誰でも気軽にアートをレンタルできるウェブサービスART STAND。6000点以上の保管点数を誇るART STANDが2回目の企画展『アートを借りる展。』を開催しています。
美大時代に自分の作品を泣く泣く捨てた経験があり、作品を預ける側としてもちょっと興味ありな私が展示初日にお邪魔してみました。
突然ですがこの写真、私の卒業制作の作品です。「どうせならでっかい作品作ろう!」と張り切った結果がこのありさま。両手に余るほど大きくて途方にくれて、最後に寝っ転がって眺めたあと泣く泣く処分してしまいました。
学生時代のデッサンに始まり、制作をやめてしまうその日まで、作品の置き場所はアーティストにとって悩みの種でもあるんです。
ART STANDはそんな声から生まれたサービス。アーティストからさまざまな作品を預かって、撮影したデータをアーカイブしてウェブサイトで公開し、その作品を借りてみたい人にレンタルしてくれます。
つまり、ART STANDの倉庫の中はたくさんの作品が保管されているさながら美術館のコレクション。この展示は、そんな作品群の中から平面作品に絞ってさまざまな作品を選んだ企画展です。
天王洲アイル駅から歩いて3分ほどのところにあるT-Art Gallery。入り口で迎えてくれるART STANDのロゴをモチーフにしたオブジェも登録作家magmaの作品です。このオブジェはART STANDのためにオーダーメイドですが、立体も預けることができます。心強い!
「アートとひとことで言ってもいろんな種類があって、きっと自分にぴったりの作品を見つけることができると思うんです。」と案内してくれたのはART STANDのスタッフ、栗原志穂子さん。ご自身もアートが好きで、大学時代からさまざまなアーティストの作品を見てきたのだとか。「ART STANDで借りられる絵画の幅広さを見ていただきたくて、さまざまなジャンルや手法の作品をキュレーションしました。」
確かに展示されている作品は、カラフルなものからモノトーンの落ち着いた作品など幅広い作風で、大きさも両手いっぱいで抱えられそうなものから一人暮らしのお部屋にも飾れそうな小さなものまでさまざま。
こんなにさまざまな作品がひとつの企画展で見られるのは、確かに滅多にない機会かもしれません。「近くで見ると、落ちている影や絵の具の質感もわかりますよ。」
そう言われてじっくり近くで見てみました。美術館での展示はこうはいかないかも。
そうそう、私、展示会場で作品を見ているといつのまにか「どれが欲しいかな」とつい考えてしまうことがあるんです。通常の展示では思いきって買うかどうかを作品リストを片手にウロウロしてしまうところですが、「アートを借りる展。」では全ての作品をその場で借りることができます。
キャプションについているQRコードからスマホで読み取ってもPCスペースで借りるもよし。お気に入りの作品を覚えておくだけでも良いかも。
帰る頃には読み取ったQRでお気に入りの作品がスマホにいっぱい。実際の大きさや質感を見てみるとおうちにお迎えしたい絵もイメージがつかめてきました。
「アートを借りる展。」は7月27日(水)まで。
作品預けてみてもいいかも、と思っているアーティストの方も、たくさんの作品をインプットしに足を運んでみては。
▼開催概要
「アートを借りる展。」
ART STAND EXHIBITION VOL.2
開催日時:2016年7月21日〜7月27日 10:00~17:00
※土日休館
開催場所:T-Art Gallery
東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社2F
問い合わせ先:ART STAND株式会社
https://artstand.jp/
現PARTNER編集長。2010年武蔵美卒。専攻は写真。新卒でリクルートに入社、営業・ディレクターを経て、クラウドファンディングCAMPFIREを立ち上げるため転職。5年間CAMPFIREでチーフキュレーターを務め2015年に独立。カメラマン、クラウドファンディングコンサルタントにを経て現職。