[news] 同い年でご近所同士の若冲と蕪村 交流が未だ確認されない二人の共通項に迫る展覧会

300年前の1716年は日本美術史にとっての大きな年でした。尾形光琳が亡くなり、伊藤若冲と与謝蕪村というふたりの天才絵師が誕生した年です。それにちなみ、現在東京・六本木のサントリー美術館では『生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村』を開催中です。4月25日の六本木アートナイトでは24時まで開館予定、ぜひこの機会に観ておきたい作品です。

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若冲と蕪村のふたりに注目しながら18世紀京都美術界の様相を紹介

この展覧会では、若冲と蕪村のふたりに注目しながら、18世紀京都美術界の様相を見せてくれます。第1章では「18世紀の京都ルネッサンス」と題し、ふたりの生きた18世紀へと私たちを誘います。会場を進むと、画家になってから全盛期までの時期・最も活躍した時期である40代から50代、と時代ごとにふたりの作品が紹介されてゆき、さらにふたりの共通点に迫ります。

重要文化財 富嶽列松図 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 愛知県美術館蔵(木村定三コレクション)【展示期間】4/15~5/10 Important Cultural Property Mt. Fuji and Pines by Yosa Buson 18th century Kimura Teizo Collection, Aichi Prefectural Museum of Art

※無断転載禁止

白象群獣図 伊藤若冲筆 一面 18世紀 個人蔵 【展示期間】4/22~5/10 White Elephant and Other Animals by Ito Jakuchu Pair of hanging scrolls(left-hand screen) 18th century Private Collection

※無断転載禁止

若冲というと彩色鮮やかな花鳥図や可愛らしい動物、あるいはプライスコレクションの来日で話題になった『鳥獣花木図屏風』の斬新な印象が強いかと思います。一方蕪村の作品といえば、中国の文人画の技法による山水図や俳句と絵を同じ画におさめた俳画、といったものがまず浮かぶのではないでしょうか。一見すると作風が異なるように思えますが、二人にはいくつもの共通点があったのです。



いくつもの共通点がある若冲と蕪村のふたりに注目

若冲は吸水性の高い紙を用いることで、隣あった墨と墨の境目を白く残す「筋目描き」という新しい技法を用い、蕪村は発句と絵をひとつの画面で響き合わせる俳画という新しい分野を開拓しました。ふたりとも新しい表現方法を求め、そしてふたりとも中国・朝鮮絵画からの影響を受けています。晩年には、「翁」の字を用いた画号でありながら、その言葉のイメージとは対照的に活発な制作活動を続けました。

さらにもうひとつ特筆すべきは、このふたり、京都の四条烏丸では近所に住んでいたのです。しかし、今のところ直接的な交流は確認されておらず、共通の知人との交流のみがいくつも確認されています。また、同じ禅僧や学者が二人の絵に賛をしています。そういった共通の賛を得ている作品や共通の知人との合作の展示も、本展の見どころのひとつです。

新出作品も含めた伊藤若冲と与謝蕪村というビッグネームの作品、さらに影響を受けた絵画や交流人物との合作など多彩な作品群で「同い年の天才絵師」に迫るこの展示に、ぜひ足を運んでみましょう。


《開催概要》
会場:サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)
会期:2015年3月18日(水)~5月10日(日)
開館時間:10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※5月3日(日・祝)、4日(月・祝)は20時まで開館
※4月25日(土)は「六本木アートナイト」のため24時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
※5月5日(火・祝)は20時まで開館
入館料:一般  1,300円 大学・高校生  1,000円 中学生以下無料
※ 4月25日(土)は「六本木アートナイト割引」のため一般および大学・高校生は一律500円

※会期中、展示替を行います


参照元:http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_2/index.html

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