「デザインの理念と形成:デザイン学の50年」展に行ってきた

2016年11月22日(火)

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11月19日からミッドタウン・デザインハブで始まったムサビ企画展「デザインの理念と形成:デザイン学の50年」のレポートをお送りしています。

これまでの話をこちら。
【デザインは分けられない】デザインの理念と形成:デザイン学の50年
「デザインの理念と形成」展のオープニングレセプションに行ってきた
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今日は会場風景をお届けします。

東京ミッドタウン・タワー5階につくと、大きなバナーがお出迎えします。
こちらがデザインハブ。

展示会場までの通路には、50年間のデザインと基礎デザイン学科に関する年表、それと1970年から2016年の卒業論文・制作 表題集が展示されています。
卒業論文・制作 表題集が全部取ってあることもすごいけど(意外とこれができないんですよ・・)、ほとんど体裁を変えずにここまで続いてる、一貫したポリシーが素晴らしい。
ちなみに「華の8期」の表紙は長澤学長が描かれたものだそうです。


展示会場はこんな感じ。
通路を白黒で統一して正面にメイングラフィックの赤を配置することで視線を誘導し、会場に入ると急に色が広がる。さすがです。
 
でも手羽は不安だったんですよ。

これは前日の午前中に撮ったものですけど「間に合うのかな(汗)」と。

さすがとしかいいようがありません。
 

また、始まる前までは地味な展示になるんだろうなあ、と思ってたんです。
「基礎デザイン学科」ですからね、文章の多いおとなしめなものになるんじゃないかと。


でも様々なデザインの実践がそこにありました。

この展覧会はデザインの50年間を見せるために、基礎デ各卒業年度から代表者1 名を選出し、出展依頼をしています。
出展された方に聞いた話によると(かなり要約してますが)
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基礎デの学びとこれまで社会と向き合った活動をつなげて、『これからのデザイン』を50cm×50cmの台の上で表現してください。
条件1 展示台の高さは2種類
条件2 「本を1冊ポーンと置いて終わり」ってのは不可
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とまるで実技入試のような感じだったそうです(笑)
でも50人以上のヒトクセもフタクセもあるムサビOBOGと展示調整された研究室の皆さんには感謝の言葉しか思いつきません。ありがとうございます!!


装丁・編集に関わった本、自分で書いた本を展示するにも


 


  • 33期 大原大次郎さんの作品。

様々なパターンの展示方法がありました。

こちらは36期生で東海大学教養学部芸術学科専任講師をされてる富田誠さんの作品。
10年間のデザイン活動やデザインテーマの変遷を振り返った冊子を作り出展されてました。PDFで読むことができますよ。
Science of design & Me (PDF File)



  • ロボットや、


  • パッケージデザインなどなど

「え。これも基礎デOBが作ったものだったんだ・・・」とびっくりしながら見て回ることに。

昨日紹介した現在ホテルの総支配人をされてる方の作品。


また、映像・メディアアート系の作品もあります。

TYMOTEの井口皓太さんの作品。
TYMOTEといえば、工芸工業デザイン学科のWEBサイトを制作してもらっています。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科


37期の伊賀千恵さん。手羽は勝手に「伊賀タワー」と命名(笑)
化粧品や広告、MVの仕事、卒業制作から展開して進めている「暦箱」のプロダクトを出展されてます。
 

関口信介さん、多田明日香さんなどなど、卒業して10年~15年ぐらいの層が厚い(熱い)感じがしますね。

今回展示はされてませんが、基礎デ卒の著名人だと、アウディ社のカーデザイナーをされてた和田智さんやスピッツの草野マサムネさん、経済株式評論家の木村佳子さん、ニッポン放送アナウンサーの増山さやかさん、村上龍さん(中退ですが)、脚本家の内館牧子さんなどがいらっしゃり、様々な分野で活躍されてるのが基礎デの特徴かもしれません。
 


ただ、手羽が一番気になったのはこちらの作品です。

27期の八重樫 文さんです(笑)
彼のこれまでの足跡を漫画で表現されてました。(マンガは里見慶さんが描いてます)
 

八重樫くんは基礎デを卒業後、


  • デザイン情報学科の助手を務め、


  • なんと東京大学大学院に進学し、

現在は立命館大学経営学部の教授をされてます。
(他大学で教授をやってる率も基礎デは高いかもしれません)

実は八重樫くんに頼まれて、2011年に立命館大学でタマビの米山さんと特別授業をやったんです。
手羽ちゃんのドキドキ潜入レポート -立命館BKC編3-
手羽ちゃんのドキドキ潜入レポート -立命館大学BKC編4-
もうあれから5年経つんだなあ・・最近までミラノ工科大学 客員研究員だったみたいだし、行ったときは准教授だったけど今は教授なのね・・そりゃ頭もハ(以下略)


専任教員も全員展示されてまして、

柴田文江先生に、

わらアートの宮島先生はわらと、教員の方がストレートな展示だったのが印象的でした。


あ、ストレートといえばですね、あえてこれが映った写真が入らないように今まで構成してきたんですが、

8期 長澤学長の展示はこれなんです。

「忙しくて本ぐらいしか展示できないよ」と原先生に伝えたら「長澤さんはその詰襟がもう完全にアイデンティティになってるんだからそれを展示してよ」と言われたそうです。
ちなみに正式名称は「詰襟」ではなく「チャイナ」で、これは記念すべき初代チャイナ。

貴重な2ショット。
あ、学長と言えば、11月25日(金)11:30から放送されるAM ラジオ日本「こんにちは!鶴蒔靖夫です」に登場します。
テーマは「飛躍する武蔵野美術大学の今とこれから」。マシンガントークで元気をもらいたい方はぜひ。



最後に大事な情報を。

東京ミッドタウン・デザインハブ 第62回企画展
「デザインの理念と形成:デザイン学の50年」

●会期:2016年11月19日(土)– 12月25日(日)
※11月23日(水)は閉館
●時間: 11:00 – 19:00 ※初日は18:00まで
●会場: 東京ミッドタウン・デザインハブ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階)
●入場料: 無料
●主催: 東京ミッドタウン・デザインハブ
●企画・運営: 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ| 武蔵野美術大学 基礎デザイン学科


展覧会は12月25日まで土日関係なく開催していますが、明日11月23日(水・祝)だけはミッドタウンタワーの全館停電のため休館となります。ご注意ください。

また、トークイベントは好評のため定員を100名から150名に増やしたんですが、既に定員に達し現在はお断りしている状況です。
ご了承願います。


以上、明日も基礎デがらみのイベントに出席するし、最近基礎デづいてる手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。