り上げられない視点から、カルチャーを取り上げ、発信していく。これこそが「ひねくれ」であって、「Seelなりの切り口」であると思います。



ー『Seel』の考えるフリーペーパー

村上さん:フリーペーパーを作っているんですけど、あんまり「無料だから」みたいなことを考えたことがないんですよね。

SFF:というと?

村上さん:無料かどうかっていうところは、私たちのモチベーションには繋がっていなくて。私たちは全国の大学生をターゲットにしていて、配送も行なっているんです。今のところ、送料はSeel持ちで(笑)。自己満足かもしれないけれど、まず、『Seel』を読んでくれる人がいることがとても嬉しいです。その中で、反応をくれる人たちがいるんですよね。「ここがよかったよ〜!」っていう。そういう読者からの声が、さらに私たちのモチベーションに繋がっています。

SFF:なるほど。それはある意味、読者に「ひねくれ」が伝わった瞬間なのかもしれないですね。

村上さん:Seelに入ってくる子たちの動機は、「雑誌を作ってみたい」であったり「文章を書いてみたい」であったり、本当に様々なんですけど、ベースにあるものは同じだな、と感じていて。それは、「発信する」ということなんです。「自分はこのカルチャーをこう捉えた!」ということを、発信したい、届けたいっていう。もちろん、作っているときは大変なこともたくさんあります。でも、この意志があるからこそ頑張れるし、発刊したときの達成感も大きいんだと思います。実物を手に取ったとき、「あー、頑張ったな!」って思いますもん(笑)。



ー「紙」である意義

SFF:フリー「ペーパー」である必要性って、どんなところに感じますか?

村上さん:「モノ」として残るところですね。紙であるおかげで、直接読者に届けることができますし、保管してもらうことができる。「そういえばあんなのあったな〜」って思ったときに、手に取れることって、すごく意味のあることだと思います。

SFF:そこがデジタルと大きく違う部分かもしれないですね。

村上さん:あとは「モノ」として残ってしまう分、責任を持つことができると思うんですよ。

SFF:というと?

村上さん:紙ってデジタルと違って、一回印刷したら、もう直すことができないじゃないですか。「モノ」として残ってしまうので。だからこそ、入稿が近くなると必死に校正をしています。みんなで集まって、一晩中。デジタルだったらこうはいかないと思うんですよね。紙であることによって、責任をもって発刊することができていると思います。


ー『Seel』の未来

SFF:『Seel』に対して、これからどうなってほしいとかってありますか?

村上さん:そうですね…...。「ひねくれ」た中にも、絶対にかっこよさがあってほしいと思います。取り上げるカルチャーは、なんでもありなんです。大切なのは、自分たちが面白いと思ったカルチャーを、どう表現するか、届けるか。そこにかかっていると思います。

SFF:「ひねくれ」の行き着く先がかっこよさなんですね(笑)。

村上さん:はい(笑)。それこそが、『Seel』だと思います。


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Seel編集部(@Seel_magazine

立教大学を中心に活動しているフリーペーパー制作団体。年3回、フリーペーパーを発刊している。「THE DOOR TO CULTURE」のコンセプトのもと、毎号異なるカルチャーを取り上げている。2019年7月、Vol.35 『食とシコウ』が発刊。お取り寄せはHPから。

HP:https://seel-magazine.com/

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文章:SFF広報部 久保田寛大 (@t0m0x0
写真:SFF広報部 渡邊瑛人 (@akito_photo.jp

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SFF2019では、学生フリーペーパー団体へのインタビューを連載中。
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