【「ふつう」をつくったデザイナー】桑澤洋子没後40年記念展に行ってきた

2018年1月14日(日)

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ショーウインドウを見つめるあかりちゃん。
といってもこれはただのショーウインドウじゃなく、課題の展示で、昨日1月12日は桑沢デザイン研究所にあかりちゃんと行ってきたんです。


ここで桑沢デザイン研究所の説明を簡単に。
女子美を卒業された桑澤洋子さんがバウハウスをモデルに作った日本最初のデザイン教育機関で、歴史があることもそうですが、レベルも高く、美大関係者も桑沢は一目置いてます。
専門学校ではあるけど、桑沢は桑沢なんです(名言)
ちなみに美大関係者でも「東京造形大学が経営してる専門学校」と思ってる人が多いんだけど、桑沢デザイン研究所創立の方が先で、「学校法人桑沢学園が経営してる学校が桑沢デザイン研究所と東京造形大学」が正しい表現となります。
ちなみにちなみに桑澤洋子さんの澤は難しい方のサワで、桑沢は「沢」です。

ちょっと脱線しますが。
リンクロウが保育園に通ってた頃、父母会主催イベントのチラシがフォントの使い方・色味・バランス含めて「あきらかにデザイン教育受けた人が作ってる」と感じる洗練されたレベルだったんです。
である日聞いたら、やっぱり桑沢出身の方でした。
今はデザインとは関係ないお仕事されてたけど、奥さんと「桑沢だったら当然かー。さすがだよなー。今のムサビの子でもサラっとこういうチラシは作れないよ」と話したのを覚えてます。
ちなみに子どもさんが退園され担当が代わり、翌年から「いかにもワードで作って(タイトル文字を3Dにしたり、無駄に影いれたり)、既成のイラストを入れ込んだ」チラシになりました。
「ああ。ここまで変わるものか(涙)」と実感。
デザインと関係する仕事に就かないとしても、「デザインを学ぶ」って日常を豊かにするためには大事だなあ、と。
ちょっと脱線でした。


桑沢デザイン研究所に行くのは久しぶり。2016年の卒展以来かな?
というかイベント時じゃなくて普通の状態の桑沢さんを見るのは初めてかもしれない。


  • 地下にこういう制作工房があるのを初めて知った。


  • 自習室もあるのね。

ちなみに卒業生作品展「桑沢2018」は2月23日(金)~2月25日(日)開催です。

卒業アルバムのデザインも決定したそうです。
 
んで、何しに来たかというと、

学校法人桑沢学園創立60周年・桑澤洋子没後40年記念展「『「ふつう」をつくったデザイナー 桑澤洋子 活動と教育の軌跡』」を見に来たのです。

2016年は東京造形大学50周年で大々的にイベントが行われてましたが、2017年は学校法人桑沢学園創立60周年であり、創立者である桑澤洋子さん没後40年にあたります。それを記念して行われたのが今回の企画、というわけ。
実は1月になって藝大主催の「五大陸アーツサミット」に参加したりちょいちょい出かけてるはいるんだけど、今年最初の「行ってきた」シリーズはこれしかないというか、これを見に行かない手羽はむしろ不自然でしょ、な気持ちで。
「日本で初めて『デザイン』という名称がついた学校を作った人」「美大卒の人が作った美大」てことを考えると、やはり桑澤洋子さんは私立美大ではかなり特別な存在だと思っています。

場所は1階の、普段は駐車場として使っているところ。
といっても学園祭などではファッションショーが行われたり、イベントスペースに使える仕様になっています。

企画を超簡単に説明すると「桑澤洋子さんがデザインした洋服の展示」で、3つのキューブがそれぞれ「ふだん着」「外出着」「ユフォーム」で構成されれいます。


  • こちらはふだん着。


  • ユニフォームのエリア。着物が主流だった時代に女性が社会にでて活躍できるようにと、仕事に適したユニフォームを提案してたんです。

桑澤さんは女子美附属中高の制服もデザインされてます。
ま、あかりちゃんが制服図鑑見ながら「ここの制服がいい!」と指さしたのが女子美附属中高だったからあかりちゃんと行くことにした、ってのが今回訪問した理由の半分ぐらいだったりするのだけど。
ちなみに右側にあるのが、1964年東京オリンピック女子選手ユニフォームの試作品。


  • 「外出着」のエリア

あかりちゃんはこのデニムのオーバーオールがお気に入りだった。


そして2時になり、フロアショーが始まりました。
これも超簡単に説明するなら「ファッションショー」です。

舞台工房マイスター、オスカー・シュレンマーはバウハウスで人間をテーマにした授業を行い、「バウハウスダンス」として表現しています。
このフロアショーは、バウハウスダンスのうち「形象と空間線」をテーマにした作品をモチーフとしアレンジされたものでした。

ちなみに演出は東京造形大学院に進学した美大日記OBのスズキリくんが担当してて。彼に会うのもほんと久しぶり。5年ぶりぐらいじゃないかな。
「学部時代は外の仕事ばっかりやってたんで、ようやく大学院でちゃんと自分の制作ができるようになりました」と本人は言ってたけど、TVアニメ「スロウスタート」OP曲のグラフィックデザインをやってたり、SNS見てると釣りばっかりしてるイメージなんだけど。


事務局に挨拶にいったけど高橋さんはいないようだし、今高橋さんに会ったらまだ言えない余計なことをペラペラしゃべってしまいそうだし、このまま家に帰るか・・と外に出て斜め前を見ると


  • NHKスタジオパークが無料公開日だった!これは行くしかないっしょ!


  • どーも。


  • 今はグーチョコランタンじゃないんだな。もうキャラクター名がわからん


  • もちろん今はこれですね。


  • でも手羽家的にはこっちで、あかりちゃんが「これは写真撮らないと!」と唯一カメラ向けたのがこれだった。


  • そうそう。手羽にとってはこどもニュースの人なんですよ。


以上、センター入試2日目で受験生、それと大学関係者もお疲れだと思いますが、

笑って乗りきりましょう、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。