【れっきとした授業】ムサビ入門が始まります。

新年度の最初はやっぱり忙しい手羽です。

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3月末に平成28年度のシラバスが発表され、在学生たちが「なんだこれは?!」とザワザワしてる科目があります。

それはムサビ入門

はい。れっきとした単位の取れる授業です。
新たな試みでして、ムサビでの学びを楽しく充実させるための基礎的な知識を紹介し、さらにムサビの歴史、校内の施設や地域との関わりなどを深く知ることで、ムサビ生としての自覚と誇りを培ってもらうための授業となっております。
学修のために1年次に知っててもらいたいことや自校の理念・使命・歴史を周知し愛校心を持つことで、「自分の居場所を理解し、不安を減らす」→「勉強へのモチベーションが上がる」→「退学率も下がる」になると。
この手の授業は最近は珍しいものではなく、大学ではむしろ後発組かもしれません。美大ではほとんどやってない、ってだけで。

このムサビ入門では、オムニバス形式で毎回異なるテーマで異なる専任教員が講義をします。主なラインナップはこんな感じ。

■充実した大学生活に向けて【長澤忠徳・学長、教養文化・白石美雪】
■ムサビ生のための健康管理入門【身体運動文化・北徹朗】
■悪徳商法やカルト勧誘から身を守る【教養文化・荒川歩】
■ネットリテラシー・webポートフォリオのススメ【デ情・今泉洋】
■美大生にとっての教養とは1【教養文化・富松保文】
■美大生のための知的財産権(著作権を中心に)【教養文化・志田陽子】
■モノ(実物資料)に触れて学ぶ【学芸員課程・神野善治、教養文化・白石美雪】
■帝国美術学校から今日のムサビになるまで【教職・高橋陽一】
■鷹の台キャンパスの成り立ち【建築学科名誉教授・宮下勇】
■地域の中のムサビ 大学と地域連携【視覚伝達デザイン・斉藤先生】


例えば「悪徳商法に引っかかっちゃダメ」の話はオリエンテーションでも職員が説明してますが、それを心理学の荒川先生が「悪徳商法にひっかかる人間の心理」として研究者の立場で授業を展開するわけです。大学での学びと日常生活の一致を経験することにもなるし、これ以上面白い話はないわけで。
法学の志田先生が著作権の話をしたり、教育史・大学史の専門家である高橋先生がムサビの歴史を語ったり、建築計画に長くかかわっている宮下先生がキャンパスの成り立ちを説明する、という感じで、ムサビ教職員だと「なるほど!それはうらやましい!」とガッテンボタンを連打しそうな教授陣なんですね。

ただ、手羽的視点だと「教員から声掛けが始まった、専任教員だけで構成するオールムサビ体制の授業」こそムサビの強みを一番表現してると思ってまして。
手羽以上の世代だと信じられないかもしれませんが、今は体育は必須科目じゃないので、体育の専任教員を置かない大学も増えてきてるんですよ。
例えばムサビ入門に登場する北准教授は、ドローンを体育の授業に使ってる先生。
武蔵野美術大学、ドローンを体育の授業に導入へ
非常勤講師や外部講師ではなく、「専任教員だけで」ってのがひとつめのポイント。

また、「学科・研究室の枠を超えたオールムサビ体制」ってのはこれが大学という組織では意外と難しく、それを「事務局から無理やりに」ではなく先生方から「こういう授業があった方がいいよね」という形で決まり、声掛けも先生方がされてるんです。これが二つ目のポイント。
ムサビは「美大」としてだと学生数・教員数では大きな規模の大学に入るんですが、そのわりには先生方の交流も深いんです。

そして最初と最後は長澤学長による授業があります。
長澤学長の入学式祝辞は保護者の方もいらっしゃったのでちょっと固めな内容でしたが(笑)、フリートーク状態こそ長澤学長の持ち味が最大限に発揮される・・・と手羽は思ってまして。なんせ企画部長時代にオープンキャンパスで熱く語りすぎて、外に公開できる部分がほとんどなく、動画が1分ぐらいに編集されてしまったって伝説があるくらいで(また書いてしまった)

長澤先生の熱い話を聞いて、モチベーションが上がらない人はまずいません。
というわけで、長澤学長の流儀を作ってみました。

(これがYOUTUBEで公開できちゃうんだからNHKさんは太っ腹だなあ・・・)

ムサビのことが好きで好きでたまらない学長や手羽みたいな新入生もそうですが、「芸大・タマビに落ちたから仕方なくムサビに来た」という学生さんこそ取るべき授業かも。


この授業、ひとつだけネックがあります。
手羽の名前がどこ探してもないんですよね・・・おかしいなあ・・・インターンシップ演習でやってる「ムサビOBOGから見るムサビ」という話をやりたいんですけど・・学長の2回目の30分ぐらい使わせてもらえないかしら・・。


以上、こうなったら「裏ムサビ入門」って課外講座を作るか、と思ってる手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。