美大生が注目されるような番組名を考えてみる

2019年1月4日(金)

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あけMAUしておめでとうございMAU!


手羽の年末年始ですが、2018年最後の記事に書いたとおり、晦日にリンクロウがインフルになりまして。
今年受験のあかりちゃんにうつすわけにいかず、完全隔離状態にしてたもんで、家族っぽい年越し・正月イベントはほぼやらず、どこにも出かけず、テレビを見て過ごした三が日でした。


紅白歌合戦でムサビOB・メイガスさんがウッチャンから何度も「メイガス!」と呼ばれてるのが嬉しくなったり、「笑神様は突然にスペシャル」でタマビが長い時間紹介されてそれをボーと見てたら奥さんから「なに。あんたジェラシっとるの?」と言われたり、毎年楽しみにしてる「新春テレビ放談」でスナック理論にうなずいたり、「平成ネット史(仮)」で「侍魂見てたなあ・・この時期にブログをやろうと思ったんだよね・・」と感動したり、全然興味がない箱根駅伝を見せられたりしつつ、思ったことを。


「アーホ」みたいな純粋な(?)アート紹介番組ではなく、美大生を主体とした番組は作れないだろうか。
はい、正月らしくユルユルな内容です(笑)


以前、やっぱり正月に「ロボコンみたいなテレビ放送向きの美大対抗企画を作れないかな」と考えたことがあります。
箱根駅伝とロボコンから、美大対抗コンペの提案
分析した結果、
・わかりやすい判断基準を持つ競争(勝利)
・チームワーク(友情)
・継続的な頑張り(努力)
・地元を意識したやり方(つながり)

の要素がそろってれば強力な共感システムが生まれ番組として成立し、みんな絶対に興味を持つはず・・・だけど、逆に美術・デザインが世の中に浸透(正当化)されないのはこれらが見えない(見えにくい)からでもあることがわかりました。

ただ、これは「美大対抗戦」を前提にした場合で、単なるテレビ番組としてだったらどういうことが考えられるのか。

最近の番組名を書き出してみると、
・YOUは何しに日本へ?
・世界!ニッポン行きたい人応援団
・世界ナゼそこに?日本人
・ヒャッキン!〜世界で100円グッズを使ってみると?〜
・家、ついて行ってイイですか?
・ハイパーハードボイルドグルメリポート
・ポツンと一軒家
・激レアさんを連れてきた。
・あいつ今何してる?
・池の水ぜんぶ抜く
・発掘!リアル日本昔話~アレがないときどうしてた?~
・昔ココ住んでました!っと芸能人がいきなり訪ねるTV
・車あるんですけど?
・出川哲朗の充電させてもらえませんか?
と、タイトルでだいたい内容がわかるものばかり。・・というかほとんどテレビ東京ばかりだけど。
これらを参考に「タイトルで中身がわかる」「人との触れ合い(ドラマ)が発生する」「新たな発見」が生まれそうな企画タイトルを考えてみました。 


美大生、黒板に絵を描く
うーん、普通だ(笑)
これだけじゃ単なる黒板ジャックでここにドラマ要素が必要なんだけど、そうなるとシーンは廃校間近な学校か卒業式・・・ってだいたい絵が想像できちゃうなあ・・既にやってることだし。。

美大生、そこにあるもので作品を作る。
取り壊す工場や家に転がってるもので、美大生が作品を作り、最後にそれを見た主人が涙を流して終わり・・・ってこれだけだと「大改造!!劇的ビフォーアフター」とあんまり変わらない。
それにリフォーム的なものだと嬉しくて泣けるけど、涙を流すような現代美術作品となるとハードルが高すぎる。

あなたの似顔絵、描きます。
街頭で「あなたの似顔絵描かせてください」とお願いする。
・・でも描いて終わってしまうか・・だいたい似顔絵描きは14-17分ぐらいで描くもんだし・・じゃその人の家について行って自宅で・・ってこれじゃ単なる「家、ついて行ってイイですか?」だな。なかなか番組を成立させるには難しい。

遺影を描かせてください
テレビ番組っぽいのはこれかな。お葬式の遺影は急いで準備するので、どうしても無理やり写真を拡大して切り取った感じが否めない(最近は普通の写真を使うことが増えてきたけど)
亡くなった方のことを家族や職場の人からいろいろ聞いて、その方の最高のシーンを切り取ったような肖像画を描いてプレゼントする。これができるのは絵しかなく、またドラマも見つけられる。
似てなくて西郷糸子みたいなことが起きる可能性もあるけど(諸説あり)


これまでの案が「ステレオタイプな美大生技術」を使ったものだから、「結局そこかよ。絵を描くだけが美大生じゃないんだよ!もっと本質を見ろ!」と美大生愛好家みたいな人から苦情が入る可能性が高い。
となると、考えられるのはこれ。


上司の悩み、デザイン思考で解決します。
ほんとは「中小企業の社長さんの悩み」としたかったけど、自治体の悩みも対応できるように「上司」としました。
番組として成立しそうなのはこれかなあ。キャッチなキーワードも入ってるし。

美大がやってる産学連携をそのまま見せればよく、社員さんや市役所の人にヒアリングをし、課題を見つけ、複数提案し解決し実現する番組。
やってることはコンサルだから「プロにお願いしちゃえば?」だけど、これを美大生にすることでいろんなドラマが生まれる可能性が出てくるんですよ。

グループに分かれ、ガツガツ組とのんびり組が自然とできる。
そしてクライアントへのヒアリングや視察で予想外な問題点が見つかり、社会の仕組みを学ぶ学生たち。
内定が決まる学生が出てくる一方、課題や産学に集中してたから就活をやってない学生もいて将来への不安、焦りを語る。
何にも伝えずに連絡用LINEから姿を消した学生に「もう少し頑張ろうよ」とみんなで説得する。
自分たちもこんなに悩みがあるのに、なぜ他人の悩みを解決しなくちゃいけないのか、という葛藤。
中間プレゼンで教授からボロクソに批評され泣く。
そんないろんな障害を乗り越えながら最終プレゼンに向けて徹夜で頑張る。
単なる構想企画提案じゃなく具現化提案できるのも美大生の強み。
そして発表されたものは当初思ってたものと全然違う提案で、クライアントは感動して涙を流し、一つだけ採用され、いよいいよ実現した日・・・的な3か月間のストーリー。

「友情」「努力」「勝利」「つながり」があり、皆さんが大好きな若者の葛藤や涙もある。
そして学生さんの提案だから社会人から見たら甘い提案がもちろんあり、「いやいや。それじゃダメだよ」とツッコミどころがSNSと相性もいい(炎上するだろうけど)。
また、例えばPolicy Lab. Shigaはすごくいい動きだけど、課内に持って帰ったら「で、どこが責任もってやるんだ?」な業務範囲(縦割り)という根本問題にぶつかり、ほったらかしになるのは大人社会ではよくある話。そういうことを知るのも若い人には学びになる一方、番組で扱えばテレビにそんな面を出すわけにはいかないから改善実行につながるはず。
テーマソングは米津玄師に作ってもらって。


テレビ東京さん、いかがでしょうか。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。