今日は今週から始まる五美大展の話を。
正式名称は「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」で、略称は「ゴビダイテン」。
「ああ。五美大展ってタマビ・ムサビ・東京造形・女子美・ゲイダイがやってるやつ?」という方はこちらをご覧ください。
■五美術大学と五芸術大学
タマビ・ムサビ・東京造形・女子美・日芸で五美大なのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、これもよく勘違いされてますが、ファインアート系のみでデザイン系は出品されませんので。
五美大展は約40年前、東京都美術館でスペースが空くことになり、ムサビ版画・清水昭八先生に「ムサビで使いませんか?」と話があったけど、「せっかく都美館使えるんだから、ムサビだけでやるのはもったいない」と他美大の知り合いの先生達に声をかけたのが最初と言われてます。だからファインのみってことですね。
しかし約40年前にこの発想って本当にすごいなあ・・。
■平成27年度 第39回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展
●参加大学: 日本大学芸術学部 / 武蔵野美術大学 / 多摩美術大学 / 女子美術大学 /東京造形大学
●参加学科:日本画 / 油絵 / 版画 / 彫刻
●会期:2016年2月18日(木)-28日(日)
●休館:2月23日(火)
●時間:10:00-18:00(入場は17:30まで)
●会場:国立新美術館
●講演会:
芸術の破壊―失われた美術品で考える「作品は誰のものか」
・日時:2016年2月20日(土) 14:00~15:30
・会場:国立新美術館3階講堂
・講師:池上英洋(東京造形大学准教授)
・参加費無料 座席数:260名(先着順)
現在は都美館から移動し、国立新美術館で開催してます。
五美大展は「幹事校持ち回り制」で運営してまして。
幹事校は各大学との連絡調整、会議の資料作成、ポスター・DMの作成、パンフレットのデータ取りまとめ・作成、国立新美術館との調整、講演会の企画、会期中の運営統括、問い合わせ先などが主な仕事。
幹事校になるとその大学の教務系部署は一大イベント状態になります。
手羽も教務課時代に幹事校を経験しました。
今は各大学の事務所が国立美術館の中にできるけど、昔の都美館時代は一つしかなく、まさに幹事校として一人で5大学を見なくちゃいけない状態でした。わがままな学生(と教員)がいつもの5倍ですからね。そりゃ大変です(笑)
昔のシステムだと幹事校は5年に一回大変になっちゃうけど、その他の年は幹事校に任せちゃえばよかったんですよ。でも今は幹事校じゃなくても美術館に各大学スタッフが詰めなくちゃいけないんで、それも大変といえば大変。どっちがいいのかな・・。
ただ、都美館時代はスペースが狭く「絵画4段掛け」が当たり前だったんで、今も2段掛けではあるけど学生さんからすれば随分環境は良くなったと思います。大学によっては卒業制作とは別に小さいサイズの「5美大用作品」を作ってる大学もあるけど。
そう、「卒業制作をそのまま展示」ではなく、レギュレーションが厳しいので土ものはダメだったり、パフォーマンスものは映像にしたり、スペースの関係で大きな作品は小さくまとめたりしてるんで、本当は各大学の卒業制作展も行っていただいた方が嬉しいです。(ムサビ・東京造形は終わっちゃっいましたが)
ちなみに今年はどこが幹事校なのかDMを見るだけですぐにわかる方法があるの、知ってます?
「問い合わせ先を見る」以外に。
ムサビ→タマビ→女子美→造形大→日芸と幹事校は回っていて、この順番の形を崩さず、幹事校が一番下に来るようにDMやポスターの大学名掲載順を毎年変えてるんです。
つまり、一番下に書かれている大学が今年の幹事校で、一番上に書かれているのが来年の幹事校というわけ。
今年のDMも、微妙に上から
■日本大学芸術学部
■武蔵野美術大学
■多摩美術大学
■女子美術大学
■東京造形大学
となってるの気がつきました?
このルールを知ってるとこのDMが絶妙なバランスでデザインされてるのがわかり、 「最後が東京造形さんってことは今年の幹事校なんだな。てことはデザインも造形大さんの先生ってことね。おっ、来年の幹事は日芸さんやん」とすぐにわかる、と。
また、言いだしっぺのムサビが第1回幹事校なので、開催回数の1の位が1か6の回はムサビが幹事校です。
・・・・以上、他では一切使えない豆知識でした。
手羽はこのDMを見て、「東京5美大のイニシャルって全部違うんだなあ」と改めて気がつかされました。
ま、「東京造形はZじゃなくてTだろ?」というツッコミは抜きにして(笑)、普段は「ムサビ」「タマビ」「ジョシビ」「ニチゲイ」、そして「ゾーケイ」と呼び合ってますからね。
これが京都5芸大だとKかSにしかならないわけで(笑)
漢字だと東京が「女武多日造」、京都が「精造芸成嵯」・・・わかるようでわからんな・・・。
そうそう。実は手羽がずっと気になってることがひとつあって・・。
「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」だと長すぎるから、2行に表記することがあるんだけど、
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東京五美術大学
連合卒業・修了制作展
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なのか
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東京五美術大学連合
卒業・修了制作展
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かが、年によって・・つまり幹事校によって「連合」の場所が違うんです。
手羽は当時「5大学連合の卒展」だから「連合は大学にかかる=『東京五美術大学連合』がひとまとまり」と教わったんだけど、今は「連合は卒展にかかる=『連合卒業制作展』がひとまとまり」という解釈がよく使われてるようです。英語表記も「Joint Graduation Exhibition」なので後者が正しいのかもしれません。ちょっと手羽は抵抗あるんだけど・・。
また、東京造形さんとムサビ日本画がそれぞれのギャラリーツアーやります。
■東京造形大学 五美大展ギャラリーツアー
●日時:2016年2月21日(日)・28日(日) 14:00-15:00
●集合場所:国立新美術館1F 東京造形大学 展示室入口
■武蔵野美術大学 日本画学科 ギャラリートーク
●日時:2月21日(日)13:00-14:00
●集合場所:国立新美術館 展示室2B 武蔵野美術大学 日本画学科 展示スペース
●参加学生:井口広大、手嶋遥、松原由加子、伊藤友美子、大寺史紗、川名晴郎、都築良恵、谷津萌
●進行:内田あぐり
それと、さんぽうさん主催の合同説明会が五美大展に合わせて六本木であるんで、
■東京5美大、美術・デザイン系進学フェア2/20 | リセマム
受験生の方はこちらもどうぞよろしくお願いいたします。
ムサビ生に限らず国立新美術館から歩いてすぐのミッドタウンタワー5階 デザイン・ラウンジは土日以外空いてるんで、休憩がてらに使ってくださいな。
以上、会期最終日の28日は東京マラソンの日なので都心の道路は交通規制があちこちでかかってるはずだから気をつけなくちゃ、の手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。