お客さん目線でのワークショップで大事な12のS?

2017年4月29日(土)。今日は祝日だけどムサビは授業日なのでムサビ生は気を付けてね。

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ミッドタウンキッズワークショップ説明会で話した「ワークショップで求められる12のS」の補足説明をしています。
前半はこちら。
お客さん目線でのワークショップで大事な12のS!
ほんとにくどいようですが、ここで語っているのは「造形ワークショップの定義」や造形教育効果的な視点ではなく、あくまでも「参加者視点で求められるもの」ですのでご注意を。



手羽がこれが準備されてるだけで「ちゃんと考えてる団体だな」と思えるものがひとつあって、それは何かというと「sack」
つまり、「袋」です。

これは参加者じゃないと絶対にわからないことなんですが、作ったものを持って帰る袋が非常にありがたいんです。 立体だろうが、平面だろうが関係なく。できれば封筒ではなく手提げ袋。
作ったものを生で、または作ったものをいれた封筒を手に挟んで家に帰るのは、めんどくさいし、ジャマになるし、みっともないし、手が疲れる。作品や封筒が入るような大きなバックを持ってきてる可能性は低く、ミッドタウンにやってくるようなアッパー層なファミリーは皆無。
多くの場合、途中で子供も飽きて雑に扱われるか・・・途中で捨てます(経験あり)

もちろん袋がなくても誰も文句を言わない(言えない空気)けど、「これに入れてください」と言われると「あ。この団体はわかってるな」となり、さらにその袋にも演出が入ってると「おお。細部まで気を配ってる。やるな、こいつら」と感じられるんです。袋があると「大事に家まで持って帰ろう」という気持ちも子供に発生する。
作品ができた後のこともイメージできてるか、そうじゃないかってすんごく大きいのね。
なので採用されたグループには必ず「ナマで作品を渡す行為だけは絶対にやめてね」と伝えています。


ここから2つは「お客さん目線」というより「運営」としての意味合いが強いですが、ひとつめは「Schedule」
本番は「8月10日から14日のどこか1日」と指示されています。
夏休みに入ってから集中的に制作することになるはずですが、サークルの合宿等が入ってると完全に作業がストップします。でも課題と違って「忙しくて間に合いませんでした」は全く通用しません。
また、「採用されたらあとはお任せ」ってことは絶対になく、社会連携チーム、それとミッドタウンさんと何度か打ち合わせをやってもらうことになります。400個以上のモノと装飾制作、そして打ち合わせをやるには、かなりスケジュール管理能力が問われます。


次に、「Staff」
終日子供400人以上に対応しなくちゃいけないワークショップです。
大人相手だと1テーブル1人ぐらいスタッフがついてればいいけど、子供だと2,3人必要になってくるのね。どうしても子供向けとなると対応人数が多くなってしまうんです。なので交代で休憩を取ったりすることも考えると、学生スタッフは20人以上必要なはず。
お盆の時期にどれくらい「ちゃんとした」メンバーを集められるかがポイントで、採用が決まったらすぐにメンバー確保に動いた方がいいかも。


そして、「Soshina」
「粗品」です。・・・そんな都合よく「S」の英語なんてないっすよ(開き直り)

別に参加賞としてタオルとか石鹸をあげろってわけじゃなく、「作ったものを持って帰れるようにしてね」ということ。
作ったものを持って帰れなくても、何かそれに関係するもの、「こういうのを作ったんだ」とわかる粗品的なものがあれば参加者の満足度が上がります。

「え。そんなの当然やん」と思いますよね?
実は普段私たちがやっている「造形ワークショップ」・・・造形から「気付き」を見つけるのが目的のワークショップだと、 作ったものを会場に貼ったり置いたり、みんなで大きな絵を描いたりするんで、持って帰れないことの方が多いんです。
最後にズラっと見せて、「いやー、いろんなアイデアがあるんだねー。みんな違ってみんないいんだねー。美術って面白いねー」と子どもに気づかせる手法なのですが、参加者からすると「え。せっかく作ったものを持って帰れないの?」で。
場合によっては、「最終日に撤収するんで、その時だったら渡せますけど」と言われたり。
(「美術教育効果」視点ではなく、「参加者視点」で書いてます)

