東京でしか知り得ないことを、京都でも。噂のれもんらいふデザイン塾に潜入してきた!

「東京ではあんなおもしろそうなことやってるのに…」、ふだん関西にいる方はこう感じ、涙をのんだ夜も少なくないのではないでしょうか。そんな関西でデザインを志す人にチャンスをと、今年春から開催されている、れもんらいふ代表の千原徹也さんを塾長に、株式会社ロフトワークと共同で企画運営している、東京と京都のクリエイションをつなぐ実践的授業、「れもんらいふデザイン塾」。「10万円という授業料は学生にとっては高い‥‥‥けれども、れもんらいふデザイン塾が気になる!」という人のために潜入取材してきました!

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有名なクリエイターも魅力的な仕事も「東京」にある

この春から京都で開催されているデザイン塾「れもんらいふデザイン塾」。アートディレクターの千原徹也さんを塾長に、全15回に渡って課題解決に取り組むプログラムです。
この「れもんらいふデザイン塾」への想いを千原さんに伺いました。

 


  • 塾長の千原徹也さん。写真はらいふセッションで話されているところ。

千原:自分が東京へ出た時に、地元と比べてあらゆることでレベルの違いを感じたんです。たとえば、有名なクリエイターとの接点も東京でなら生まれる。そういった僕自身の経験があり、この場を使って僕の地元である京都の人たちに向けて、人とのつながりを学ぶ場、憧れの方とゆっくり話せる場を作ろうと、れもんらいふデザイン塾は生まれました。


そうして募集を募ったところ、40名予定の枠に60名もの応募が集まったと言います。集まった塾生はなんと10代から40代の方まで、年齢も環境もバラバラの45名。この授業にそれぞれがいろんな期待を抱いていて、会場全体に、熱い思いがぎゅっとつまっていました。

>> 関連記事:「豪華講師陣!れもんらいふデザイン塾が京都でスタート」



課題を見つけることこそ、“デザイン”の核だ

プログラムは、前半の「れもんセッション」と、後半の「らいふセッション」の二部性。
前半のれもんセッションでは、全15回の授業を通じてひとつのテーマで課題解決に取り組みます。プログラムはフィールドワークで課題を見出すことからはじまり、その課題についてチームに分かれて解決策を探り、最終的にはアウトプットの制作まで行います。今期のテーマは、京都ならではの「西陣織」。

第3回目の授業では、第2回目の授業で行ったフィールドワークを通じて、ふだんあまり聞けない作り手が感じている危機感などの生の声、体感したこと、学んだことをグループ内で共有していました。


用意された真っ白な紙やポストイットを前に、西陣織に新しい概念・解釈をつけて多くの人に普及してもらう策を考えるべきなのか、伝統を守るべきなのかなど、手探りながら答えを導きだす塾生のみなさんの姿。スタッフや講師さえも予期していない案が生み出そうな予感がたっぷり!

今必要とされている「デザイン力」って本当のところ何だろう?
考え抜かれたビジュアルやアウトプット、その技術だけがデザインじゃない、課題を「見抜く力」、そして解決していくプロセスにある「気づき」にこそ、デザインの核があるのだと、授業中、一緒に受けさせていただいた私も何度も大きくうなずいていました。




第一線で活躍するゲストと、お酒を交えながらトーク

れもんらいふデザイン塾の目玉はもうひとつ、後半に行われる「らいふセッション」、千原さんが大切にしている企画です。関西ではなかなか会うことができない第一線で活躍されているゲストが登場、仕事の裏側について尋ねます。塾生だけでなく一般の人も参加費を払えば参加することができます。

千原:一方的に講義を聞くだけじゃなく、講師の方との接点を作ってほしいと、講師の方には「らいふセッション」の後の二次会まで参加をお願いしています。やっぱり面白いことは飲みの場や食事会で生まれやすいですよね。講師の方も関西の方と会えるのも楽しみに来られています。塾生の方にはぜひ自分を売り込むチャンスにしてもらえたらと思っています。





