【美大受験生必見!】試験に出る石膏像

2017年1月17日(火)

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ムサビ卒展紹介は1日休み。
というのも、この情報を発見して、どうしても書いておきたい衝動にかられ・・。


それは今週20日(金)深夜放送のタモリ倶楽部です。(一部地域を除く)

この写真の手前の並び、石膏ボーイズそのままだな(笑)


そうなんです。なんと石膏像がテーマなんですって。
取材先の石膏像ドットコムさんのブログやFacebookを読むと
「タモリ倶楽部」で取材していただきました。|石膏像ドットコム店長日記
「美大受験に出そうな石膏像」「売れ筋べスト3」「売れないものベスト3」などの話題も出るそう。

そんな美大絡みの面白い企画に手羽が関係しないでどうする。
よーし、美大愛好家として、勝手に過去の出題から今年美大受験に出そうな石膏像を本気で当ててやるっ!!
てのが今日の趣旨でございます。


美大受験生と石膏像は切っても切れない関係です。
美術予備校に行って初めて描いたモチーフは石膏像・・って人はまだ多いんじゃないかしら。
手羽も石膏像で、ヘルメスだったのを覚えてるし、先生から「ん。手羽、現役で美大合格しちゃうんじゃないの?」と初めて褒められたのがミケランジョロなのも、ムサビ油絵学科の1次鉛筆デッサン(当時は1次足切りがあった)はマルスのド正面3列目(石膏描くには最悪の場所)で泣きながら描いたのも一生忘れません。これがなぜかいまだにはっきり覚えてるから不思議なもんで。
自分の好きな「推し石膏像」もみんなあって、手羽はアリアスです。

「この時代にまだ石膏像を描かせるのか?そんな前時代的な美術教育のやり方が(以下略)」という意見ももちろんあるんですが、構図・量感・質感・運動感・形のとり方・光を手っ取り早く学ぶには、なんだかんだわかりやすいモチーフですからね。初期トレーニングとして石膏像は外せないんじゃないかとは思ってます。


ただ、国公立さんは石膏デッサンが定番ですが、ムサビ入試で石膏像はこの10年出てないし(「静物の中の一つ」というケースはあったかな?)、タマビは昔から出してない。デッサンで単な基礎力を見るだけじゃなく、構成力や想像力も出題意図に入ってきてるので、私立美大全体では石膏を出さない傾向へ進んでるように感じています。
大学全体で必ず石膏像を出してるのは、東京では東京藝大さんぐらいじゃないかしら。

てなわけで、藝大の日本画・彫刻・工芸・デザインの過去問題から出題石膏を調べてみました。(油画も石膏が出てるかもしれないけどわからず・・)

*デザイン科入試は去年から石膏デッサンor構成デッサンの選択制になっています。

入試で出るような石膏像はそんな種類がないので、こう見ると各学科だいたい4,5年周期で回ってるのがわかります。また、平成26年度は工芸とデザインがブルータスかぶりしてるけど、基本的には同じ年に同じ石膏像は出てません。同じ年に出題しちゃうと大量の石膏像が必要になってくるんで、そのあたりは調整されてるのかもしれません。
「藝大試験で一番出題されてるのはマルス」と聞いたことがあるけど、この5年では1回ぐらいなんですね。あ、「聖ゲオルギウス」と「ジョルジョ」は同じかな?
てなことを踏まえて、今年の藝大入試は日本画はブルータス、彫刻は奴隷、工芸はジョルジョ、デザインはマルスと手羽予想を立ててみました。さて当たるか。


で、美大実技入試はチェックしてるけど、今までノーチェックだったのが日藝の演劇学科。
演劇学科装置コースは「鉛筆による石膏デッサン(2時間)」があるんですね。知らなかった・・。
で、調べてみると(1期・2期です)
H25 パルテノンヴィーナス・ホーマー
H26 ホーマー・アリアス
H27 不明
H28 アリアス・パルテノンヴィーナス

という出題。平成27年度入試だけがどうしてもわからなかった・・。ヴィーナス、ホーマー、アリアスの組み合わせみたいなんで、順当にいけば今年は第1期がパルテノンヴィーナス、第2期がホーマーってところかな。


ただ、ここからが本題なんですが。
さっきは「私立美大全体では」と書いたけど、学科単位でみると実はそうじゃない動きもあります。

まず、東京造形大学・彫刻は2016年入試から石膏デッサン+塑造に変わりました。
これまで「東京造形の彫刻入試」といえば女性ヌードモデルで、手羽も東京造形さんを受験する直前に対策で一枚だけ女性ヌードを描きました(田舎の画塾だったもんで)。ま、現役受験生が多くを占める現状だと女性ヌードモデルは出題が難しくなったかもしれませんね。
で、去年の出題は聖ジョルジョ(藝大の彫刻とたまたま同じだなあ)。
ってことは傾向としてブルータスの「量感!」みたいなものではなさそうだから、今年はモリエールあたりと手羽予想。


そして、今年から変わるのがムサビ彫刻学科です。
これまで鉛筆デッサン(男性モデルムービング)+塑造でしたが、今度の入試から塑造が廃止され、
●デッサンA[男性セミヌードムービングポーズ]
●デッサンB[石膏像]

のどちらかを選択することになります。(デッサンは鉛筆または木炭です)

ムービング以前はレリーフ石膏像が数回出題されたこともあるんで、「彫刻学科の石膏像出題が初めて」というわけではないんだけどね。
ちなみに「ムービングポーズ」とは、通常だとモデルさんはじっと静止してるけど、ずっと動いてる状態なのがムービングです。手羽の時は静止モデルだったんで、今の受験生はよく動いてるモデルさんを描けるなあ、と感心してます(笑)
うーん、初年度の今年は何が出るんだろ。流れ的なものだとジョルジョあたりかしら?運動感もはっきりしてるし(入試関係者以外は全く何が出るかわからないので書けるんですw)
・・・まさか石膏像がずっと動いてるとか・・ムービング石膏とか・・・・ムサビ彫刻はありえそうだから怖い・・。


以上、てなわけで入試が終わった後にどれくらい当たったか比べてみます、の手羽がお送りいたしました。
明日は「皆さんの卒展を紹介します!」をやるので、宣伝してほしい人は今日中に連絡くださいませ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。