「終わった後に子どもたちの作品をどうするか」が最初の計画から抜けてることが多く、保管場所もないし、郵送するにもお金がないんで結局廃棄の道を選ぶのもよくあること。でも参加者からすると「廃棄するんだったら最初からくれたらいいのに」「見栄えのために私たちは協力したのか?」であり。
(くどいですが「参加者視点」で書いてます)

やっぱりせっかく参加したんだから、作ったものを家に持って帰ってパパやおばあちゃんに「こんなの作ったんだよー。見て見てー」と自慢して家に飾りたい。それで「へーー。こんな立派なものが作れたんだー。イチロウは絵がうまいねー。将来は芸術家かなー」と褒められたい。

ちなみに手羽家には、


  • これはほんの一部です・・。

ワークショップで作ったものを陳列するコーナーがあります(笑)


そして、せっかくここまで大々的にやってるんだから、ついでに「どこがやってたの?あ、武蔵野美術大学?さすがムサビの学生さんはすごいねー。すてき!」と言われたいよね。
はい、これが次のSである

「Suteki」です。
・・・なんか文句ある?(完全に開き直り)


つづいて、「Saifu」
財布、つまり予算管理ですね。
つい夢を膨らませすぎちゃうけど、予算が決まってるのでその中でちゃんとやってね、それ以上は自腹よ、ってこと。


そして、次がこのワークショップの最大のポイントとなるSでして、

「Shougyou shisetsu」
「商業施設」です。わざわざSにする意味が全くないのはわかってるけども。

大学主催で小中学校や美術館、公民館等公共施設でやるワークショップであれば「学生の教育研究のため」を主目的におけるけど、開催場所が六本木の一等地にある商業施設「東京ミッドタウン」で、そこからの依頼である以上、「いかにお客さんに喜んでいただけるか?」が最重要項目。

ちなみにイベント実施直前にホスピタリティ研修、通称「ホス研」をスタッフは全員受けなければいけません。
「ホスピタリティ」とは「おもてなし」の意味で、「1日のイベントといえどもミッドタウン内でスタッフ腕章をつけている以上、お客さんは『ミッドタウン関係者』としてあなたに接します。なのでミッドタウンの人間として対応してください」 ということなの。

例えば、お客さんから「トイレはどこですか?」と聞かれて、「あ。私は今日だけの人間なんでわかりません。受付に聞いてもらえます?」と初歩的な情報まですべて受付に回してると、受付も混乱しちゃうし、お客さんもたらい回しにされてる悪い印象を受けます。ほら、ムサビ生だと1号館事務局でたらし回しにされるでしょ?あれ、すんごく嫌なもんですよね。(職員だって、たらい回しにされることがあるくらいで・・)

自分も主催者側の人間だと認識し、他人事にせず、おもてなしの気持ちをもって対応する・・・制作物で満足度を上げることはもちろんのこと、こういう意識も必要なんです。


「なんか注意しなくちゃいけないポイントが多くて面倒な企画だなあ・・」と思ったあなた。
それは間違っていて、なんでいくつも注意事項があるのか・・それはこの最後のS、


「Smile」


を見たいから、なんですよね。
もちろんお客さんの笑顔もそうだけど、主催されたミッドタウンさん、参加した学生さん、友達が笑顔になってもらいたいための12のSであり、これさえ意識できてれば自動的に12のSはクリアできます。





・・・ん?・・・・12?


・・・・えーと・・・ひー、ふー、みー、よー・・・14個あるんだけど・・・おかしいなあ・・。


さて、ミッドタウンキッズワークショップ募集情報をまとめます。

企画書提出締切は「 5月15日 (月) 17:00まで」で、提出先・お問い合わせ先は「1号館3階社会連携チーム」です。通過者のみ2次プレゼンを5月25日(木)夕方にやってもらいます。
募集要項・申込用紙は下からダウンロードして使ってください。
募集要項(PDF)
申込用紙(excel)
土日祝以外であれば、必要な方は事前アドバイスを行いますよ。あ、ただ社会連携チームは外に出てることが多いので、事前に連絡もらえると確実です。

ムサビ生からのたくさんのご応募、おまちしております!!


以上、お客さん目線でのワークショップで大事な14のSでした!!(逃げ)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中