谷川じゅんじさんをゲストに迎えた「らいふセッション」の様子をご紹介しましょう。
谷川さんは世界で活躍するスペース・コンポーザーです。


谷川 じゅんじ Junji Tanigawa
スペースコンポーザー
JTQ 株式会社代表
2002年、空間クリエイティブカンパニー・JTQを設立。 “空間をメディアにしたメッセージの伝達”をテーマに、さまざまなイベント、エキシビジョン、インスタレーション、商空間開発を手掛ける。独自の空間開発メソッド「スペースコンポーズ」を提唱、環境と状況の組み合わせによるエクスペリエンスデザインは多方面から注目を集めている。主な仕事に、パリルーブル宮装飾美術館 Kansei展、平城遷都1300年祭記念薬師寺ひかり絵巻、GOOD DESIGN EXHIBITION、MEDIA AMBITION TOKYOなど。2016年現在、外務省JAPAN HOUSE Los Angeles 事業プロデューサー、茨城県北芸術祭クリエイティブディレクター等を務める 。




セッションは谷川さんご自身がお仕事をするうえで大切にしていることについてのお話からスタート。

なかでも私の印象に残ったお話は、「作ったものに執着しない」ということ。
作ったものを2、3日寝かすことで本当の姿が見える、そのアウトプットしたものを客観的にみることが重要だと言っておられました。考えれば考えるほどアイディアが浮かんできて、ついついたくさん付け加えがちだけれども、引き算して本当に大事なところだけを魅せることも大事。

確かに夜中のテンションで作ったものを朝に見てびっくりすることも多々…。思い当たる節がいくつもありますね。




谷川さんのお話のあとは、千原さんとの対談へ。
相手が千原さんだからこそ聞ける良い話が満載でした!
普段私たちに見えているおふたりの仕事は輝いていますが、そんな綺麗な部分の背景には死に物狂いで仕事しているというお話も。おふたりのリアルなお話には、生きる上でのヒント・コツがたくさん散りばめられていました。


谷川さんも千原さんもまぶしくて、憧れの人が目の前にいるということだけで
胸が踊りまくり、メモ取りまくりでした。

その後の交流会ではゲストの方と塾生がお酒をのみながら直接話ができる機会も。


  • 「れもん」にちなんで用意された素敵なケータリング

  • ゲストを囲んで近い距離でお話ができる刺激的な機会

トークを聞くだけで終わらない、「その先」までつくり出すチャンスがあるところが、まさにこの交流会の醍醐味。ゲストの方と化学反応が起きれば、いっしょに仕事も夢じゃない…!?
この交流会、近すぎるほど近くで、千原さんやゲストから刺激をもらえます。


  • このあとイベントは二次会三次会‥‥‥と熱く続いたそう!

実はこのらいふセッション塾生じゃなくても参加可能なんです。
関西のみなさん、ぜひ、気になるゲストの講演を聞きに行ってみては?
一般参加枠は20名限定なので、ぜひ早めに予約を!




▼開催概要
れもんらいふデザイン塾
日程:4月から8月にかけて全15回を通した講義
受講費:第1期 ¥100,000 (全15回・ らいふセッション15回の受講費も含む)※締切済
Facebookページ:写真もたっぷり、授業の様子・内容が詳細にレポートされています
オフィシャルサイト:れもんらいふデザイン塾の概要・ゲスト一覧など



▼今後のらいふセッション スケジュール・ゲスト一覧

6月25日 林千晶
7月2日 レスリー・キー
7月9日 中島敏子
7月30日 軍地彩弓
8月6日 田中杏子
8月20日 マドモアゼルユリア
8月27日 遠山正道
※ゲストの名前をクリックすると、イベントの詳細ページへジャンプします


▼イベントの会場
MTRL KYOTO
会場になっているMTRL京都は、ロフトワークが昨年12月より新しく運営する、デジタルファブリケーションが楽しめるスペース。昔はダンスフロアがあったという歴史ある建物ということもあって、リノベーションも見ものです。
https://mtrl.net/kyoto/





>> 今回取材させていただいたれもんらいふデザイン塾第3回目の授業。さらにれもんセッションやらいふセッションの中身について知りたい方は、れもんらいふデザイン塾が更新しているFacebookページのレポートもチェックしてみてください!





執筆:岩谷香穂(関西大学・4年)

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