毎日、原稿のマスを埋めて、massのウケを欲する。そして、マスをかく。
基本的には、ヒマではあるのだが余裕はない。
余裕がない時ほど、現実を放棄したくなる。
そんな場合は、ミステリ小説にふけるか、SF映画の鑑賞に限る。
事務所近くのTSUTAYAに足を運ぶ。
2階のSFコーナーでロードオブザリングの前日譚『ホビットの冒険』を手に取った。
1階のレジは想像以上に人が並んでおり「おぉ、大勢いるな」とつぶやいてしまった。
1人減り、2人減り、僕の番が回ってきた。
レジにDVDを出そうとした刹那、おばさんが僕の前に。
「ちょっと、ちょっと、おばさん!」と、つい声を荒げてしまう。
おばさん「大丈夫、大丈夫」
僕「いや、大丈夫って。なにが大丈夫なんだよ?」
おばさん「大丈夫、大丈夫だから」
大丈夫の連呼の後、横にズラされおばさんは割り込んだ。
当然、腹が立つ。めちゃくちゃムカつく。こういったタイプの怒りは、
後に引きずる。もう、ずっとずっと、イライラが継続。
おばさんが割り込んだシーンが脳内で再生され続ける。
このことをずっと考えていた結果、あることに似ていると気づいた。
僕を女に。おばさんを男に。
女「ちょっと、ちょっと」と、つい声を荒げてしまう。
男「大丈夫、大丈夫」
女「いや、大丈夫って。なにが大丈夫なの?」
男「大丈夫、大丈夫だから」
大丈夫の連呼の後、横にズラされ男は割り込んで来た。
そう、AVでよく見る光景に似ている。
「イヤもイヤも好きのうち」タイプの作品の導入部分は、大体コレ。
会話の流れが酷似しているので、つい書いてしまった。
発する言葉は同じ。
人の性別とシュチュエーション変えると随分と違うものになる。
閑話休題。
割り込みおばさんは、DVDが見れなかったことを店員に言った。
おばさんは店にクレームをつけ、僕はおばさんへクレームをつける。
おばさんのクレームから、もう1つクレームが生まれた。クレームの連鎖。
しかし、クレームだからといって列を割り込みするのはマナー違反。
連呼した「大丈夫」も結局、何が大丈夫だったから分からずじまいだ。
こういった、並ぶといった最も基本的なルールすら守れない人は案外多い。
また、年齢を重ねた人間こそ尊大だったりする。
例えば、電車でも。
年齢別に見てみよう。
小学生。電車に頻繁に乗る理由は通学が多くを占める。
制服姿の私立学生の子供は最もマナーを守る人種と言っても過言ではない。
優先席でもないのに、年寄りに席を譲った回数が最も多いのも彼等。
中学生にもなると、席を譲るといったピュアさも目減りし反抗期まっさかり。
車内で友達同士とのおしゃべりがうるさかったりもするが許せる範囲の騒音。
高校生。大人との境目。中学生同様にキープオン反抗期の人間もいれば、
空気を読むという大人のマナーを身につける人もいる。
大学生から上ともなると、人によりけり。
結局、成人に近い年齢に達すると、迷惑をかける人は一定数いる。
迷惑をかける人間は、いつも若者という思い込みは誰にもあるはず。
その原因は、駅に貼っている迷惑行為防止のポスターにあると僕は踏んでいる。
携帯電話の使用、ヘッドホンの音漏れ、大きなしゃべり声、割り込み、
ポスターに描かれる迷惑行為の加害者は常に若者で、被害者は常に中年だ。
しかし、個人的な主観で申し訳ないが
車内で携帯で話す人の割合で云えば、若者よりも中年のほうが多い気もする。
いずれにしろ、迷惑をかける中年も一定数は必ずいるわけだ。
加害者が列の割り込みをしているおばさん、というポスターもあっても良いはず。
だが、そんなものは一枚も見たことがない。
そりゃ、若者が悪者だと洗脳もされるし、おばさんがのさばるわけだ。
TSUTAYAのおばさんの如く。
そんでもって。
なぜポスターの加害者が若者で、被害者が中年なのか。JRに聞いてみた。
答えは「特に意味はない」という結果だった。
もやもやしやがるぜ。
ただ、僕の要望を伝えると、意見は上層部にも伝えると言った。
本当かどうか判らないが・・・。
明確な答えが欲しく一番よく使う西武鉄道にも同様の電話をしてみた。
「あくまで一般的な例ですね。あくまで意味が大事ですから」と回答。
ただ、僕の要望を伝えると、意見は上層部にも伝えると言った。
JRも西武鉄道もほぼ全く同じ答え。再放送みたい。
たぶん、僕が中年になるほど年齢を重ねても
加害者が中年で、被害者が若者のポスターはできないだろう。
いや、間違いなくできないねっ!!!!