Tokyo Midtown Award2018授賞式に行ってきた -アートコンペ編

2018年10月21日(日)

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●これまでのあらすじ
ミッドタウンアワード2018授賞式があり、デザインコンペ受賞者10組中3組、優秀賞3組のうち2組がムサビで、なおかつ在学生もいて、ムサビOBの作品が商品化→グッドデザイン賞を獲り、トロフィーもムサビの先生が作ったことが判明。とうとうムサビの時代が来たんじゃない?と興奮する手羽なのであった。

【ムサビの時代が来たのか?】Tokyo Midtown Award2018授賞式に行ってきた -デザインコンペ編


次はいよいよアートコンペの発表です。

アートコンペは2次公開審査があり、そこで絞られた6作品が事前に展示されてるので「やっぱりこれが最終審査に残ったか」「これがグランプリかなー」と想像する楽しみがあります。

はたして236作品の頂点に立つのはどれか。


まず優秀賞4作品の発表です。

最初は泉 里歩さん「時は建築家、民衆は石工」

泉さんは、現役のムサビ油絵大学院生で、旅するムサビをやったり、夏は東工大合同ワークショップ
【キレイの主役はどのグループに?】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2018」by楽天ビューティ最終プレゼンにいってきた4
に参加したり(上記記事にもちょいちょい出てきます)と良く知る学生さんでして。
手羽が知ってる学生さんが受賞したのは初めてで、なおかつ学内アワード説明会に参加して申し込んだ初めての受賞者なんですよ。

アワード公開審査が終わった後に泉さんから「講評会で教授達から『泉はプレゼンが下手』って言われたから、あえて人前に出て鍛えようと思った。それが東工大合同WSだしミッドタウンアワード」と聞いた時に、手羽ちょっと泣きそうになりました。
なのでこの受賞は「ムサビ生が」とか「知り合いが」じゃなく、お父さん状態で嬉しくて(笑)

あ、オーソドックスな油絵平面作品が受賞するのは初めてだと思います。
これまでは油絵がベースでも立体にしたり、他の素材を混ぜたりしたものが選ばれてたんで、「純粋な平面油絵でもチャンスはあるんだ」と油絵学科の学生さんにとって朗報と言える出来事かもしれません。

そして優秀賞ではあるけど、

色味的に派手なのもあって(笑)、ミッドタウンさんがリリースしてる今年の展示風景カットで泉さんの作品メインの写真が一番使われてるんです。
勝ったな、と(なにが?)。


2作品目は

髙 瑞雪さん「"Stand Up!"」。
髙さんは広島市立大学大学院修了。


3作品目は

YU SORAさん「普通の日」で東京藝大大学院在籍 。


最後の4作品目は

田中 優菜さん「愛おもう屋台」で広島市立大学の現役学生さん。
審査員特別賞も受賞されてます。
審査員総評を聞いてると、この作品で盛り上がった感じですね。


残るは準グランプリとグランプリだけ。どっちの名前が先に呼ばれるのか。


準グランプリは

下村 奈那さん「星圖」。
下村さんは東京藝大大学院修了。


てことは、

栄えあるアートコンペ2018グランプリは・・・

青沼 優介さんの「息を建てる/都市を植える」!

どういう作品かは、近づいてよーく見るとわかります。

タンポポを春のうちに採取して、ドライフラワーにし、一本一本くっつけて積み重ね都市に作る・・という作品。

後出しじゃんけんみたいでアレですが、2次公開審査を見た後に「手羽ならタンポポだね」と周りに言ってたし、展示されてるのを見ても「多分やっぱりこれがグランプリだろうなあ・・」と思った作品で、手のかかり具合といい、その表現といい、納得の結果。


