グラフィックデザインを再定義してみるスクールが横浜BUKATSUDOで開校!

テクノロジーや技法についての解説やマーケティング的な言葉が幅を効かせる一方で、グラフィックデザインそのものを考える共通の知的枠組みは、いま、あまりにも貧しい。法律、社会学、表象文化論、哲学といった領域の最前線で活躍する講師を招き、それぞれの角度から光をあてることで、グラフィックデザインを再構築する視点を提供する講座が横浜のBUKATSUDOで行われる。

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クリティカル・デザイン・スクール[グラフィック篇]が全3回(3月12日〜4月17日)横浜・みなとみらいにあるシェアスペース、BUKATSUDOで行われる。

グラフィックデザインの周辺からグラフィックデザインを再定義してみる

テクノロジーや技法についての解説やマーケティング的な言葉が幅を効かせる一方で、グラフィックデザインそのものを考える共通の知的枠組みは、いま、あまりにも貧しい。また、ネットワーク化とグローバル化のなかで「デザイン」はますます重要視されつつも、その全体像の確保をいっそう困難にしつつある。先の「エンブレム問題」はその事実を残酷なまでに明らかにしてしまった。

グラフィックデザインという領域を現代社会に対応してアップデートするためにはどうすればいいのか。法律、社会学、表象文化論、哲学といった領域の最前線で活躍する講師を招き、それぞれの角度から光をあてることで、グラフィックデザインを再構築する視点を提供する。
グラフィックデザインを本業とされている方はもちろん、ご興味のある方は誰でも参加できる講座。

モデレーターは、グラフィックデザイナーの加藤賢策氏(株式会社ラボラトリーズ代表)と、『アイデア』(誠文堂新光社)編集長の室賀清徳氏。

・各回の講座の前に、ポイントをまとめた資料を送付予定。


第1回[社会学・法律] 
3/12(土)15:00~18:00
「東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン」
ゲスト:加島卓(社会学)、永井幸輔(弁護士/Arts and Law)

近年の日本のグラフィックデザインにおける最大のトピックである「東京五輪2020エンブレム騒動」。その問題系を社会学および知的財産権の立場から再検討して整理し、現在グラフィックデザインが置かれている状況や今後のグラフィックデザインについて考える。

かしま・たかし│1975年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。東京大学助教を経て、東海大学文学部広報メディア学科准教授。博士(学際情報学)。専門はメディア論、社会学、広告史・デザイン史。著書に『〈広告制作者〉の歴史社会学』(せりか書房、2014年、日本社会学会第14回奨励賞)、共編に『文化人とは何か?』(東京書籍、2010年)ほか。エンブレム問題では『クローズアップ現代』『Session-22』『朝日新聞』『毎日新聞』『現代ビジネス』などで解説。 http://d.hatena.ne.jp/oxyfunk/
Twitter:@oxyfunk

ながい・こうすけ│クリエイティブな活動を生む環境自体のクリエイティビティに着目し、美術・ファッション・演劇・映画・音楽・出版などの文化芸術とインターネットの交錯する領域を中心に広く法務アドバイスを提供。著作・監修等に『ファッションは更新できるのか?会議』(フィルムアート社)、「自分ごとの著作権。」(MdN2016年1月号)、「デザイナーのための著作権と法律講座」(MdN)、「法は創造性をつぶすのか」(広告2013年5月号)、『クリエイターの渡世術』(ワークスコーポレーション)等。Creative Commons Japan理事。
Twitter:@hanatochill


第2回[哲学] 
3/26(土)15:00~18:00
「デザインのなかの幽霊」
ゲスト:吉川浩満(文筆家)

「デザイン」はしばしば具体的なモノのイメージとして捉えられるが、実際のところどのような行為や概念なのだろうか? また「クリエイティヴィティ」「問題解決」といった言葉によってデザインを語るとき、私たちはほんとうのところ何について語っているのだろうか? 「デザイン」をめぐる行為や言説の構造について考える。

よしかわ・ひろみつ│文筆家。1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、現職。哲学/科学/芸術の境界線上にて、アカデミズム/ジャーナリズムの間隙をぬう執筆活動を展開。著書に『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』〈朝日出版社〉、『心脳問題──「脳の世紀」を生き抜く』〈山本貴光との共著、朝日出版社〉、『問題がモンダイなのだ』〈山本との共著、ちくまプリマー新書〉。訳書に『MiND──心の哲学』〈J・R・サール著、山本との共訳、朝日出版社〉ほか。 http://clnmn.hatenablog.com/
Twitter:@clnmn


第3回[表象文化] 
4/17(日)15:00~18:00
「視覚デザイン「超」講義」
ゲスト:石岡良治(表象文化論)

現代のグラフィックデザインの多くは過去のさまざまな時代の様式や図像を自由自在に引用・参照しながら成立している。現代の視覚文化におけるイメージの生産・消費構造を読み解きながら、グラフィックデザインをよりおおきな文化的枠組みに接続して検討する。

いしおか・よしはる│1972年生まれ。批評家。表象文化論・ポピュラー文化研究。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士後期課程単位取得満期退学。跡見学園女子大学、大妻女子大学、神奈川大学、鶴見大学、明治学院大学ほかで非常勤講師。著書に『視覚文化「超」講義』フィルムアート社。
Twitter:@yishioka



【モデレーター】
加藤賢策(グラフィックデザイナー/株式会社ラボラトリーズ代表)
かとう・けんさく|1975年生まれ。武蔵野美術大学・女子美術大学非常勤講師。武蔵野美術大学大学大学院視覚伝達デザインコース修了。 2013年株式会社ラボラトリーズ設立。アートディレクター/デザイナーとしてグラフィックデザイン、ブックデザイン、WEBデザイン、サインデザインなどを手がける。主な領域はアートや建築、思想など。主な仕事に『アイデア370:特集 思想とデザイン』(誠文堂新光社)企画・デザイン。
Twitter:@katokensaku


室賀清徳(編集者/『アイデア』編集長)
むろが・きよのり|1975年新潟県長岡市生まれ。東京大学美学芸術学専修課程卒業。1999年より(株)誠文堂新光社にてデザイン誌「アイデア」および関連書の編集に携わる。2002年より同誌編集長。グラフィックデザインを20世紀的制度を超えた広い文化や歴史のなかで再編成する視点を提示すべく試行錯誤しながらかかわった「アイデア」はもうすぐ100冊を数える。各種媒体に寄稿するほか、MEMEデザイン学校、武蔵野美術大学、東京藝術大学などで非常勤講師も務める。
Twitter:@kiyonori_muroga



【受講料】
全3回16,800円(税込)
※連続講座を受講される方には、受講期間中(3/12~4/17)にBUKATSUDO のワークラウンジをいつでもご利用いただける特別パスをご用意いたします。
http://bukatsu-do.jp/work_lounge/index.html

【最少催行人数】
12名

【予約はこちら】
bkd-cds.peatix.com

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