【デザインは分けられない】デザインの理念と形成:デザイン学の50年

2016年11月10日(木)

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もっと早く紹介したかったんだけど、レポートシリーズが続いてしまってこのタイミングになってしまいました・・。


いよいよこの展覧会が来週から始まります!!


東京ミッドタウン・デザインハブ 第62回企画展
「デザインの理念と形成:デザイン学の50年」

●会期:2016年11月19日(土)– 12月25日(日)
※11月23日(水)は閉館
●時間: 11:00 – 19:00 ※初日は18:00まで
●会場: 東京ミッドタウン・デザインハブ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階)
●入場料: 無料
●主催: 東京ミッドタウン・デザインハブ
●企画・運営: 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ| 武蔵野美術大学 基礎デザイン学科

 
年に1度、ムサビのデザインハブ大型企画展をやることになってまして、これまでいわゆる立体デザイン系学科が中心でしたが、初めての平面デザイン系(という表現は怒られてしまうのだけど)学科として、基礎デザイン学科の出番となりました!


「基礎デザイン学科」という名称から「デザインの基礎課程を教えてくれる学科」と思ってる方も多いはず。
でも、医学には「臨床医学」とiPS細胞等の「基礎医学」がありますが、「基礎医学」はすぐに役に立つものではないけど絶対に必要なもので、基礎デザイン学の基礎はこの「基礎」です。「物理学基礎」ではなく「基礎物理学」の基礎。
なので基礎デザイン学科の英語名称は「basic design」ではなく「science of design」。「基礎デザイン学」という学問領域なんですね。
私の世代は「基礎デ」というと「研究」のイメージが強いです。卒展も昔は論文ばかりで、展示がほとんどなかったんですよ。
ちなみにscienceの語源はラテン語のscientia(スキエンティア)で「人間の知」を表してます。


本展では、デザインの理念を基盤としたデザイン実践を通して具現化するデザイン思想、批評や啓蒙活動へ拡張されたデザインを提示します。
デザイン実践には、社会の大きな変動に対して先見性に富むもの、独自のデザイン領域を拓くもの、新たな造形の役割を提起するものなどがあり、それをどうわかりやすく表現するか考えた結果、「あ、ちょうど基礎デ開設50年だし、卒業生が社会の現実と向き合った50年の取り組みを1期ずつ紹介したら時代性も含めて見える化できるんじゃないか」ということで、基礎デザイン学科卒業生を中心とした50名によって構成されることになった、と。

基礎デザイン学科原研哉 主任教授のコメントを紹介します。

「私たちは、創造領域を幅広く横断していく視点から、デザインの営みへの思索を重ね、教育活動を更新し続けてきました。展覧会と関連イベントにより基礎デザイン学科の成果と足跡とともにデザインの50年の歴史を振り返り、また新たな50年へと理念を展望する契機としたいと考えます。」
 
 

「え?基礎デ同窓会展?」と思われそうですが、出展者をご覧ください。

 1期 髙橋修二   2期 池田民生
 3期 亀田重太郎  4期 樋澤 明
 5期 正木 覚   6期 高橋昌彦
 7期 天羽 博   8期 長澤忠徳
 9期 折田峰子  10期 田畑多嘉司
11期 佐藤篤司  12期 松本明彦
13期 山本太郎  14期 安原七重
15期 増田満    16期 松田洋一
17期 川口景示   18期 市村慎吾
19期 今井雅也   20期 中川志信
21期 加藤幸枝   22期 西 克徳
23期 榊原義弥   24期 白石 学
25期 田中陽子   26期 坂本剛志
27期 八重樫 文  28期 清水恒平
29期 山﨑有邦   30期 関口信介
31期 立澤慎之助  32期 桑島智輝
33期 大原大次郎  34期 水内智英
35期 金道泰幸   36期 富田 誠
37期 伊賀千恵   38期 西本 歩
39期 井口皓太   40期 多田明日香
41期 山本勝也   42期 金澤悠夏
43期 神田彩子   44期 ショウキン
45期 加藤美帆   46期 高橋真穂
そして47期から50期が在学生と全期から1名ずつ、そして、原 研哉、宮島慎吾、小林昭世、板東孝明、菱川勢一、柴田文江、吉田愼悟の教授陣、なおかつ梅原真 客員教授に、基礎デザイン学科を開設した向井周太郎名誉教授も出展する、「なにこの豪華なメンバーは・・」状態となっております。


  • 1970-2016年の卒業論文・制作 表題集 ©いしかわみちこ

デザイナーの名前をあんまり知らない手羽でさえ、「え。この人も基礎デだったんだ」な人が何人もいるし、気が付きました?第8期に長澤学長の名前も入ってます。
そうなんです。長澤先生も基礎デ出身なんですよ(笑)
まさに「デザインの知」の集まりといいますか。


また、会期中にビジュアルコミュニケーションデザイン、プロダクト環境デザイン、 情報デザインの今と未来を考えるデザイン教育とデザイン実践のパネルディスカッションを12月4日(土)と12月10日(土)に開催します。


  • オープンキャンパス2016会場風景より

第1回トークセッション
●日時:2016年12月4日(日) 14:00~18:45 ※終了後、懇親会を予定
→申込はこちら
●内容:
◯14時〜15時
「基礎デザイン学と色彩」
赤木重文/一般財団法人日本色彩研究所 常務理事
桐原文子/色彩造形講師
吉田愼悟/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

◯15時15分〜16時15分
「地域とデザイン」
野口正治/グラフィックデザイナー
河本有香/キリンビール(株)デザイングループ
宮島慎吾/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

◯16時30分〜17時30分
「エンターテイメントデザイン」
清川進也/サウンドアーティスト
清水貴栄/アニメーション作家
菱川勢一/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

◯17時45分〜18時45分
「建築とデザイン」
平田晃久/建築家
柴田文江/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授


第2回トークセッション
●日時:2016年12月10日(土) 15:00~18:30※終了後、懇親会を予定
→申込はこちら
●内 容:
◯15時〜16時
「未来のデザインへの糸口、デザイン理論から」
稲垣 諭/東洋大学准教授・哲学研究者
小林昭世/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

◯16時15分〜17時15分
「原像としての基礎デザイン学科」
大原大次郎/グラフィックデザイナー
板東孝明/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

◯17時30分〜18時30分
「飽和する世界の、その先の風景」
南後由和/明治大学准教授・社会学者
原 研哉/武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授

第1回・第2回共に
・会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
・料金:無料
・定員:100名(事前申込制)
なのですが、反響が多く、昨日定員を150名に増やしました。
興味のある方はすぐに申し込んだ方がいいかも・・。

デザインの専門家ばかりでなく、 デザインに関心をお持ちの方もぜひ。

 
以上、ずーーと続いてたイベント告知・レポートはこれでだいたい書き終えたんで、懇親頻度落としますの手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。