で、青沼さんは藝大大学院修了後、藝大デザイン科の助手をされてますが、実は・・・実は・・・ムサビ工芸工業デザイン学科卒なんです!!
こちらにも出ています。
卒展特集2012 | 武蔵野美術大学 | 平成23年度 卒業・修了制作展 レポート
ムサビOBでは2012年のアートコンペ太田遼さん(建築卒)とデザインコンペ市田啓幸さん(視デ卒)以来6年ぶりのグランプリ!
そう、2012はムサビOBがダブル受賞してて、
【受賞】 Tokyo Midtown Award 2012
その翌年にデザイン・ラウンジが出来たから「ミッドタウンアワードなんてちょろいから、ムサビがミッドタウンに入ったらもっと受賞しちゃうんじゃない?」と思ってたけど、それからは準グラまではいくんだけどなかなかグランプリは獲れず・・。

・・・え?青沼さんの最終学歴は藝大大学院じゃないかって?てかグランプリ・準グランプリは藝大じゃないかって?あ、それ言います?学部あっての大学院なんすよ!!全然気にしてません(強気)

アートコンペも2次プレゼンを再現。
アーティストも人前でマック使ってプレゼンできないといけない時代なんだな、と。


  • アートコンペは賞金100万円で、副賞はUniversity of Hawai’iのアートプログラムへの招聘

一緒に行ったラウンジスタッフに言われて気が付いたけど、洋服の柄もタンポポだ!

アートコンペ受賞者の皆さん。

ミッドタウンアワード受賞者は、アート作品制作委託だったり、アートナイトやキッズワークショップ等東京ミッドタウンで開催されるイベントの参加だったり、様々なサポートが待ってます。
受賞後の支援がミッドタウンアワードの最大の特徴ですね。

これも初めてか、もしくはかなり久しぶりだと思いますが、審査員全員が一人ずつコメントされてました。これは今後も続けてほしいですね。
川村元気さんは「司会の人がきれいな発音で『乳首』と連発してくれて、この作品を選んだかいがあった」とおっしゃってました(笑)

受賞作品は11月11日(日)までミッドタウン地下1階メトロアベニューで展示されてますんで、ぜひ見に行ってください。特に来年ミッドタウンアワードに出そうと思ってる人は。ギャラリーでなく通路だからいつでも見れます。

アートコンペ、デザインコンペのグランプリが全員男性っていうのは久しぶりなんじゃないかな。

結果については既に発表されてますので、詳細はこちらをご覧ください。
Tokyo Midtown Award 2018結果発表

授賞式の様子はUstで生中継されてたから、しばらくは録画が見れるんじゃないかしら。
Tokyo Midtown Award 2018 授賞式


あらためて、

受賞された皆さん、おめでとうございます!!


・・と、これで終わりでなく、もう一つ。


Tokyo Midtown Award10周年を記念するパブリックアート恒久設置のコンペ「The Best of the Best TMA Art Awards」が、2008年~2017年のアートコンペの全受賞者51組(53名)を対象にありまして、

ムサビOBである石山和広さんの作品が選ばれ現在制作中・・・というのは既に知ってたんですが、
「Tokyo Midtown Award」10周年を記念するパブリックアート恒久設置のコンペ「The Best of the Best TMA Art Awards」グランプリを決定する熱き審査会をレポート!
こちらの記事を読んでわかったのが、最終審査に残った6名中なんと4名がムサビOBだったんですよ!!
グランプリの石山和広さんは2005年ムサビ建築卒、小松宏誠さんは2004年ムサビ建築卒から藝大大学院、渡辺元佳さんは彫刻学科卒だし、FUKUPOLYさんは2000年建築学科卒。
しかし、その4名中3名が建築っていうね。

まとめます。
・ミッドタウンアワード2018のグランプリがムサビOBで、受賞者16人中5人がムサビで、うち2人が在学生で、優秀賞7人のうち3人がムサビ。
・アワード受賞したムサビOBが今年のグッドデザイン賞受賞
・過去10年受賞者の中から決める「The Best of the Best TMA Art Awards」で最終審査に残った6人中4人がムサビOBでグランプリも受賞。

・・・もう叫ばずにいられない。
ムサビの時代が来た!!来まくりやがった!!
学長!ムサビ90周年、新学科・新キャンパスというタイミングでようやく時代がムサビに追いつきましたよーーー!!



以上、

これだけ頑張ってるんだから、ミッドタウンさんも手羽にトロフィーくれないかしら、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。